- マイニングリグには自作から既製品まで様々ある
- NVIDIAのGeForceやAMDのRadeonなどが主流
- 各部品へのコストにメリハリを付ける
仮想通貨への認知の拡大とソロマイニングへの関心は高まりをみせています。自身でマイニングを行う際のコストや注意点を留意しておくことは、ソロマイナーとして報酬を得るのであれば必要となってきます。しかし、多くの人が、ソロマイニングのコストや必要部品を知らないことが現状です。
マイニングリグとはマイニングを行うための装置
「リグ」とは「装置」を意味するもので、マイニングリグとはマイニングを行うための装置ということです。
マイニングには膨大な計算量が要求されるため、その分PCなども膨大に必要となります。つまり、マイニングによって報酬を得るということは、大規模な資本と維持コストが必要となるので、個人で行うには非現実的です。
しかし、マイニングプールと呼ばれる、共同でマイニングを行い、出資金に応じてマイニング報酬を分配するという形式を取ると、個人レベルでもマイニングを行うことはできます。
ただ、マイニング報酬は確定的なものではないので、損失を考慮する必要があります。
マイニングリグの種類と相場
ソロマイニングを行う際、リグの種類や相場を知っていくことは、ソロマイニングで報酬を得る過程において非常に重要です。
マイニングリグの自作コスト
「リグ」を自作するとなると、個人がどの程度のリグを作り上げるかによってコストは変わってきます。おおよそ、マザーボードやCPU、メモリやOSなどを1から揃えるとなると、最低でも10万円は見ておいた方が良いでしょう。
その他にも、高性能のマイニングリグを作成する場合や自作できる技量によっては、20万や30万円も珍しくなく、おおよそのコストは多めに見ておいた方が良いでしょう。
出来上がり品
マイニングリグを作成する場合は、自作ではなく既製品を利用するケースも多いようです。やはりPC作成に慣れていなかったり、技術や知識がない場合、自作で1から完成させることは非常に難しいと言えます。
既製品では、2000円前後のものから1万円を越えるものまで、Amazonなどの通販サイトでは購入可能です。ここでの価格にはOSやCPU、メモリではなく、リグの外回りの環境を整えるための装置の既製品の値段の相場となります。マイニング専用のものを購入する場合は10万円以上のものが相場となっており、主要パーツなどが搭載されています。
マイニングリグを作る際に必要なもの
マイニングリグを作成する場合には、必要となるものがいくつかあります。
マザーボード
まずは、マザーボードです。マザーボードとはPCの起動の中枢を担う役割を担う重要なパーツの1つで、他の電子機器を構成するための土台となるので、メインボードなどと呼ばれることもあります。
マザーボードは種類によって搭載可能となる装置の数が変動するので、マイニングの稼働率を向上させたいならば、多くの装置を搭載できるものを選択することが必要です。
一般的なPCにもマザーボードは搭載されているので、理論上はどんなPCでもマイニングを行うことは可能ですが、利益を出すことは難しいです。よって、マイニング作業での、高熱などの誤作動などの耐久性の面を考慮する必要があります。
GPUとCPU
GPUとCPUは、マザーボードに搭載する演算装置として、必要となってくるものです。GPUはグラフィック、CPUは制御を行うもので、CPUはPCでの作業性能を左右するほどのもので、GPUは、画像処理に加え、CPUでの計算をサポートする機能を持ちます。
メモリとSSD
マイニングリグを作成する場合、メモリとSSDも必要となります。メモリはマザーボードやCPUに対応している必要があります。SSDとは記憶装置のことで、簡単に言えば保存に関係するパーツというものです。特に、マイニングリグを自作するとなると、OSをインストール必要があり、このインストールには大量の容量が必要となります。
最近のGPUマイニングではストレージの一部を仮想メモリとして用意する例が増えており、おおよそ120GB前後のSSDを利用することが多い印象です。
電源とライザーカード
マイニングリグを作成する場合、PCの電源とライザーカードも必要となります。
PCの電源は、多くの初心者マイナーが軽視しがちな点ですが、マイニングでは24時間のPCの稼動が望ましいので、安価なPC電源を接続してしまうと、マイニングでの発熱量によりPCが落ちることがあります。高価なPC電源は、作業あたりの発熱量は低いことが多いので、強制的なPCのダウンを防ぐことになります。
ライザーカードとは、マザーボードのスロットに装着し、GPUマイニングなどで必要となるものです。役割としては、マザーボードと接続された基盤を繋ぐことで、動作の安定性に関与します。一般的には6枚程度必要となります。
その他
マイニングリグを作成する場合、前述したもの以外でも必須となるパーツが存在することもあります。
その他のパーツとしては、温度計やサーキュレータ、フレーム部分などのパーツなどの、外部環境も充実させたいところではあります。モニターやキーボードをスマートフォンなどで代用するケースもあるようですが、そこは個人の用途により様々なようです。
自作マイニングリグにおすすめのGPU
マイニングリグの作成に取り掛かる際に、どのGPUを選択すべきかをユーザーは迷うことが多いようで、PCなどの専門知識に乏しい方は、より一層そう感じるようです。
まず、マイニングにCPUではなく、GPUを使うことのメリットは、マイニング体系の変化にあります。一般的に、GPUはグラフィックの処理に関して活用させるケースが多いのですが、その処理速度の速さはCPUよりも効率的です。よって、CPUが主流だったマイニングは、GPUが主流になってきています。
おすすめとなるGPUの条件は、計算能力が高く消費電力が低いことが求められており、ゲーマーの間で人気のNVIDIAのGeForceや、コストパフォーマンスに優れているAMDのRadeonなどが、多く利用されています。
マイニングリグを作る際の注意点
マイニングリグを作る時に、多くの人はマイニングで利益を狙っています。つまり、リグ作成のコストをマイニング報酬で回収して利益を得る必要があります。その際、どのパーツにコストをかけ、利益回収率を上げるかが重要になってきます。
CPUはそこまでこだわる必要はない
まず、一般的には、CPUへのこだわりはあまり必要ではありません。勿論、高性能なものを選択すれば、効率でも汎用性の面でも良いですが、CPUの性能はマイニングの結果にさほど影響がないと言われています。
電源はケチるな
落とし穴の1つとして、電源にコストを掛けないことがあります。電源はたかが電源ですが、マイニングには24時間稼動に耐えられることが必要です。電源にコストかけないと、強制的なシャットダウンが頻発したりするなどの事態に繋がるケースも多いようです。
HDDは熱に弱いからSSDに
メモリーの問題で、HDDを選択するのではなく、マイニングにおいてはSSDを選択しておくことを勧めます。他のパーツとの兼ね合いの上での検討が必須ではありますが、SSDの方がHDDに比べ、省エネであり熱に強いので、長期的な視点で見るとSSDに分があると言えます。
ASICマイニングはアルゴリズム変更が行われたら収益性激減
マイニングの際に注意しておくことに、ASICマイニングはアルゴリズム変更が行われたら収益性激減する可能性があることを考慮する必要があります。
ASICマイニングのASICはプロセッサの1つで、性能を特化できるメリットがある一方で、CPUなどが有する汎用性は低いというデメリットがあります。
つまり、ASICマイニングでは、マイニング以外の使用用途はほとんどなく、特定のマイニングには特化しているものの、マイニングにおけるアルゴリズムの変更がある場合に対応できないケースが多いです。よって、収益のリスク管理が行いづらくなってしまいます。
ソロマイニングの利益は?計算方法は?
自作でリグを作成し、ソロマイニングを行う場合、得た利益や計算方法はどうなるのでしょうか?
その際、「crypto compare」での自動計算ツールは非常に役に立つものであり、ハッシュレートや消費電力量などの項目を入力するだけで、利益計算を行ってくれます。
マイニングリグについてのまとめ
ソロマイニングを行う手段や注意点を何点か紹介してきましたが、マイニングも一種の投資です。利益は確定されてはいませんので、自身で、導入コストなどや必要な部品を細かくリサーチする必要があります。