- リップルはグローバル国際送金プラットフォームを開発する企業
- リップルトークンは異なる通貨同士を橋渡しする機能をもつ
- 実際に国際送金に使われ始めており、将来性が高い
非常に人気のある仮想通貨リップル。 「金融機関同士の国際送金に使われる」 ことについて知っている方は多いものの、具体的なしくみを把握している方は少ないです。そこで本記事では リップルについてより一層知りたい人のために、一歩踏みこんで解説します。
▶ 『仮想通貨・ビットコイン取引所のおすすめ比較ランキング』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
目次
- リップル (Ripple/XRP) の最新情報
- リップル (Ripple/XRP) とは
- リップル (Ripple/XRP) の特徴
- リップル (Ripple/XRP) の価格推移
- リップル (Ripple/XRP) の過去の価格変動要因
- リップル (Ripple/XRP) を運営するRipple Inc. (リップル社)
- リップル (Ripple/XRP) の仕組み
- リップルの送金システム 「RTXP」 の仕組み
- RippleNet (リップルネット) の仕組み
- リップル (Ripple/XRP) を使うメリット
- リップル (Ripple/XRP) を使うデメリット
- リップル (Ripple/XRP) の採掘 (マイニング)
- リップル (Ripple/XRP) の買い方・購入方法
- リップル (Ripple/XRP) のウォレット
- リップル (Ripple/XRP) の重要プロジェクト
- リップル (Ripple/XRP) の今後・将来性
- まとめ
リップル (Ripple/XRP) の最新情報
リップル (Ripple/XRP) とCoinbase (コインベース) の提携への期待
2019年9月13日にリップル社のブリーン・マディガン氏は、パリで開催されたOECD主催のブロックチェーンフォーラムで、決済サービスxRapidを有効活用できる企業にCoinbaseを挙げました。さらにリップル社はアメリカの送金大手マネーグラムと提携しています。
リップル社はマネーグラムを通じて、 リップルとCoinbaseを提携すると期待されています。また9月はアルトコイン全体で値上がりしており、背景には大手取引所BINANCEのUS立ち上げが関わっていました。
リップル社のダンピング疑惑
リップルの価格は一時マイナス27%を記録しており、一部ではリップル社がリップルをダンピングしたのではと噂していました。
しかしリップル社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏はCNNのインタビューに対して、 リップルの価格が低迷しているのはダンピングによるものではないと否定しています。
リップル (Ripple/XRP) とは
リップル (Ripple/XRP) の概要
リップルはサンフランシスコ、ニューヨーク、シドニーにオフィスを構えるアメリカのベンチャー企業名であり、リップル社が提供するソリューションの名前です。
リップル社はグローバル金融ソリューションを提供します。リップル社が提供するソリューションでは、インターネットを使って情報が瞬時に伝えられるように、お金をかんたんにそして安全に送金できます。
リップルはリップル社が提供する国際送金ネットワークにおいて、異なる法定通貨同士を仲立ちする役割を担います。またリップル社にとって良いニュースが流れるとリップルの価値が上昇する傾向があるため、リップルはリップル社の株式のような役割を持っているといえるでしょう。
通貨単位:XRP
リップルの仮想通貨としての通貨単位はXRPとなっています。
これはイーサリアムと同じように、リップルのシステムを使って開発・発行されたのがXRPということになりますので、リップルのことを仮想通貨だと認識している人も多いですが、繰り返しになりますが本質的には異なるということを覚えておいてください。
ちなみに、XRPにも最小単位があり、100分の1XRPを指す単位として「drop」という単位が設けられています。
開発者:Ryan Fugger
Ryan Fugger氏は、リップルの根幹となる決済プロトコルの開発者です。リップル社の創業者ではありません。
ちなみにリップルの仮想通貨であるXRPを開発したのはビットコイン取引所であるマウント・ゴックス社を創業したJed McCaleb で、Ryan Fuggerが合意した上で開発されました。
そして2012年にリップル社が設立されてブラッド・ガーリングハウスが代表者となりました。
リップルの開発目的
リップルが開発された目的はグローバルな金融ネットワークを作るためです。というのも現在主流となっている国際送金システムは、インターネットが発達した現代社会に合わなくなっているからです。
たとえば日本からブラジルに送金しようとしたとき、2行間で直接送金することができず、 「コルレス銀行」 という中継銀行を介して送金します。ゆえに着金までに長いと1週間かかることがあります。
さらに送りもとの銀行は 「ノストロ・アカウント」 といって、受金側の銀行に資金決済を行うための決済口座を持たなければなりません。それぞれの銀行に、決済用として多額の現地通貨を保有しておく必要があり、多額のコストと手間がかかります。
RippleNetを使うことで直接2行間で決済を行えるようになり、さらに 「ノストロ・アカウント」 を保つ必要がありません。そのため着金までのスピードがアップし、コストを最小限に抑えられます。
時価総額
一時期は仮想通貨全体の中で時価総額が第2位にもなったことがあるXRPですが、2019年6月現在では第3位となっていて、イーサリアムの後塵を拝しています。
時価総額は2019年6月時点で、約2400億円となっていて、第2位のイーサリアムと比較すると5倍程度の開きがあります。
リップル (Ripple/XRP) の特徴
ブリッジ通貨としてあらゆる資産をつなぐ
リップルは異なる法定通貨同士をつなぐためのブリッジ通貨となります。わかりやすくするために、外国為替で考えてみましょう。
世界における基軸通貨となっているのは米ドル (USD) です。たとえば日本円(JPY)からブラジルレアル(BRL)へ両替しようとするとき、直接JPY→BRLへ交換するわけではなく、一度JPY→USDにしてから、USD→BRLとします。日本円とブラジルレアルの橋渡しをしているのが米ドルだと言えるでしょう。
この米ドルの役割をするトークンが、リップルです。
RTXPのセキュリティを高める
リップルはスパム攻撃から守るためにも使われます。 すべてのリップルアドレスには、少額の 「 リップル準備金 」 が必要です。2019年6月現在、その費用は20XRPです。
仮に攻撃者が大量にリップルのアドレスを作ろうとすると、アドレス分の 「リップル準備金」 が必要です。ゆえにスパム攻撃や悪意のある使用を防ぐ効果があり、RTXPのセキュリティが高まります。
RTXPはリップル・トランザクション・プロトコルの略称で、リップルネットワークを構成するサーバー同士が通信する規格のことを指します。
低コストでスピーディーに送金する
リップルが目指しているのは国際送金をリアルタイムで完結することが出来る仕組みの開発で、そのシステムを開発するためにXRPが開発されたという背景があります。
2018年現在の国際送金の仕組みに関しては、銀行やクレジットカードから送金すると数日~1週間程度の時間が掛かってしまうケースも珍しいことではありません。また、高額な手数料も発生することになりますので、海外への送金をする人からすると痛手です。
しかしリップルの支払いはわずか4秒で完了し、非常に速いことが特徴です。またネットワークに負荷がかかると変化しますが、最小トランザクション費用は0.00001XRPと非常に安いです。2019年6月現在のレートでいうと、約0.0004円です。
リップル (Ripple/XRP) が新たに発行されることはない
リップルはすでに総発行枚数の1000億XRPが発行されており、新しいリップルが発行されることはありません。そしてトランザクション費用で消費されるか、送金ミスによって失われる可能性がありますので、1000億XRPから徐々に少なくなります。
総発行枚数のうち、55% (550億XRP) はリップル社が保有しています。リップル社が市場に放出できるリップルの最大数量はひと月10億XRPに決められており、投資家は安心してリップルの売買を行うことができます。
▶ 『リップル (Ripple/XRP) の発行枚数』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
取引などによって、発行枚数は減少する
リップルのXRPは既に1,000億枚の発行が完了していて、新規に発行枚数が増えるということはありませんが、永遠に1,000億枚のXRPがネットワーク上に残り続けるのかというと、そうではありません。リップルではリップルネットワークを介して取引が行われることによって、手数料としてXRPが消費されるようになっています。
そして消費されたXRPについては誰にも使われなくなりますので、使われれば使われるほどに全体のコインの枚数は減少していきます。
ブリッジ機能
リップルが開発したXRPにはブリッジ機能があります。
ブリッジ機能というのはイメージとしては「通貨の橋渡しをする機能」となっていて、異なる法定通貨を送金する際に役立つ機能です。
従来の方法では日本からアメリカに送金するというような場合には、日本円を送ると日本の銀行から中継銀行に送金されて、日本円から米ドルに両替されて、それからアメリカの銀行に送金されるというような仕組みになっていました。
しかし、中継銀行の役割をリップルが行うことによって、送金にかかる時間や手数料を大幅に削減することが出来るということになります。
コストが掛からないというだけではなく、時間も少なくなるために利用者のメリットが大きいのも特徴的です。
コンセンサスシステム
リップルのコンセンサスシステムというのは、一部の承認者による投票で取引を承認することが出来る仕組みになっています。
ビットコインの場合は取引が開始されてからブロックを生成して、その取引の整合性を確認してから送金するというような仕組みになっているために送金が完了するまでに10分程度の時間が掛かっていますがリップルの場合は数秒で取引が完了します。
IoV :価値のインターネット
IoVというのは、「Internet of Value」の略称で、直訳すると「価値のインターネット」という言葉です。
これはインターネットを利用して実生活の価値を高めようという意味合いで、2018年現在メールやデータの送受信などをリアルタイムで行うことが出来るようになっています。インターネットが開発された当初は、これらのデータを送るのにも数日で送受信していたということを考えると技術の進歩が速さを感じます。
さらに「価値のインターネット」を進めるためには現金や仮想通貨を送る際にもリアルタイムで手続きが出来るようにするのがリップル社の基本理念となっています。
▶ 『リップル (Ripple/XRP) の特徴』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
リップル (Ripple/XRP) の価格推移
リップルの価格推移を解説します。上の画像は2018年~2019年の週足チャートで、 最高値は2018年1月の約320円です。
そして最安値は同年9月の約30円で、以降2018年内は30円を割りませんでした。2018年1月は仮想通貨バブルのピークで、1月以降はバブルが崩壊し10分の1まで値下がりしています。
2018年の最安値更新後は、直後の9月16日に1XRP75円まで値上がりしました。75円で再び下落し始め、30円台を推移して2018年を終えています。
2019年1月~9月20日までのリップルは、 6月16日に最高値の約50円を更新しました。そして8月25日に最安値の約26円を更新し、以降は26円を割っていません。9月20日時点では約31円で落ち着いています。
リップル (Ripple/XRP) の過去の価格変動要因
【価格7倍】 英大手銀行が送金効率化の実験にリップル (Ripple/XRP) を採用
リップルが大きく価格上昇したきっかけは、 2017年3月27日の「イングランド銀行」によるリップルを用いた実証実験でした。イングランド銀行は、即時グロス決済のための実証実験にリップルを使用すると発表。即時グロス決済は、中央銀行による金融機関間の口座振替手法です。
イングランド銀行は世界最初株式組織の銀行なので、世界に対しても強い影響力を持っています。世界でも名の知れた銀行がリップルを使用したので、大きく価格が上昇するきっかけとなりました。
【価格2倍】リップル社、550億XRPのロックアップを発表
2017年5月に、リップルは約25円から45円に高騰しています。リップルの価格が2倍に高騰したきっかけは、リップル社によるロップアップの発表でした。リップル社は550億XRPを2017年末までロックアップすると発表し、市場への放出が制限されたので値上がりに繋がっています。
リップルは総発行数が1,000億XRPで、リップル社は660億XRPを保有していました。リップル社は660億XRPの内550億XRPをロックアップしたので、550億XRP分が市場に流れません。 大量のXRPが売られる心配をしなくていいため、需要に繋がりました。
【価格2倍】日韓の銀行間で国際送金実験を開始
2017年12月14日にリップル社は、日本と韓国の銀行間でリップルネットワークを使用した国際送金のテストが行われたと発表されました。
発表からリップルの実用化が進んでいると期待感が高まり、価格は1XRP約42円から約96円にまで高騰しています。
【価格1.6倍】タイ大手銀行が決済にリップルネットを採用
2017年12月18日にリップル社は、タイの大手銀行「アユタヤ銀行」がリップルネットを導入したと発表しました。
さらにリップルの実用化が進んだため、1XRP約85円から約138円まで高騰しています。
【価格1.5倍】リップル社CEOの発言
2017年末にはリップル社のCEO・ブラッド・ガーリングハウス氏が、アメリカのニュース番組CNBCに出演し「XRPが銀行間送金に使われる」と発言しました。ハッキリとした発言があったので、リップルは約150円から約232円に高騰しています。
同時に仮想通貨市場はバブルだったため、価格の高騰には勢いがありました。 2018年1月には約360円まで値上がりしています。
【価格下落要因】大手価格サイトの影響
大手仮想通貨情報サイト「Coin Market Cap」は2018年1月9日に、価格データ一覧から韓国のデータを削除したと発表しました。理由は韓国の仮想通貨市場が加熱しすぎたため、世界市場の価格と乖離したからだと発表しています。
韓国の行きすぎた仮想通貨市場が世界の価格に影響を及ぼすので、適切な価格を表示するために除外されました。
韓国が除外されたことで Coin Market Cap上の価格チャートが下落し、実際のチャートでも大きく価格が下落しています。1月8日の発表から、1XRP240円にまで下がりました。
【価格下落要因】大手取引所の影響
アメリカの取引所Coinbaseには、リップルが上場するという噂が出回っていました。Coinbaseはアメリカでも大手の取引所だったので、投資家から注目を集めていました。しかし2018年3月5日に Coinbaseがリップルの上場を否定し「上場しない」と明言しました。
噂が否定されたので、期待していた投資家がリップルを手放しました。リップルの価格は約100円から約80円まで下落しています。
リップル (Ripple/XRP) を運営するRipple Inc. (リップル社)
リップルはXRPのことではないかも⁉︎
リップルはリップル社によって開発された送金ソリューションの名称ですが、リップル社が発行するXRPトークンも一般的に 「リップル」 と発音します。
ですからリップルは 送金システム のことを指す場合もあれば、トークンを指す場合もあります。文脈をとらえ、どちらのことを指しているのか注意する必要があります。
Ripple Inc. (リップル社) の詳細
会社名 | Ripple Inc. |
---|---|
住所 | 300 Montgomery Street Suite 1200 San Francisco CA 94104 USA |
CEO | Brad Garlinghouse |
創業 | 2012年9月 |
Ripple Inc.は2012年9月に設立した当初はOpneCoin Inc.という名称でした。しかしリップルの起源はそれよりさかのぼります。
2004年カナダのWeb開発者のRyan Fugger氏が、 信頼関係のない個人同士で送金を行うための 「Ripple Pay」 を考案したのが起源です。 「 Ripple pay 」 の開発を引き継いだ開発者が、Ripple Payをビットコインと同じP2Pネットワークに変更し、現在のリップルが作られました。
リップルの歴史をかんたんにたどると、次のようになります。
年 | 出来事 |
---|---|
2004年 | カナダのWeb開発者のRyan Fugger氏がRipple Payを考案 |
2012年 | Ryan Fugger氏、開発の指揮権をChris Larsen氏へ委譲し、OpenCoin Inc.設立 |
2013年 | XRPトークンをローンチし、Ripple Labs Inc.へ社名変更 |
2015年 | Ripple Inc.へ社名変更 |
スタートアップ企業の一つだった企業が、製品の開発を経て現在のRipple Inc.へ変わっていったことがわかります。
リップル (Ripple/XRP) の仕組み
リップル (Ripple/XRP) はブロックチェーンを使わずマイニングの必要もない
リップルの送金履歴は XRP Ledger に記録されます。 XRP Ledger はビットコインで言えばブロックチェーンのことです。ブロックチェーンとXRP Ledgerで大きく異なるのは、マイニングの有無です。
ブロックチェーンでは、送金を記録する作業に誰でも参加でき、新しく発行されたビットコインを報酬として受け取れます。しかしXRP Ledgerでの送金を記録する作業を行えるのは、あらかじめリップル社に認定された機関のみに制限され、送金情報を記録しても新たなリップルは発行されません。つまり リップルにマイニング制度はありません。
リップル (Ripple/XRP) のコンセンサスアルゴリズムPoC
リップルにおけるコンセンサスアルゴリズムは、 RPCA (リップル・プロトコル・コンセンサス・アルゴリズム) と呼ばれるものです。PoCと書かれていることが多いのですが、これは日本人にのみ広まっている誤った情報のようです。
リップルではコンセンサスはすべてのノードによって数秒ごとに行われます。
合意に達すると台帳は 「クローズ」 しネットワークに分岐がなければ、ネットワーク内のすべてのノードは 「直近にクローズされた台帳」 を保持します。
リップルの送金システム 「RTXP」 の仕組み
ILP (インターレジャープロトコル) とは
ILP とは Interledger Protocol の略称で、異なる台帳間で決済を行う規格の名称です。リップルのデータベース 「XRP Ledger」 においてベースの規格として採用されています。
たとえば日本円をもっているAさんと、Aさんから米ドルで支払ってもらいたいBさんがいるとしましょう。通常Aさんは日本円を米ドルへ両替してBさんに支払うか、仲介業者を通じて支払う必要があります。
しかしILPの仕組みを用いると両替や仲介業者を使う必要がありません。Aさんは日本円を保持したまま、Bさんに対して米ドルで支払いを行えるようになります。
日本円をビットコインに置き換えても成立します。法定通貨や仮想通貨といった垣根を超えて、異なる通貨同士をシームレスに送金できます。
ILPは、従来の両替のコストや仲介コストを削減できると期待されています。この技術は、2015年にリップル社の技術者によって提唱され、W3C (ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム) という団体によって開発されました。
XRP Ledger (XRPレジャー) の仕組み
XRP Ledger とは、リップルの送金履歴が記録された台帳システムのことです。ビットコインでいうところのブロックチェーンです。
特徴は合意形成のスピードが速い点です。最大1秒あたり1500トランザクションを処理でき、合意形成は4秒程度で完了します。
2つ目の特徴は、XRP Ledgerにおいて送金の記録を追記していくのが、リップル社が定めた機関のみであることです。
ビットコインなどは世界中のだれでもが送金記録を追記できる一方、電力の安い地域に偏ったり資金力のある企業に集中してしまったりします。しかしXRP Ledgerでは、リップル社が偏らないように管理していますので、ビットコインように権限が集中してしまう心配がありません。
IOU (アイオーユー) とは
IOUはXRP Ledgerにおける見知らぬ人同士の安全な送金を担保するための仕組みのひとつで、 「issuances」 と表されることが多いです。
たとえば見知らぬ他人同士であるAさんとBさんが、インターネット上で取引するとしましょう。Aさんは 「100万円持っている」 と主張しますが、BさんはAさんの言葉だけでは、本当に100万円を持っているのか確信できません。
そこで信頼性の高い機関に、 「Aさんの口座には100万円入っている」 という証明書を発行してもらいます。この証明書が 「issuances (またはIOU)」 となります。この 「issuances」 は 「ゲートウェイ」 と呼ばれる機関が発行します。
ゲートウェイとは
前述した 「issuances」 を使って取引をする場合、必ず 「ゲートウェイ」を中継して取引を行います。
「ゲートウェイ」 を現実世界でたとえると銀行のようなもので、預け入れや払い出しする際に手数料が引かれます。リップル社の審査をパスするとゲートウェイを運営することができます。
RippleNet (リップルネット) の仕組み
RippleNet はリップル社が提供する、金融機関が国際送金を行うためのグローバル送金ネットワークのことです。各金融機関は、リップル社に申請することでRippleNetへ参加できますが、接続する方法は次の3種類があります。
-
xCurrent
-
xRapid
-
xVia
xCurrent
xCurrent は、リップルネットワークの基幹となる、金融機関向けのソリューションです。 「 Interledger Protocol (ILP) 」 が採用されていますので、異なる台帳の通貨を送金できます。
たとえば日本からアメリカに送金したいとき、xCurrentを使うことで日本円から米ドルへ両替されてアメリカの銀行に着金します。従来のコルレス銀行のような中継銀行も必要なく、送金を行う金融機関と受け取る金融機関が直接接続して、通貨を送金できます。このxCurrentではリップルは使われません。
xRapid
xRapid は国をまたいだ送金を行う際に、リップルを介して送金するシステムのことです。新興国市場への送金を行う金融機関向けのソリューションです。
各金融機関はリップルネットワークにおいて、支払い用の通貨としてリップルを保有しておきます。たとえば日本から韓国にお金を送金する際、 xRapid を使うことで 日本円→リップル→ウォンと 両替され、韓国にはウォンで着金します。
従来金融機関が国際送金を行うには、現地の金融機関に自社の決済用口座を開き、その口座に現地通貨を保有しておく必要がありました。このxRapidを利用することで、決済用口座はひとつだけ、さらに保有する通貨もリップルのみでよくなり、コストと手間が削減されます。
xVia
xViaはソフトウェアをインストールしなくても使えることが特徴で、 RippleNetに接続するための最もかんたんな接続方法です。一般企業向けのソリューションです。請求書などの豊富な送金情報を一緒に送金でき、瞬時に支払いが完了します。
リップル (Ripple/XRP) を使うメリット
メリット1 世界的に有名な大企業が出資
リップル社はアクセンチュアやGoogle Ventures、SBIなどの世界的に有名な大企業から出資を受けています。
ゆえに リップル社が行っているビジネスは「世界の有名企業から将来性が高いものであると判断されている」といえるでしょう。この世界的な企業に出資を受けていることが、リップルの人気につながっています。
メリット2 RippleNet参加企業の増加ペースが加速
グローバル国際送金プラットフォーム 「 RippleNet 」 に参加する金融機関が、速いスピードで増加しています。
2019年1月時点で 200社 を突破していますが、わずか2ヶ月間で新たに100社が参加したことになります。RippleNetを使うユーザーが増えることで、リップル社の人気がますます高まっています。
メリット3 リップル (Ripple/XRP) を取り扱う取引所が増えている
2018年後半から2019年にかけて、新たにリップルを取り扱う取引所が増えました。一部を抜粋してみましょう。
年月 | 出来事 |
---|---|
2018年12月 | Kucoinにて取扱い開始 |
2019年3月 | HuobiのOTC取引で取扱い開始 |
2019年4月 | 米Coinbaseにて取り扱い開始 |
同上 | Huobi USにて取り扱い開始 |
いずれも取引量の多い大手の取引所で取り扱われていることがわかります。
2018年の第4四半期で新たに30の取引所がリップルの取り扱いを開始し、 全世界で 累計100以上の取引所 でリップルを売買できます。たくさんの人が取引できるようになったため、リップルの取引高はますます増加する傾向にあります。
メリット4 時価総額の高さ
リップルの時価総額は全世界で発行されている約1,500種類の仮想通貨の中で第3位の約2400億円となっています。
仮想通貨全体の中では人気のあるコインですので、時価総額が高いということは信頼性を反映しているということです。
メリット5 アジアでは内外為替一元化コンソーシアムを形成中
リップル社はSBIホールディングスとともに設立したSBI Ripple Asia株式会社を通じて、 「 内外為替一元化コンソーシアム 」 という共同事業体に参加しています。
「 内外為替一元化コンソーシアム 」 は、日本国内の47行が参加しているもので、リップル社の技術を使った決済プラットフォームの構築を目指すもの。2019年5月にはリップル社の xCurrent を基盤技術としたスマートフォン用の送金サービス 「 Money Tap 」 の実証実験が開始されました。
リップル社は 「 内外為替一元化コンソーシアム 」 を通じて日本の金融機関と密接に関わっています。
メリット6 仮想通貨格付けでトップを取得
米格付け機関Weiss Rating社のレポートにおいて、リップルはトップ評価されています。
2019年3月に発表されたレポートでは、 「 国際送金市場において圧倒的なシェアをほこるSWIFT社の、良い競合相手になっている」 と記載されています。リップル社の企業力が高く評価されています。
メリット7 リップルの商用化が進んでいる
リップル社の技術は世界中の銀行で実際に使われ始めています。
たとえば2019年3月には、イギリスの銀行であるSantander UKが、国際送金の一部でxCurrentを使用していると発表しています。2019年5月にはブラジルの外国為替ディーラーFront Exchange社が、リップル社の技術を使った国際送金プラットフォームを6月に稼働すると発表しています。
「実際に企業が使い始めている」 ことは、他の仮想通貨プロジェクトとリップルが大きく異なる点です。
リップル (Ripple/XRP) を使うデメリット
デメリット1 価格変動が激しく不安定
他の仮想通貨においても言えますが、 トークンの価格が上下しやすく不安定なのはデメリットだといえます。ただ将来的にリップルを保有する人が増えることで、ボラティリティは小さくなるでしょう。
デメリット2 ブリッジ通貨としてのリップル (Ripple/XRP) に価値の保証がない
リップル自体にはほとんど価値がないことに注意が必要です。というのもリップルは、 リップル社が出した xRapidというシステムでのみ 使われるものだからです。xRapidにおいて異なる法定通貨同士を橋渡しするブリッジ通貨として使われますが、 xCurrent や xVia においてリップルは使われません。
どちらかというと、リップルは仮想通貨取引市場においてリップル社の証券的な役割が強いでしょう。
デメリット3 ゲートウェイがハッキングされるリスク
XRP Ledgerでは信頼関係のない他人同士で取引する際に、 「ゲートウェイ」 と呼ばれる機関に仲介してもらうことで信頼性を担保することができます。
この 「ゲートウェイ」 はリップル社に認定された機関が運営するものですが、 「ゲートウェイ」 自体が悪意のある人の手に渡ってしまう可能性が無いわけではありません。その場合 「ゲートウェイ」 が発行する 「issuances」 の信頼性は無くなってしまいますし、詐欺が起こる可能性があります。
デメリット4 SWIFTがリップル (Ripple/XRP) に対抗する送金システムを開発
国際送金市場で圧倒的なシェアを誇っているのは、 「SWIFT」 と呼ばれる規格です。世界200カ国以上で導入され、1万行以上の銀行や金融機関に使われており、業界の標準規格となっています。
リップル社が開発するソリューションはこのSWIFTと競合しますが、決済スピードやエラー率の少なさといった機能性で優位な位置にあります。
ですがSWIFTも黙っているわけではありません。
エラー検出を重点にした新たな仕組みの実証実験を開始すると2018年12月に発表し、これが成功すれば、既存のユーザーである1万行以上の銀行に適用されます。 すでに多くの銀行で活用されているSWIFTの機能がよくなれば、リップル社の技術の相対的なメリットが少なくなる可能性があり、シェア獲得が難しくなる場合もあるでしょう。
デメリット5 リップル (Ripple/XRP) は中央集権的
XRP Ledgerにおいて送金を承認できるのは、リップル社が認定した機関だけとなっています。これが 「リップルが中央集権的」 と言われる理由の一つとなっています。なぜ 「リップル社が認定した機関だけが送金を承認できる」 仕組みにしたのかというと、セキュリティとスケーラビリティを優先させたからです。
信頼できる機関に承認作業を依頼することで、二重支払いや不正などを防ぐことができます。また信頼性がベースにあるので送金スピードは一般的なブロックチェーンよりも格段に速くなります。
さらにリップル社が承認作業を行う機関の数を管理できるため、数グループに権力が集中することはありません。ビットコインは誰でも送金の承認作業に参加できる仕組みになっていますが、実際は資金源の大きいマイニング企業の数グループに権力が集中してしまっています。
デメリット6 有価証券として判断される可能性がある
リップル社が拠点を置くアメリカでは、 「仮想通貨が有価証券に当たるかどうか」 が議論されています。
なぜこれが大きな問題かというと、仮想通貨が有価証券とみなされた場合、従来の株式のように、発行する企業は厳しい審査基準をクリアする必要がありますし、それを上場する仮想通貨取引所も厳しく審査されることになるからです。
「仮想通貨を米国証券法の対象外とする」 デジタルトークン法が米議会に2019年に提出されていますが、実際に可決されるかどうかは不透明です。「有価証券とみなされると罰則を受ける可能性がある」 として、アメリカ国民向けの仮想通貨取引サービスを停止する企業も増えています。
リップル (Ripple/XRP) の採掘 (マイニング)
リップル (Ripple/XRP) は採掘 (マイニング) できない
リップルには、マイニングの仕組みがありません。
マイニングとは 「仮想通貨の送金処理を手伝う代わりに、新規に発行される仮想通貨を報酬してもらうこと」 をいいます。ビットコインやイーサリアム、ライトコインなどにはマイニングの仕組みがあります。
▶ 『リップル (Ripple/XRP) のマイニング』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
リップル (Ripple/XRP) が採掘 (マイニング) できない理由
通貨発行上限枚数とリップル社の保有枚数
マイニングがあるビットコインでは、送金を処理すると新たにビットコインが発行されます。
リップルはXRP Ledgerが始まったときに総供給枚数の1,000億XRPが発行されました。ゆえにこれ以上リップルの枚数が増えることはありません。なお1,000億XRPのうち55% (550億XRP) はリップル社が保有しています。
マイニングする必要がない
ビットコインにマイニングの仕組みがあるのは、悪意のあるものを排除するためです。 「ネットワークに参加して報酬をもらうほうが、ネットワークを混乱させるよりもメリットがある」 と思う人が多いからです。
一方XRP Ledgerでは、認定した機関だけをネットワークに参加させますので、そもそも悪意のあるものがネットワーク内に入れない仕組みになっています。ゆえに信頼性を担保するための 「マイニング」 を実装する必要はありません。
独自ロックアップ制度の導入
ビットコインがマイニング制度を設けている理由の一つが、 「インフレを防ぐ」 という点です。ブロックが追加されるたびに新たにビットコインが発行されますが、その数はだんだんと少なくなります。
XRP Ledgerでは550億XRPをリップル社が保有することで、市場に供給されるリップルの数量を抑制しています。さらに毎月10億XRPを市場に供給するルールが定められ、供給過多になることを防いでいます。
▶ 『リップル (Ripple/XRP) のロックアップ』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
リップル (Ripple/XRP) の買い方・購入方法
リップルを購入する手順について解説します。ここではCoincheckを例に挙げて説明します。リップルを購入するまでの全STEPは、次の通りです。
STEP1 | 口座開設 |
---|---|
STEP2 | 入金 |
STEP3 | XRP (リップル) の購入 |
それでは詳しく見ていきましょう。
STEP1 口座開設
アカウント登録
Coincheckのサイトから 「メールアドレス」 と 「パスワード」 を入力しましょう。 「アカウント作成」 ボタンを押すと、入力したメールアドレス宛にCoincheckからメールが届きます。メールに書かれているURLをクリックすれば、アカウント登録が完了します。
SMS認証 (電話番号認証)
次に、電話番号を認証します。 「本人確認書類を提出」 ボタンを押して、携帯電話番号を入力します。
CoinchekからSMSが届きますので、認証コードを入力しましょう。
本人確認書類のアップロード
続いて個人情報を入力します。名前や住所などの入力が終わったら、運転免許証などの身分証明書の画像をアップロードしましょう。
次にアップロードした身分証明書を手に持った、自撮り写真をアップロードして終了です。最後にCoincheckから届く簡易書留のはがきを受け取れば、口座開設は終了です。
STEP2 入金
口座開設が終了したらCoincheckの口座へ入金します。 「日本円を入金する」 をクリックし、 「銀行振込」 ・ 「コンビニ入金」 ・ 「クイック入金」 のいずれかを選択して手順を進めてください。
STEP3 リップル (Ripple/XRP) の購入
口座へ入金が反映されたらリップルを購入できます。
「コインを買う」 > 「XRP」 と進み、購入したいリップルの数量を入力して 「購入する」 ボタンを押します。
▶ 『リップル (Ripple/XRP) の買い方』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
リップル (Ripple/XRP) のウォレット
リップル (Ripple/XRP) をウォレットで管理するメリット
リップルをウォレットで管理するメリットは、次の2つです。
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セキュリティの向上
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カウンターパーティリスクの回避
メリット1 セキュリティの向上
利用するウォレットの種類にもよりますが、 仮想通貨をウォレットで管理するとセキュリティが向上します。
580億円相当の仮想通貨が盗まれたCoincheckのハッキング事件がありましたが、もし利用者の方が秘密鍵を自分で管理できるウォレットを使っていれば、資産を安全に守ることができました。
ウォレットの中でもインターネットから切り離して管理できる 「コールドウォレット」 が最も安全性が高いとされています。
メリット2 カウンターパーティーリスクの回避
仮想通貨資産を自分で管理することで、仮想通貨取引所の倒産による資産の紛失を防ぐことができます。
銀行が倒産したときは1,000万円までの預金が保証される 「ペイオフ」 と呼ばれる制度が法律で定められていますが、仮想通貨取引所にはありません。ゆえに取引所が倒産した場合、預けていた資産は返ってこない可能性があります。
ウォレットを使って自分の資産を管理しておけば、取引所の倒産で資産を失うリスクを少なくできます。
▶ 『仮想通貨のウォレット』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
リップル (Ripple/XRP) のウォレットの選び方
ウォレットを選ぶ基準は次の2つです。
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送金を行う頻度
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他の通貨の対応状況
セキュリティと使いやすさはトレードオフの関係にあります。
送金する頻度が多い場合はセキュリティは少し下がりますが、使いやすいものを選ぶと良いでしょう。反対に送金することがめったにない場合は、手順が面倒でも セキュリティを高いものを選ぶと良いでしょう。
リップル以外の通貨を保有している場合は、他の通貨の対応状況を確認することをおすすめします。
▶ 『リップル (Ripple/XRP) のウォレット』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
おすすめのリップル (Ripple/XRP) を保管するウォレット
リップルを保管するおすすめのウォレットをご紹介します。
ウォレット名 | セキュリティ | 使いやすさ |
---|---|---|
Coincheckウォレット | - | ◎ |
Ginco | 中程度 | ◎ |
LedgerNanoS | 高い | △ |
Coincheck (コインチェック) ウォレット
Coincheckウォレットは仮想通貨取引所Coincheckの取引アプリです。
仮想通貨取引所のウォレットは、仮想通貨取引所の口座に預けている仮想通貨資産をアプリを使って操作しているだけですので、自分で 「秘密鍵」 を管理することはありません。ゆえに、取引所がハッキングされてしまった場合は、自分の資産を失う可能性があります。
とはいえCoincheckは、仮想通貨流出事件以降セキュリティ体制を強化していますので、安心して使えるでしょう。
▶ 『Coincheck (コインチェック) のウォレット』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
Ginco (ギンコ)
Gincoは日本企業が開発したモバイルウォレットアプリです。秘密鍵は自身のスマートフォンに保存されますので、ハッキングのリスクが低いことが特徴です。リップルのほかビットコイン/ビットコインキャッシュ、イーサリアム、ライトコインなどの主要通貨に対応しています。
▶ 『Ginco (ギンコ )』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
LedgerNanoS (レジャーナノS)
LedgerNanoSはUSB型のハードウォレットです。インターネットと切り離して保管されるため、安全性が高いことが特徴です。モバイルウォレットと比べると若干操作性が劣るため、資産保管用として使うとよいでしょう。
対応通貨はリップルのほかにビットコイン/ビットコインキャッシュ、イーサリアム、ライトコインなど多数あります。
▶ 『LedgerNanoS (レジャーナノS)』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
リップル (Ripple/XRP) の重要プロジェクト
SBI Ripple Asia
リップル社とSBIホールディングスが共同出資したのが、東京に住所を置くSBI Ripple Asia株式会社です。日本国内や東南アジアの金融機関に対し、リップル社の技術を元にした送金ソリューションを提供する企業です。
国内銀行47行が参加する 「内外為替一元化コンソーシアム」 の事務局も兼ねており、リップルの技術を基盤とした 「Money Tap」 や 「RCクラウド」 といったサービスが検証されています。
Hyperledgerコンソーシアム
2018年3月、リップル社はHyperledgerコンソーシアムに参加することを表明しました。
Hyperledgerコンソーシアムとは、2015年12月にLinux 財団によって開始された、オープンソースのブロックチェーンプロジェクトです。アクセンチュアや富士通など世界中の大企業が参加しています。
リップル社はInterledger Protocol (ILP) の技術を提供しました。今後異なる台帳間での支払い技術が搭載された、ブロックチェーンプラットフォームが誕生するかもしれません。
Xpring (スプリング)
2018年5月、リップル社はリップルやXRP Ledgerに関する事業を行うスタートアップ企業に対し、出資を行う部門Xpringを設立しました。すでにいくつかの企業に対し投資が行われており、かんたんにリップル払いを行えるアプリなどが開発されています。
リップル社はどちらかというとXRP Ledgerの開発よりも、国際送金プラットフォームの開発がメインです。リップルを使った製品の開発をXpringが出資した企業に任せることで、新たに活用できる分野が発見されるかもしれません。
三菱UFJとの海外送金実験
2018年5月、三菱UFJ銀行はリップル社の技術を使った国際送金の実証実験を開始しました。三菱UFJ銀行のグループ企業であるタイのアユタヤ銀行と、シンガポールのスタンダードチャート銀行の間でテストを行い、数年以内に実用化を目指すとしています。
JAL SBIフィンテック株式会社
2017年10月、日本航空とSBIホールディングスはフィンテックを活用した新たなサービスを提供するため、JAL SBIフィンテック株式会社を設立しました。
この会社の設立に直接リップル社は関わっていませんが、 「スマートフォンなどですぐに外貨両替ができるサービスの提供を目指す」 と謳っていることから、リップル社の技術が使われる可能性があるでしょう。
リップル (Ripple/XRP) の今後・将来性
リップルは今後も価値が伸びる可能性が高いでしょう。というのも、現状のリップルはリップル社の株式としての役割が強いのですが、リップル社の業績は今後伸びていくと予想されるからです。
リップル社の業績が伸びると思われる理由について見ていきましょう。
圧倒的な送金スピード
1つ目の理由は、圧倒的な送金スピードです。リップル社が開発するのは国をまたいだ送金に使うプラットフォームですが、既存で使われているSWIFTよりも圧倒的に速いことが特徴です。
他の仮想通貨と比べても送金スピードが格段に速いため、技術的に非常に優れています。
送金コストの大幅カット
金融機関がリップル社が提供する国際送金プラットフォームを使うことの最大のメリットは、大幅なコストカットです。
従来の国際送金の仕組みは送金元と受金側の銀行の間に中継銀行を挟む必要があり、手数料が高かったりエラーとなることが多かったりしました。
RippleNetを使うことで送金元と受金側の銀行が直接データをやり取りできるようになります。ゆえに手数料が低くなりますし、エラーとなる確率も下がります。目に見える手数料の削減と手戻りになった送金処理を行う人件費を削減できるため、大幅なコストカットを期待できます。
大手企業から多数の支持を集めている
リップル社は世界中の有名投資会社から出資を受けています。各投資会社は 「リップル社が展開するビジネスが有望であると判断している」 といえるでしょう。
Googleによる出資
リップル社に投資している企業のひとつにGoolge Venturesがありますが、 この会社が出資している仮想通貨プロジェクトはリップル社のみとなっています。
他の仮想通貨プロジェクトよりも有望だと判断されているのでしょう。
リップル (Ripple/XRP) の今後は、「価値のインターネット」を実現できるかどうか
リップルの今後の展望については、「価値のインターネット」をどれほど実現することが出来るのかという部分に懸かっています。価値のインターネットを実現することが出来なければ、送金システムを提供した一企業として終わってしまいます。しかし逆に、全世界の送金システムを変えることが出来ればリップルの送金システムが世界の標準になりますので、爆発的にXRPの価値が上昇することになります。
どちらの場合でも、短期間で判断することが出来ることではありませんので、長期的に判断する必要があります。
▶ 『リップル (Ripple/XRP) の今後』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
まとめ
リップルという仮想通貨は良い意味で安定している仮想通貨となります。チャートから判断すると騰落が激しいために安定していないように見えるかもしれませんが、これは仮想通貨全体がビットコインのレートに引っ張られるためです。なので、リップルの価値を絶対基準で評価すると安定していると言われています。
その理由としては、リップルの根幹的なシステムは送金システムや決済プロトコルの確立で、既に世界中でリップルの送金システムを採用している企業が安定して増えているという点が挙げられます。
仮想通貨リップルは今後価値が伸びる可能性が高いプロジェクトです。仮想通貨リップルにぜひ注目することをおすすめします。