仮想通貨取引所の仕組みを解説!安全な取引所を選ぶポイントは?

仮想通貨取引所とは

仮想通貨取引所は、ビットコイン (BTC) をはじめとした仮想通貨の売買が可能なプラットフォームです。一般的に仮想通貨の価格は需要と供給の関係で決定されています。

日本の金融庁に許可を受けている仮想通貨取引所では日本円で仮想通貨を購入することができます。

仮想通貨取引所には、主に以下の機能が備わっています。

  • 仮想通貨の売買・取引
  • 口座管理
  • 両替
  • 貸仮想通貨サービス (レンディング)

仮想通貨の取引は「現物取引」と「レバレッジ取引」の2種類があります。

現物取引は、仮想通貨を売りたい人・買いたい人の間で行う取引を指します。最も一般的でシンプルな取引方法です。売買の希望者それぞれが互いに条件を設定し、条件が合えば売買が成立します。

もう一つの取引方法でレバレッジ取引と呼ばれるものがあります。現物取引では保有している資金内でのみ仮想通貨を購入することができ、また売却においても同様ですが、レバレッジ取引では資金を担保にすることで保有していない資金範囲の取引が可能です。

また仮想通貨取引所では銀行口座と同じように口座の開設や管理が可能です。取引所で仮想通貨を購入したら、個人に振り分けられている口座で管理します。これら口座は仮想通貨取引においては「ウォレット」と呼ばれることがあります。ウォレットには主に「ホットウォレット」と「コールドウォレット」の2種類があります。

購入した仮想通貨を日本円で引き出したい場合は、仮想通貨を売って日本円に換金後、銀行口座に送金することで現金化が可能です。ただし、入金手数料や取引手数料が仮想通貨取引所によって必要になったり異なったりする場合があるので注意が必要です。

仮想通貨は売買以外にも、貸仮想通貨サービスを利用することで利益を得られます。貸仮想通貨サービスは、所有している仮想通貨を第三者に貸し出して利息から利益を得る仕組みです。仮想通貨を一度買って貸仮想通貨サービスに預けてしまえば自分自身で取引する手間がないので、常に相場と向き合う必要がありません。しかし、仮想通貨の価格変動リスクによって貸出時と返却時では価格が大きく異なるリスクを事前に考慮する必要があります。

仮想通貨取引所には、貸仮想通貨サービスのほかに個人間での仮想通貨の送金や、ショッピングサイトでの決済機能などがあります。また仮想通貨取引所では、個人間で仮想通貨の取引を行うために以下のような機能が備わっているところもあります。

  • チャート:一定期間の仮想通貨の価格変動を確認
  • チャットルーム:ユーザー同士のコミュニケーション場
  • 板情報:価格ごとの買い注文と売り注文の件数

仮想通貨取引所の仕組み

仮想通貨は「取引所」および「販売所」で入手できます。仮想通貨取引所では「販売所」の機能を兼ね備えている場合もあります。

取引所は、仮想通貨を所有している他ユーザーと取引し、仮想通貨を買いたい人の注文条件が売りたい人と一致した場合に取引が成立します。取引所形式の仮想通貨取引所では、仮想通貨を売りたい人・買いたい人のための場を提供し仲介による取引手数料から収益を得ています。そのため以下のような手数料が発生する場合があります。

  • 入出金手数料:仮想通貨を日本円に換金し銀行口座に送金する際にかかる
  • 取引手数料:取引が成立した際にかかる

また仮想通貨取引所には「オークション方式」の取引が存在します。オークション方式とは、最も高い価格の買い注文を提示した人が優先的に購入、最も安い価格の売り注文を提示した人が優先的に売却する仕組みです。仮想通貨取引所ではオークション方式を導入して仮想通貨を売買したい人をマッチングさせています。マッチング成立時には手数料がかかり、仮想通貨取引所の収益になります。

一方、販売所は仮想通貨を保有する販売業者から仮想通貨を購入します。取引所のように仮想通貨を売りたい人がいない場合に起きる相場の荒れなどがありません。購入したい時に、ほぼ確実に仮想通貨を手に入れることができます。

なお販売所を使用するデメリットとしては、取引所で発生する入出金手数料や取引手数料のほかにスプレッドと呼ばれる手数料が取引所に比べて広い傾向にある点です。

スプレッドとは売値と買値の価格差を表すもので、このスプレッドが広いと本来の価格より高く買って、安く売るということになります。見落としがちのスプレッドですが、取引所を選ぶ際は気をつけてみてみましょう。

仮想通貨取引所のリスク

仮想通貨取引所を利用するうえでは、主に以下のようなリスクが伴います。

  • 仮想通貨の価格変動
  • 営業時間
  • 手数料・費用等の変更
  • 取引所のハッキング被害
  • 取引所の破綻
  • 法令・税制変更

仮想通貨取引所を利用するなら、仮想通貨の価格変動リスクの他に「取引所のハッキング被害」と「取引所の破綻」などについても頭に入れておきましょう。

仮想通貨取引所がハッキングされると、取引所内のウォレットにある仮想通貨が盗まれる可能性だけでなく、相場の価格自体にも影響を及ぼします。また仮想通貨取引所のハッキングの被害によって、取引所が閉鎖あるいは破綻に追い込まれるリスクがあります。実際に2014年には仮想通貨取引所のMt.Goxがハッキングに遭い、取引所を閉鎖しています。

ハッキングや破綻のリスクを避けるためには、よりセキュリティに力を入れている取引所を利用することが大切です。

中央集権と分散型

仮想通貨取引所には「中央集権型」と「分散型」の2種類が存在します。

中央集権型と分散型の取引所の大きな違いは、仲介管理者が存在するかどうかです。つまり、資産を入れておくお財布の紐をしめる人が自分か他人かということです。

中央集権型の仮想通貨取引所は、特定の企業が運営している取引所です。中央集権型の代表例として「bitFlyer」や「Coincheck」などの取引所があります。中央集権型の仮想通貨取引所では、取引所上でウォレットを作成して取引をします。ウォレットの秘密鍵は運営会社が管理しているため、中央集権型の仮想通貨取引所がハッキングを受けて秘密鍵が外部に知られた場合は、所有している仮想通貨を盗まれる可能性があります。

また中央集権型の仮想通貨取引所では、自身が所有しているウォレットから直接取引はできません。自身が所有するウォレットから取引所上のウォレットに仮想通貨を送金することで、取引が可能です。

分散型の取引所は「分散型取引所 (DEX) 」と呼ばれます。分散型取引所では自身が所有するウォレットで直接取引が可能です。分散型取引所は、取引所自体をブロックチェーン上で管理することで、特定の管理者が存在しなくても管理できる仕組みを採用しています。

中央集権型の取引所とは異なり、取引所上にウォレットを作る必要がないため、自身のウォレットから取引所へ送金する手間が省けます。また取引所上にウォレットを作らないため、万が一取引所がハッキングされても自身のウォレット内の仮想通貨は無事です。なおハッキングされる可能性は低くなりますが、自分でウォレットの秘密鍵の保管を徹底する必要があります。

仮想通貨取引所を選ぶときのポイント

仮想通貨取引所を選ぶときのポイントは主に以下の3つです。

  • 取扱銘柄・種類
  • セキュリティ
  • 手数料

1つ目は「取引銘柄・種類」です。

仮想通貨にはビットコイン (BTC) やイーサリアム (ETH) 以外にもさまざまな銘柄が存在します。取引できる銘柄や種類は取引所によって異なるため、多くの種類の仮想通貨を取引したい場合は、より多数の銘柄を扱っている取引所を利用するのが効率的です。

なお日本国内で仮想通貨取引数が最多の取引所は「Coincheck」です。
各取引所によって取扱う仮想通貨の種類も異なります。気になる方は以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

参考:取扱通貨比較 - 国内仮想通貨取引所ランキング

2つ目は「セキュリティ」です。

先述の通り、中央集権型の取引所を使用する場合は自分自身でウォレットを管理しているわけではないため、運営元の信頼性も重要になります。取引所が使用するウォレットの種類を確認したり、ハッキングされにくいように二段階承認を用いているかなど、セキュリティに関してしっかりと調べるようにしましょう。

また電話やチャットなどのサポート体制や、アプリの使いやすさといった点もチェックが必要です。特に日本語でのサポートがある取引所を選べば、質問するハードルも下がるのでより安心して取引が行えます。

セキュリティの強い取引所についてもっと知りたい方は、こちらの記事「セキュリティ比較 - 国内仮想通貨取引所ランキング」もぜひ参考にしてみてください。

3つ目は「手数料」です。

取引や入出金にかかる手数料は取引所ごとに異なります。手数料によって得られる利益も変わるため、取引所を選ぶ際には利用する仮想通貨の手数料について確認しましょう。

手数料で取引所を選ぶポイントなどは、こちらの記事「手数料比較 - 国内仮想通貨取引所比較」で詳しく解説しています。

仮想通貨取引所の仕組みまとめ

仮想通貨取引所は「取引所」および「販売所」の2種類があり、取引所においては「中央集権型」と「分散型」に分かれます。

それぞれの取引所がどういった役割を持ち、またその特徴から考えられるリスクなどをきちんと理解した上で仮想通貨取引を行うことが大切です。

また仮想通貨取引所を利用する際にはさまざまな手数料が発生します。各取引所によってかかる手数料の種類や金額も変わってくるため、取引所の公式ホームページなどから事前に確認するようにしましょう。

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