ビットコイン (BTC) を生み出すマイニングまとめ| 仕組み・参加方法・報酬についてわかりやすく解説

ビットコイン (BTC) のマイニングとは?

ビットコインのブロックチェーンでは、取引履歴が改ざんされないように、取引承認に使用する関数に代入する値 (ナンス値) を膨大な計算によって求める必要があります。この計算は一般のユーザーによって行われ、最初に計算に成功した人に報酬としてビットコインが発行されます。

ビットコインはこの報酬としてのみ新規発行されるため、この計算作業は「マイニング (採掘)」と呼ばれ、マイニングをする人々のことは「マイナー」と呼びます。ちなみに、個人でマイニングを行うことも可能です。しかし、現在は資本力のある大企業が数多く参入しており、利益を得ることは難しいかもしれません。ある程度高性能なマシンを用意して後述する「マイニングプール」に参加すればある程度の利益は出せるかもしれませんが、現状では他通貨のマイニングに参加した方が効率は良いでしょう。

ビットコイン (BTC) のマイニングの仕組み

ビットコインの基盤システムとなるブロックチェーンは不特定多数のマイナーによって維持されます。そしてビットコインの中心的な管理者がいない環境で、取引承認手段として採用されるコンセンサスアルゴリズムがPoWです。

PoWでは、マイナーは取引情報の正当性を確かめるためにハッシュレートを提供して複雑な計算作業をおこないます。そしていち早く計算を完了させ新しいブロックとして承認することで、承認者はマイニング報酬を受け取ります。

マイニングはハッシュレートの高いマシンを用意することで有利に作業を進められます。そのためマイナーは年々高性能化したマシンを導入します。ビットコインブロックチェーンのブロック生成時間は約10分ですが、ハッシュレートだけが高くなると生成時間を均一に保てません。その対策としてPoWではマイニングの難易度調整をおこなっています。

またビットコインは約4年ごとにマイニング報酬が半減する半減期が設定されています。
ビットコインは上限発行量が2100万枚に定められているため、途中で発行ペースを下げる必要があるからです。半減期になるとマイニングのインセンティブが低下してしまうという議論もありますが、これまでに3回あった半減期ではその後ビットコイン自体の価格が上昇し、マイナーの収益は半減期以前よりも増えています。

ビットコイン (BTC) のマイニングに参加する方法

ビットコインのマイニングに参加するには、3つの方法があります。それぞれにメリット・デメリットはありますが、2021年6月現在でビットコインのマイニングをするならプールマイニングがおすすめです。

ソロマイニング

ソロマイニングは自分でマイニングマシンを用意する方法です。マイニングも1人で行うため発生した報酬は全てマイナーが得られます。ビットコインであれば2021年現在6.25BTCを報酬として受け取れるため、一度マイニングに成功すれば2000〜3000万円を一人で手にすることができます。

ただし、ソロマイニングの場合は、世界中のコンピューターと一つの計算結果を巡って競争をすることになります。2021年6月現在の、全世界におけるハッシュレートの合計は133.072E (エクサ) ハッシュです。一般に使われるGTX1660superのハッシュレートがおよそ31M (メガ) ハッシュですので、個人の力でこの競争に勝つのは極めて困難であると言えます。ちなみにこの計算は、これだけのハッシュパワーを持ってしても10分に1度しか終わらないように難易度が調整されています。

プールマイニング

先述したように、マイニングを個人の力のみでやるのは難しいですが、プールマイニングなら無理せず個人で利益をあげることが可能です。

プールマイニングは、マイナーが提供するマシンのハッシュレートを集結させて、プール全体の力でマイニング報酬を狙う方法です。獲得できる報酬は提供したハッシュレート比率に応じて配分されます。プールマイニングはハッシュレートを提供する個人の内、だれかがマイニングに成功すると全員にビットコインが分配される、いわば「チーム戦」です。そのため取り分は少なくなりますが、安定した収益が見込めます。

またマイニングプールを開催するグループは沢山ありますが、マイナーの人数や集まるハッシュレート値はそれぞれ異なります。プールマイニングで重要なのは自分がどれだけのハッシュレートを提供できて、想定収益を狙うためにどのグループに参加するかということです。多くのマイニングプールには、電気代とGPUのスペックを入力すると、無料でおおよその収益を計算してくれるツールがありますので、プール選びの参考にしてください。

クラウドマイニング

クラウドマイニングはマイニングを行う企業に出資して報酬を獲得する方法です。この方法ではマイニングマシンを用意する必要がありません。機材や電気代が必要ない分、マイニングプールよりも獲得報酬は減少します。また投資先が信頼できる企業かどうかを見極めなければなりません。詐欺をはたらく身元の怪しい企業の場合、投資金額を回収できず損失を被ることもあります。

実際にアメリカの企業 「BitClub Network」はねずみ講式のビジネスモデルでクラウドマイニングの出資を募り、実際にはマイニングを行わないで金銭を詐取するという事件を起こしています。クラウドマイニングに出資する際は、必ず実績があり、信用できる企業かどうかを調べるようにしましょう。

ビットコイン (BTC) のマイニングにおける損益分岐点

投資を行う場合は損益分岐点を見極めることが必要不可欠です。マイニングでは設備投資にお金がかかるため、初めの段階ではマイナス収益となりますが、投資金額以上の利益を稼げればそれ以降は利益を生み出せます。

損益分岐点とは

損益分岐点は投資金額を補い損益が0になる境界線です。損益分岐点を超えるとその後は利益が発生し続ける構造となります。

現在のビットコインにおける損益分岐点

初期投資を除くビットコインマイニングに必要な費用は電気代のみです。そのため、マイニング報酬が電気代を上回っていればいずれ初期投資は回収できます。ビットコインマイニングの収益計算は「nicehash」というサイトで確認できます。2021年6月現在、nicehashによればGTX1660 superというGPUを使用した場合、プールマイニングで7204円の利益が発生します。

このGPUを搭載した十分なスペックのあるPCは、新品で15万円程度ですから、およそ20ヶ月程度で初期投資を回収する事ができます。

新規で投資を行うにはそれはど効率がいいわけではありませんが、使っていないパソコンを稼働したり、ビットコイン自体が値上がりすれば儲けられる可能性はあります。

ビットコイン (BTC) のマイニングが抱える問題点

ビットコインの機能性はブロックチェーンと共にあります。そしてブロックチェーンがシステムを維持するには、マイナーのマシンパワーを利用するほかありません。つまり一部のマイナーがマシンパワーを独占すると、ビットコインの信用性が破壊される危険性もはらんでいます。

権力集中の危険性

ビットコインは法定通貨と違い、非中央集権を目的に創られた新しい通貨の形です。そのため一部の管理者が力を持つ構造を防ぐ目的として、ブロックチェーンを利用しています。ブロックチェーンの管理はシステムに参加する全てのマシンによって行われており、そこに優先権などもありません。

しかしマイナーがマイニングを行う目的としてマイニング報酬を獲得するという要素があります。近年はマイニングの難易度が上がり、マイニングに適した高性能なGPUも登場しています。強大な資金力でマイニング設備を整える大企業も登場しており、大企業がマイニング環境のシェアを獲得している状況です。

今の環境では資金力がそぐわない小規模事業者や個人マイナーが十分な収益を得られないことで、小口のマイナー人口が減少し、将来的に大企業が権力を握る未来も考えられます。

マイニングが環境破壊につながる

マイニングでは十分な収益を得るために性能の良いマシンを働かせる必要があります。そのためマシンのフル稼働も珍しくなく、莫大な電力が消費されます。

ケンブリッジ大学の研究者まとめによると、マイニングで消費される年間の電気代はノルウェーの消費電力を超えるようです。つまりマイニングのために一国レベルの電力が必要になり、その分環境資源を消費しなければなりません。

環境資源は有限なものがほとんどです。このまま巨大な電気代が発生する状態では環境資源が枯渇する速度がより早くなるでしょう。そのためマイニングに本腰を入れている企業などは、環境に悪影響を及ぼさないような発電方法を心がける必要があります。

ビットコイン (BTC) のマイニングに必要なもの

ビットコインマイニングではパソコンに使用されているGPUという部品が重要度を発揮します。GPUの性能が高ければより大きな収益が見込みやすいです。GPUも含めてマイニングには一般的にゲーミングパソコンがおすすめされています。

なおビットコインのマイニングではGPUの性能が大切になりますが、他の暗号資産(仮想通貨)では必ずしもGPUが必要というわけではないです。GPUよりも性能は劣るかもしれませんが、CPUでマイニングができる場合もあります。

実際にマイニングで安定収益を狙うなら、優秀なGPUを積んだゲーミングパソコンが必須です。しかし試しにマイニングに取り組みたいレベルなら、そこまで性能が高くないパソコンでも問題ないです。

ビットコイン (BTC) のマイニングに関するQ&A

マイニングは何をする作業ですか?

マイニングは取引情報を検証し、ブロックチェーンに新しいブロックを繋ぐ作業です。マイニングに参加するとマシンパワーを使って複雑な計算作業が行われ、始めに計算結果を出した者に報酬が入ります。

マイニングはブロックチェーンを成立させるために必要な仕組みであり、マイニング報酬というインセンティブを掲げることでマイナーという協力者を得ています。

マイニングで得た利益に対する税金はどうなりますか?

マイニング報酬で得た利益は所得税の対象になります。利益に応じて税金が発生する雑所得に分類されるため、獲得した資金を何も考えず消費すると税金を支払えない危険性もあります。マイニング費用などは経費として差し引くことで、税金を減らすことが可能です。マイニングも含め暗号資産(仮想通貨)投資は計画的に行うようにしましょう。

ビットコイン (BTC) のマイニングに関するまとめ

ビットコインマイニングはブロックチェーンを維持するために必要な仕組みです。PoWの仕組み上高性能なマシンの投入で優位性が取れるため、資金力のある企業がマイニングのシェアを取る状態になっています。今後もマシンスペックは向上する流れのため、マイニング環境も促進されるでしょう。

しかし大規模な設備を用意できない個人マイナーでも、プールマイニングなどを活用することで比較的に収益を得やすくなります。

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