- リスクの大幅アップデートは何度も延期されて待ち望まれていたが4月に実施された
- 今回のアップデートは大型だったが、今後も細かいアップデートが多く控えている
リスク(Lisk)の2018年に大型のアップデートされる情報は世間に流れていたものの、延期が続いてしまっていました。その経緯があったので4月に行われたリスクのアップデートは注目を集めました。ついに実現されたリスクの大型アップデートとは何なのか?なぜ延期され、この後はどうなるのか?リスクの特徴は?などについて詳しく解説をしていきます。
2018年4月にリスク(Lisk/LSK)がアップデート
仮想通貨のリスクは、2018年4月10日にアップデートされ「LISK core 1.0.0β版」が、市場にリリースされました。
そもそもアップデートとは何でしょうか?仮想通貨を取り巻く技術環境は日々進化しており、一旦公開した仮想通貨であっても、常に機能を改善していく必要があります。特に最終的な目標に技術的な面で高度な目標を設定している場合、開発当初から最後まで開発するのは大変です。なので、順次機能改善を行って市場に提供していくという手段が必要です。これは一般的なアプリケーション全てに言える事です。リスクも、当初よりその機能改善の計画とスケジュールを一般に公開しており、2018年4月10日にリリースされた大型アップデートは、それに則ったものとなります。
アップデートの内容は?
今回のリスクのアップデートでは、それまでバージョンが「0.9.11」だったコアの機能が、「1.0」に進化しました。つまり、従来は「開発版・準備版」だったものが、「製品版・正式版」になったと言えるのです。つまり、過去最大のアップデートです。
今回のアップデートの内容は多岐に渡りますが、中でも最大の変化は「サイドチェーン」です。サイドチェーンはリスクの特徴を代表するもので、ここが強化されたことによって、リスクは初めてその本領を発揮する環境を得たのです。
その他、アップデートでは、新しいAPIのデザインと導入、P2P転送レイヤーの書き換え、Atomic block writesの完全サポート、リスク本社での新しいチームの結成などが実行されました。つまり、従来よりも明快な開発環境で、よりスマートなデータ処理が可能となり、開発組織も本格的に立ち上がった、ということになります。まさに待望のアップデートだったのです。
2017年のアップデートが延期されていた理由
今回ようやく実行されたリスクの大型アップデートですが、ここに至るまでに何回も延期の憂き目にあってきました。もともとこのアップデートは、2017年の夏頃に予定されていたものですが、それが当初は2017年の年末に延期され、さらにそこから2018年1月に再度の延期。しかし、そこでもリリースがされませんでした。
すると2月20日、リスクの開発チームは、ロゴを変えたり新しくムービーを作るなどの「リブランディング」を実施。これにより、アップデートの度重なる延期で不安や不審が募っていた投資家達にアピールし、市場にも好意的に受け入れられました。そして当初の予定よりも半年以上経過した4月10日、やっとアップデートのリリースに至りました。
このようにアップデートが何回も延期してきたのには、理由があります。その原因としては、アップデートの規模が大きいために慎重になったこと、2018年の初頭に市場が大きく乱高下する混乱があったこと、また最終段階としての品質保証のチェックに手間取ったこと、などが考えられます。
リスク(Lisk/LSK)の特徴
では、このたび大型アップデートが施されたリスクの特徴について、見ていきましょう。リスクはイーサリアムと同じく「スマートコントラクト」を実装した仮想通貨で、さらにサイドチェーンを活用できる事が特徴です。
発行上限数がない
リスクには、ビットコインのように発行枚数の上限がありません。その代わり、毎年の発行量を一定に抑え、徐々に新規の発行を減らしていくことで、通貨としての希少価値を保ちます。
ブロック生成が早い
リスクでは、10秒に1個のブロックが生成されます。これは、1ブロックの生成に10分かかるビットコインと比べても非常に高速であり、そのため素早い取引決済が可能になります。
サイドチェーンを利用している
ブロック生成が短時間で済むのは、リスクがサイドチェーンを使っているからです。通常の仮想通貨は、1本のメインチェーンのみで運用をされますが、リスクでは何本ものサイドチェーンを並行して使うことで運用を分散、高速かつ、ハッキングや機能停止が全体に及ぶリスクを大きく減らす事を可能にしています。今回の大型アップデートや、今後の小刻みなアップデートで、このサイドチェーンを活かした機能が続々と追加されていきます。
2018年予定しているリスク(Lisk/LSK)に関するイベント
4月に大型アップデートを済ませたリスクですが、2018年の後半にも大きなイベントがいくつも控えています。
まず6月の末までに、開発者がリスクのプラットフォーム上でカスタムトークンを作成できる機能が追加されます。それに合わせて、同じくプラットフォーム上で分散型アプリケーション(dapp)を制作できる環境が提供されます。
次いで7月、リスクの分散型取引所への上場が計画されています。分散型取引所は特定の管理者がおらず、分散処理での取引を行うためハッキングに非常に強い特徴を持ちます。そうなれば、これまで以上に安全にリスクを所有することができます。
10月には、メインチェーンを通じて、サイドチェーンのトークンを転送させる「分散型交換」の実用化が予定されています。これにより、リスクのプラットフォーム上での課金ビジネスが本格的に立ち上がるでしょう。
そして、11月にはアップデート後、初の「半減期」を迎えます。半減期とは、1年に1回訪れる、通貨の発行量を抑える措置のことです。リスクには発行量の上限は決められていませんが、この半減期によって発行する総量を抑え、過剰供給による価値の減損を回避するのがルールになっています。前回の半減期である2017年の11月には、このタイミングに合わせてリスクの価格が高騰しましたので、今年も注目すべき時期だと言えます。
但し、かつて予定されていた、1.0へのアップデートが半年以上も遅延した事を考えると、これらのスケジュールについても参考程度に見ておく方が良いかもしれません。
リスク (Lisk/LSK) アップデートまとめ
いかがだったでしょうか?今回は、2018年4月に実施されたリスクの大型アップデートの振り返りと、今年後半の見通しについてご説明いたしました。リスクは、今後も小刻みなアップデートやイベントをたくさん控えています。2018年も引き続き、注目の仮想通貨と言えます。