- 自分で自分の資産を守るためにウォレットを活用しよう
- MyEtherWalletはイーサリアム系の通貨の保管が可能
- 偽サイトには要注意
イーサリアムやイーサリアムクラシック、さらにイーサリアム上で開発された仮想通貨を保管できるのが、「MyEtherWallet」です。公式サイトからパソコンを通じて利用でき、ウォレットの種類としては「デスクトップウォレット」に該当します。
現在は用途や取引するコインに応じてウォレットを使い分けるのが主流ですが、その中でMyEtherWalletはイーサリアム系の仮想通貨のウォレットとして一番の人気を誇っています。
本記事では、そんなMyEtherWalletの使い方や他のウォレットの連携方法について画像付きで解説します。ぜひ参考にしてみてください。
MyEtherWallet (マイイーサウォレット) とは
MyEtherWalletは先述の通り、デスクトップウォレットと呼ばれる種類に該当します。
インターネットに接続した状態で利用しますが、パソコンをオフラインにすれば、ハッカーなどが侵入する心配もありません。
また、ウォレットのアドレス等を紙に印刷し、ペーパーウォレットとして利用することもできます。紛失や焼失の恐れはありますが、セキュリティ上は最も強固なウォレットになります。
仮想通貨取引所も、ウォレットの一つの形です。しかしそこは、多くの資産が集中する場所であり、犯罪者から狙われやすいウォレットでもあります。
2018年1月には、日本の仮想通貨取引所・コインチェックのウォレットから、約580億円分の盗難されるという事件が発生し、多くのユーザーが被害に遭いました。そのため、自分が管理できるコールドウォレットが大きく注目を集めることになりました。
MyEtherWallet (マイイーサウォレット) のメリット
イーサリアム系の通貨全てに対応
2017年後半から2018年にかけて、新しい仮想通貨の発行がブームといえる状況になっています。そしてそれらの新しい通貨は、9割以上がイーサリアムのスマートコントラクト機能を利用し、イーサリアムのプラットフォーム上で開発されたものです。
これらの通貨はERC20トークンと呼ばれ、MyEtherWalletではその全ての利用が可能です。
通貨によって利用できるウォレットは限られていますが、MyEtherWalletの場合、ERC20トークンであれば、「カスタムトークンの追加」機能によって利用できます。
日本語に対応している
MyEtherWalletが人気である理由に、日本語に対応していることが挙げられます。日本語の他にも、全24の言語に対応しています。
イーサリアムなどのメジャーな通貨は多くのウォレットが開発・提供されていますが、日本語対応しているウォレットはそれほど多くないので、幅広い言語に対応していることがMyEtherWalletの人気につながっています。
複数のデバイスからアクセスが可能
MyEtherWalletは、いくつかの利用方法があります。上記でも触れたように、口座情報を印刷してペーパーウォレットで保管したり、口座情報が記録されたファイルを記録媒体に保存することで、複数のデバイスからアクセスすることも可能です。
取引所のウォレットよりも安全
MyEtherWalletは仮想通貨を引き出すために必要な秘密鍵を、第三者のサーバーに保管していません。
保管するのはユーザー自身の端末です。そのため万が一MyEtherWalletがハッキングを受けたとしても、秘密鍵は盗まれません。
つまり秘密鍵は流出しないので、仮想通貨が流出するリスクが軽減されます。通常であれば秘密鍵は取引所のウォレット内で保管するものです。
しかし取引所がハッキングされてしまった場合、秘密鍵はあっさり流出してしまいます。仮想通貨を長期間保管するなら、MyEtherWalletを利用した方が安全であるといえるでしょう。
スマホ・PCどちらからでもアクセス可能
手元に秘密鍵を控えたメモさえあれば、どのデバイスからでもどこからでもMyEtherWalletを利用することが出来ます。
パソコンでしか使えないウォレットの場合には自分が売買したいタイミングで売買できない可能性があります。その場合大きな機会損失を作り上げてしまうことになります。
取引の機会を逃さないという点と使いやすさの点でスマホ・PCどちらからでもアクセスできることは大きなメリットと言えるでしょう。
ICO通貨を保管できる
仮想通貨のICOは、基本的にイーサリアムをベースとしたイーサリアムトークンが発行されています。そのためICOに参加して購入したICO通貨は、ほとんどの場合MyEtherWalletに保管することができます。
イーサリアムトークンはERCという規格によって仕様が統一されているため、MyEtherWalletなどで一括管理しやすい仕組みになっています。
ハードウェアとの連携が可能
MyEtherWalletには、ハードウェアウォレットと連携するシステムが備わっています。ハードウェアウォレットは完全にオフラインで秘密鍵を保管するので、ソフトウェアウォレットよりも安全です。
しかしハードウェアウォレットは無くしたりすると、仮想通貨が取り出せなくなるデメリットもありますので状況に合わせて上手く使い分けましょう。
MyEtherWallet (マイイーサウォレット) のデメリット
秘密鍵の紛失のリスク
MyEtherWalletは秘密鍵をコードで保管するのですが、その秘密鍵を保管して無くしてしまうこともあるでしょう。
そのため秘密鍵を保管するときは、別の端末にも保管するなどして紛失リスクを軽減させることがオススメです。
偽サイトが存在
MyEtherWalletは世界中で多く利用されており、そのためこれまでに多くの犯罪の標的になってきました。
まず、MyEtherWalletからのメールは、こちらから何か問い合わせない限り送られてくることはありません。不安を煽るようなメールが送られてきて、よく似た偽サイトに誘導するという手口が何度も行われています。
MyEtherWalletにアクセスする際は、送られてきたメールのリンク先などを安易にクリックしないようにし、自分のブックマークなどからアクセスするようにしてください。
また、繰り返しにはなりますが、秘密鍵の漏洩にはくれぐれもご注意ください。
MyEtherWallet (マイイーサウォレット) の登録方法
STEP1 パスワードを入力しウォレットを作成
公式サイトにアクセスすると、日本語を選択できます。あとは、パスワードを入力するだけでMyEtherWalletウォレットを作れます。
ウォレットを作成すると、ウォレットのアドレスができます。それとともに、「秘密鍵」も作られます。アドレスは送受金に利用するため秘密にするものではありませんが、秘密鍵は外部に漏れてしまうと、そのウォレットの中を自由に使われてしまいます。秘密鍵の管理には、十分注意してください。
STEP2 Keystoreファイルの保存
サイトの「お財布状情報の確認」を選べば、ウォレットにログインするための方法を選べます。その際、秘密鍵の入力でログインすることも可能ですが、64桁のランダムな英数字を入力するのは大変で、面倒です。そのため、Keystoreの利用をお勧めします。
ログインした状態で「お財布情報の確認」を選べば、Keystoreファイルのダウンロードが可能です。Keystoreファイルがあれば、秘密鍵の入力の代わりに、パスワードの入力のみでログインが可能です。
また、Keystoreファイルがあれば、別のデバイスで同じウォレットを利用することも容易になります。具体的な利用方法は後述します。
STEP3 秘密鍵をメモ
秘密鍵は、絶対に漏らしてはいけません。秘密鍵を尋ねるメール等は、間違いなく秘密鍵を盗もうとする詐欺メールです。また、Keystoreファイルが破損した場合でも、秘密鍵があれば復旧できます。そのため、秘密鍵はオフラインで記録を残しておきましょう。
といっても、自分でペンを持って手書きで記録するのは間違いの原因にもなります。「お財布情報の確認」から、「お財布情報(ペーパーウォレット)を印刷」できるので、それを利用してください。
MyEtherWallet (マイイーサウォレット) と合わせて使いたい便利なツール
ここでは、MyEtherWalletと合わせて使うことでより便利で快適にMyEtherWalletを使用することができるような便利なツールを紹介します。
MetaMask (メタマスク)の併用
MyEtherWalletを利用するには、MetaMaskを併用する必要があります。
MetaMaskはフィッシングサイトの対策にも使えるので是非インストールしておきましょう。なおMetaMaskはブラウザツールGoogle Chromeの拡張機能ですので、chromeストアからインストールしてください。
以下ではMETAMASKを利用したMyEtherWalletでのログイン方法を解説します。
MyEtherWalletにアクセスしたら「国旗」をクリックして日本語対応ページに変更しましょう。
日本語対応ページに変換したら「マイウォレットにアクセス」をクリックしてください。
画面が切り替わったらMetaMaskをクリックしましょう。
MetaMaskによるMyEtherWalletへのアクセス許可画面が表示されます。
クリックしてアクセスを許可してください。
次に「マイウォレットへアクセス」をクリックして、MyEtherWalletにアクセスしましょう。
MyEtherWalletへのアクセスを完了すると、「おかえりなさい!」という文字が表示されます。
次にMetaMaskの「ログインパスワード」を入力しましょう。
「ログイン」をクリックして、MetaMaskにアクセスしてください。
最後にMyEtherWalletとMetaMaskの接続確認画面が表示されます。「CONNECT」をクリックしてMyEtherWalletの利用を開始しましょう。
keystoreの利用
先述の通り「keystore」というファイルを利用することで、MyEtherWalletへのログインをカンタンにすることができます。
MyEtherWalletの公式サイトにアクセスしたら、「ソフトウェア」をクリックしてください。
「keystore File」をクリックして「keystore File」を選択しましょう。
選択が完了したら「続ける」をクリックしてください。
MyEtherWalletの「ログインパスワード」が要求されるので、MyEtherWalletのパスワードを入力しましょう。
「マイウォレットへアクセス」をクリックして、MyEtherWalletの利用を開始してください。
秘密鍵を使って利用
MyEtherWalletの利用を開始するには、秘密鍵を利用してログインする方法があります。
MyEtherWalletの公式サイトにアクセスしたら、「ソフトウェア」をクリックしましょう。
ソフトウェアによるアクセス画面が表示されたら「秘密鍵」を選択してクリックしてください。
次に「続ける」をクリックしましょう。
秘密キーによるアクセスのページが表示されたら「秘密鍵」を入力してください。
「マイウォレットへアクセス」をクリックしましょう。これでMyEtherWalletを利用することができます。
MyEtherWallet (マイイーサウォレット) のスマホアプリ
MyEtherWalletは2020年3月13日に新たなモバイルウォレットアプリ「MEW Wallet」をリリースしました。
今回リリースされた「MEW Wallet」はiOS・Android端末に加えてSamsung(サムスン)とも互換性があることが特徴です。
MEW Walletの機能
「MEW Wallet」は従来のスマホ向けアプリである「MEWconnect」を大幅にアップグレードが加わっております。
主な変更点は以下のとおりです。
- スマートコントラクトに対応
- ETHを素早く購入することが可能に
- デビットカードや銀行カードでETHを購入可能に
スマートコントラクトに対応
「MEW Wallet」はスマートコントラクトや分散型アプリケーション(DApps)に対応しています。
ETHを素早く購入することが可能に
MyEtherWalletは「MEW Wallet」を使うユーザーにより簡単にETHを購入できるために、送金プロバイダーである「Wyre」と提携しました。
これによりiPhoneでApplePayを利用しているユーザーはETHをわずか15秒以内に購入することができる、と公式サイトで発表されています。
デビットカードや銀行カードでETHを購入可能に
「MEW Wallet」は仮想通貨向けの決済処理プロバイダーである「シンプレックス(Simplex)」を介してデビットカードや銀行カードでETHを購入することができるようになりました。
そのため、すぐに簡単に購入することができるようになっています。
MyEtherWallet (マイイーサウォレット) で受金する方法
MyEtherWalletに入金するときは、ログイン後に「アドレス」の欄に表示されている入金アドレスを確認しましょう。
MyEtherWalletの入金アドレス宛てに仮想通貨を送金してください。
MyEtherWallet (マイイーサウォレット) で送金する方法
MyEtherWalletのメインページにアクセスしたら「送金する通貨」を選択しましょう。
送金する通貨の「数量」を入力してください。
次に送金先の「入金アドレス」を入力します。
「送金手数料」を調整することで、通貨の送金速度を調整することができます。
「トランザクションを送る」をクリックすれば、仮想通貨の送金手続きが完了します。
MyEtherWallet (マイイーサウォレット) のまとめ
イーサリアムや「草コイン」と呼ばれる新しい通貨を利用するなら、MyEtherWalletは必須ともいえるウォレットです。
世界中で最も利用されている仮想通貨ウォレットと言えます。無料で利用できる上に、ペーパーウォレットとしても利用できるなど、セキュリティ面でも優れています。また、今後はスマホアプリの公開も予定されています。
仮想通貨ホルダーとしてもう一段レベルアップするためにも、MyEtherWalletを使いこなしましょう。