Web3.0とは

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田中丸 凛太郎 (Rintaro Tanakamaru)
この記事の編集者
田中丸 凛太郎

KasobuのAssociate Editorです。暗号資産、株式、FXなど幅広い経済・金融系分野のリサーチを行っています。 彼は2021年1月にドットメディア株式会社にインターン生として入社し、同社オウンドメディアの制作ディレクション・運用に携わっています。

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Web3.0とは

Web3.0とは、ブロックチェーン技術によって実現される分散型ネットワークです。分散型ネットワークにおいては、ユーザー自身がデータの所有権を持ち、データの利用をコントロールできるようになります。

現在のインターネットは、大企業や一部の機関に個人情報が集中し、そのデータがどのように管理・利用されているかを外部の人間が知ることはできません。このような状況では、サーバー攻撃を受けた際に個人情報が流出したり、改ざんされたりといったリスクがあります。実際に企業のサーバーが攻撃されて個人情報が流出したなどといったニュースは少なくありません。

Web3.0では、ブロックチェーン技術により、誰もがデータを相互に閲覧・検証できるネットワークを構築し、個人が情報を管理することで、現在の問題点の解決を図っています。

Webの進化の変遷

Webのこれまでの歴史を振り返るときに、Web1.0/2.0/3.0という表現をすることがあります。それぞれの時代を見ていきましょう。

Web1.0時代は、Yahoo!やGoogleが現れたばかりの時期で、Webがまだ一方通行であった時代です。一部チャットツールなどはありましたが、ほとんどはただWebページを閲覧するだけの一方的な情報発信で、ユーザーがデータを変更するといったことはできませんでした。インターネットの通信速度も遅く、画像を1枚読み込むのにも膨大な時間を要していました。

Web2.0時代は、現在のインターネットのあり方に近いです。ADSLの登場により、常時インターネットに接続でき、通信も高速になりました。一番の進化は、誰もが双方向に情報をやり取りできるようになったことです。YouTube、TwitterをはじめとするSNSも登場し、Webはただ閲覧するだけのものではなく、自らが情報発信者として参加できるものになったのです。

そして、次世代のWebのあり方として期待されているのが、Web3.0時代です。Web3.0では、今まで特定の管理者が個人情報を管理していたことに起因するWeb2.0時代の問題点をブロックチェーン技術によって克服し、サービスの基盤は特定企業によってではなく、一人ひとりが担うものになるとされています。

Web3.0のコア技術であるブロックチェーン技術

Web3.0時代を実現する上で鍵となる技術がブロックチェーンです。ブロックチェーンとは、端的に言えばデータを分散して管理する技術です。

従来のネットワークの仕組みでは、中央の管理者がユーザーの情報を管理し、不正や改ざんに対応する形をとっていました。ブロックチェーンでは、中央の管理者ではなく、ネットワークを構成するユーザーそれぞれがデーターの整合性を相互管理しあうシステムになっています。

ではどうしてこのようなことが可能なのでしょうか。ブロックチェーンの仕組みをかんたんに解説します。

まず、一定期間の取引データをブロック単位にまとめ、コンピューター同士で検証し合いながら記録をチェーンのようにつないで蓄積していきます。この時、個々のブロックには取引の記録に加えて、1つ前に生成されたブロックの内容を表すハッシュ値と呼ばれる情報も格納します。この一連の流れが、ブロック (箱) をチェーン (鎖) で繋いでいく作業に当たり、ブロックチェーンと呼ばれるのです。もしデーターを改ざんしようと思っても、変更したブロックから算出されるハッシュ値は変更前と異なることから、後続する全てのハッシュ値も変更しなければならず、膨大な作業量が必要となり、事実上不正は不可能となるのです。このように、取引の透明性と信頼性を両立するのがブロックチェーンの特徴です。

Web3.0がもたらすメリット

Web3.0時代が来るとどんなメリットがあるのでしょうか。

1つは、中央管理者が不要になり、サービスの利便性の向上が期待されます。ブロックチェーンにより取引の信頼性、透明性が担保されれば、例えば公的機関が保有する情報を一般に公開し、ユーザーは公的機関に訪れることなく必要な情報を入手できる、といったことが考えられます。

また、インターネットに接続されている様々なデバイスから必要な情報を取得できるようになるため、サーバーが必要なく、アクセス過多によるサーバーダウンなどのトラブルもなくなります。

他にも、多くの情報が匿名性を担保された上で公開されることにより、マーケティング活動が効率化することも考えられます。

Web3.0領域の「4つのトレンド」

近年のWeb3.0領域では、主に4つのトレンドが発生しています。いずれも共通していることは、ブロックチェーン技術によって、第三者を介さず個人間での取引を可能にしていることです。

以下でそれぞれについて解説していきます。

1つめは、DeFiです。DeFiとはDecentralized Finance (分散型金融) の略称で、取引所や金融機関等の中央管理者を必要としない金融サービスのことです。スマートコントラクトと呼ばれる自動化技術により、ユーザー同士の直接取引を可能にしました。

中央管理者を介さないので手数料や時間的コストが圧倒的に削減され、革新的な金融システムを構築すると期待されています。

2つめは、NFTです。NFTとはNon-Fungible Token (非代替性トークン) の略称で、特定の価値を持つデジタル資産のことです。仮想通貨と同じく、ブロックチェーン上で発行され取引されます。従来のデジタルデータは容易にコピー・改ざんができるため、資産価値があるとはみなされませんでしたが、ブロックチェーンの技術によって所有権やオリジナルのデータであるという証明が可能になったため、資産価値をもたせられるようになったのがNFTです。

現在はデジタルアートやゲームのキャラクターなどで応用されていて、中には数十億円の価格がつくNFTが生まれるなど、多くの投資家が注目しています。

3つめは、SocialToken (ソーシャルトークン) です。Social Tokenは、特定の個人やグループなどによって価値を裏付けられていて、サービスの利用権限をトークンを使って管理するなど、限られたコミュニティ内での交流を促進することを目的としています。

個人が発行するものはパーソナルトークン、コミュニティが発行するものはコミュニティトークンと呼ばれます。

4つめは、Metaverse (メタバース) です。Metaverseは、デジタル空間で作られた仮想空間です。例えば、「フォートナイト」や「集まれどうぶつの森」などがMetaverseを利用したゲームとして有名です。これらのゲームのデジタル空間上にある土地やアイテム、アバターなどが、ブロックチェーンによって価値を持ち取引されるようになってきていて、注目されています。

Web3.0まとめ

Web3.0が到来すれば、分散型ネットワークのコミュニティが社会のいたるところまで広がっていくと予想されます。

IoTやAIにより、日常のあらゆる場面のデータがブロックチェーンに蓄積され、複数のユーザーで同時に管理する未来がくるでしょう。ユーザーは情報を閲覧できるだけでなく、自分で情報を管理する権限も持ち、参加するブロックチェーンのコミュニティを選択することもできます。たとえ中央の管理者がいなくても、ブロックチェーンにより情報の改ざんはできないので、信頼性も担保されるのです。

既にDeFiやNFTなど、様々な分野でWeb3.0の実現に向けた動きが加速しているので、これからもWeb3.0のこれからの動向に注目しましょう。