- ボラティリティというワードは投資においてよく使われている
- ボラティリティが高くなる局面はチャンスでもあり危険な場面でもある
- ボラティリティの見方を押さえておきましょう
本記事ではボラティリティの特徴について、そしてボラティリティが高くなる局面やボラティリティの活用方法などについても解説します。
ボラティリティは投資においてよく使われるワードであり、重要なワードでもあるのできちんと理解しておくとトレードの多くの局面で役に立ちます。
ボラティリティとは
ボラティリティとは対象となる金融商品の「取引量・値動き幅」を指しています。対象の金融商品がどれだけ取引されているかを表し、主にローソク足やラインなどでチャートに表示されているのです。
また取引されている金融商品の価格推移や取引量といった、価格変動率を表しています。そしてボラティリティは「高い」「低い」と表現され、価格の変動比率を表現していいます。
2種類のボラティリティ
ボラティリティは、以下の二つに分かれています。
- ヒストリカル・ボラティリティ
- インプライド・ボラティリティ
ヒストリカル・ボラティリティは株価や株価指数の過去の値動きから計算され、統計用語の標準偏差で示されます。
それに対し、インプライド・ボラティリティとは取引されているオプション価格から算定されます。オプションの取引価格を算出するためにはインプライド・ボラティリティの数値が必要になります。
2つの共通点として、ヒストリカル・ボラティリティとインプライド・ボラティリティ共に数値が上がり続けることもなければ、下がり続けることもありません。
ボラティリティの作成方法
ボラティリティとはチャートの価格変動の大きさを表す変動率のことをいいます。つまり、価格の変動率が低いぼどボラティリティは低くなり、価格の変動率が高いほどボラティリティは高くなるということになります。
ボラティリティの作成方法は以下の計算式を元にします。
当日のV (ボラティリティ) =当日のTR/当日のTP×100
TR (トゥルー・レンジ)
- 当日高値−当日安値
- 当日高値−前日高値
- 前日終値−当日安値
以上のうち値が最大のもの
TP=高値・安値・終値の平均
ボラティリティが高くなる局面
ボラティリティが高くなる局面はある程度予測することが可能です。ボラティリティが高くなる局面を押さえておけば、ポジションを持つタイミングの参考になるため押さえておきましょう。
ボラティリティが高くなる局面として主に以下の4つが挙げられます。
- 市場の取引開始直後の時間帯
- プレスリリースやIRが発表された時
- 上場直後に新規上場 (IPO) した時
- 著名なTwitterアカウントが話題にした時
局面1 市場の取引開始直後の時間帯
例えばドル円の為替取引では、朝9時に日本の市場が開きます。市場規模が海外に比べると小さいためそれほど値動きしませんが、一応市場が開くタイミングで取引量が増えボラティリティが高くなります。
局面2 プレスリリースやIRが発表された時
プレスリリースやIRといったファンダメンタルズが発表されるタイミングでは、取引量が増えることでボラティリティが高くなります。
画像はドル円のチャートですが、21時30分にアメリカの1月小売売上高と1月小売売上高 (除自動車) が発表され、結果が良かったのでドルの価格が上がっています。
局面3 上場直後に新規上場 (IPO) した時
仮想通貨でも同じことがいえます。投資ではいち早く期待されている銘柄に投資することで、上場直後に買われて値上がりする現象を利用することができます。注目を集めている銘柄であれば、多くの投資家が資金を投じます。
局面4 著名なTwitterアカウントが話題にした時
著名な勝率の高いトレーダーが特定の銘柄を取り上げることで、「この人も投資しているなら上がるかも」「多くの人が見ているアカウントで呟いたし、資金が集中する」と考えるトレーダーが現れます。
そうすることでつぶやきの対象となった銘柄は、注目を集めたことで値上がりしやすくなるのです。
ボラティリティの活用方法
ボラティリティの活用方法を解説します。活用方法を押さえて実際に取引してみましょう。
短期トレードに適した銘柄かどうかを判別する
主に人気で旬な銘柄はスキャルピングやデイトレードなどの短期トレードに向いています。
人気で旬な銘柄ほどボラテリティは高くなります。注目を集めることで取引量が増えるため、ボラテリティが高くなります。
投資金額の大きさを決める際の判断基準として使う
ボラティリティの幅は取れれば取れるほど利益をあげることができるため、ボラティリティをある程度予測できれば、投資金額の調整ができます。
ボラテリティが高ければ投資金額を減らせばいいし、ボラテリティが低いなら金額を増やせば一定の利益をあげられます。
低ボラティリティ状態が続くと相場が大きく動く可能性が高まる
低ボラティリティの状態が続くと、相場が煮詰まっており、エネルギーが溜まっていると予想することができます。そのため、仮にレンジがブレイクすると相場が大きく動く可能性があります。
上手く使うためにはボラティリティが底をつき、上昇に転じたタイミングを見計らい、レンジでぶれいくした方向にエントリーするようにしましょう。
デイトレードにはボラティリティの高い銘柄を選ぶ
デイトレードは短期間で値動きが取りにくいです。そのため値動きが大きく、取引が活発に行われていることが重要です。
そこで値動きの大きさを表す指標であるボラティリティが効果的です。
数値の目安として、終値ベース60日ヒストリカル・ボラティリティで100%以上が、デイトレードで銘柄を選ぶときのひとつの基準となります。
ボラティリティのチャートでの見方
チャートでボラティリティを確認することはカンタンです。画像のようにローソク足が伸びているときほど、下のボリュームが増えています。
画像のようにローソク足の長さでも判断できますし、下のボリュームでも確認できるのです。
仮想通貨ビットコイン (Bitcoin/BTC) のボラティリティ
こちらでは仮想通貨ビットコインのボラティリティについて解説します。
仮想通貨ビットコイン (Bitcoin/BTC) のボラティリティは高い
仮想通貨で大儲けをしたり、大損をしたりといった話をよく聞くように、仮想通貨はハイリスク・ハイリターンというイメージがあるかもしれません。裏を返すとそれだけボラティリティが高いということです。
仮想通貨そのものがまだまだ歴史が浅く、価値も安定してません。そのためボラティリティの高さを使用して稼いでいくということも全然可能です。
仮想通貨ビットコイン (Bitcoin/BTC) の億り人
仮想通貨の億り人とは、仮想通貨で億単位の大儲けをした億万長者のことをいいます。仮想通貨は2017年ごろに高騰して大きな利益を出す人が急増しました。
2010頃に数万円でビットコインを購入していた人が、一気に億万長者になったという話も珍しくありません。逆に価格が上昇してから購入した人は、下落に転じてしまい逆に損失を被ったという人もいます。
インターネット上で運用される仮想通貨はドル円などの通貨と異なり、ボラティリティが高く魅力的な一面もありますが、それに対してリスクも高いということも留意しておきましょう。
ボラティリティとリスク
ボラティリティは高ければ高いほど、対象銘柄の値動きが大きくなります。つまり間違ったポジションを持つと、一気に損益が膨らむリスクもあるのです。
一日、一か月、一年でどれくらい変動するのか
ボラティリティからリスクを判断するには、どの期間でどれだけ変動しているかを確認する必要があります。1日といった特定の期間だけでなく、1ヶ月や1年といった期間の変動率も確認しておきましょう。
ボラティリティは時期によって変化します。しかし過去のボラティリティを確認することにより、リスクの高さを把握ことができるのです。
レバレッジは適切か
ボラティリティが高いほど利益をあげるチャンスです。
しかしハイレバレッジでさらに利益をあげようとして逆に動いた場合、一瞬で強制ロスカットされてしまいます。想定しているボラティリティと証拠金を考慮して、レバレッジを調整しましょう。
まとめ
ボラティリティが高いと稼ぐチャンスです。しかし投入する金額やレバレッジ設定を間違い、さらに逆方向のポジションを持った場合は一瞬で損益が膨らみます。
ボラティリティが高い時期にポジションを持つときは、うまくレバレッジや投入する金額を設定しましょう。