リップル (XRP) の仕組みとは?ビットコイン (BTC) との違いや独自のメリットを解説

リップル (XRP) の仕組み

リップル (XRP) の特徴となる仕組みは大別して以下の3つです。

  • 「Ripple Inc」によって通貨を管理・運営
  • 発行枚数の1,000億枚がすでに発行済み
  • 独自の送金システムを採用

「Ripple Inc」によって通貨を管理・運営

リップルの管理は、アメリカに拠点を置く「Ripple labs Inc」が行っています。ビットコインやイーサリアムは中央の管理者がいないことが最大の特徴でした。しかし、リップルには管理主体があります。これは、「送金時のコスト・時間・リスクを無くす」というリップルの開発目的を達成するためです。

中央に管理者を置くことで、マイニングに頼らない取引承認システムを実現し、ビットコインだと10分かかる送金をわずか数秒で行うことができます。

発行枚数の1,000億枚がすでに発行済み

ビットコインをはじめとする多くの仮想通貨は、マイニングの報酬として通貨の新規発行をしていますが、リップルでは発行枚数の1,000億枚をすでに発行しているため、今後も新規発行されることはありません。

独自の送金システムを採用

また独自の送金システムである「Ripple transaction protocol」を採用している点も大きな特徴です。

PoC (Proof of Consensus) を用いた承認システム

リップルでは承認システムにPoCを用いています。PoCとは「Proof of Consensus」の頭文字を取った略語です。PoCはリップルの取引データ処理をRipple Labs Inc.のサーバーで行います。ビットコインではマイナーと呼ばれるマイニングの参加者たちによって承認されますが、リップルはこの処理の整合性を、バリデーターと呼ばれる承認システムが判断します。

このバリデーターは現在世界に35あり、その内の6つをRipple labs Incが管理しています。

POWマイニングにはだれでも参加可能ですが、バリデーターはRipple Labs Inc.が指名した企業しか稼働できません。80%以上のバリデーターによって整合性があると判断された場合にかぎり、取引は成立します。そのためリップルの取引承認では、マイニングと違ってユーザー同士の競争が発生しないため、低コストで運用できます。

PoC (Proof of Consensus) のメリット

PoCの主なメリットは以下の2点です。

  • 合意形成にかかる時間が短い
  • 承認に必要なエネルギーが少ない

ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨は、取引量が多いために取引にかかる時間が遅延したり、手数料が高くなったりする「スケーラビリティ問題」を抱えています。これは、これらの通貨が「マイニング」という取引承認プロセスを採用していることが原因です。

リップルでは少数のバリデーターによって承認作業が行われるため、他の通貨よりもスピーディーに合意形成できます。

また、マイニングには非常に大量の電力が必要であり、多くの専門家や著名人が環境に与える影響を危惧しています。地熱発電や太陽発電など、比較的クリーンなエネルギーへの以降が進んでいる地域もありますが、現在も完璧に解決されたとは言えない問題です。一方でリップルはマイニングを採用していないため、環境に与える影響は他の通貨ほど大きくありません。

PoCのデメリット

PoCは送金をスムーズかつ安全に行うために開発されました。しかしバリデーターとして指名される企業や金融機関は、信頼性が高いといわれている点がメリットであると同時にデメリットにもなります。

ビットコインは金融機関を介さずに、送金や決済をするために誕生したため、管理する企業がいない非中央集権体制です。一方でリップル (XRP) は、信頼性の高い金融機関などをバリデーターとして指名しているため、管理・運営するRipple Labs Inc.やバリデーターに指名された機関を信頼する必要があります。

PoC (Proof of Consensus) は仮想通貨の普及に貢献し得る

リップルのPoCは、信頼性の高いバリデーターによって取引承認の整合性を判断するため、スピーディーな取引が可能です。送金スピードがアップすれば、ユーザーの利便性が高まり仮想通貨全体の普及に貢献し得るでしょう。

IOU取引

IOUとは英語で、「I owe you (あなたに借りがあります) 」から派生して生まれた取引方法です。IOU取引は、債権を保証する取引方法で、銀行などで使わています。例えば誰かが私達の口座にお金を振り込んだ際、そのお金は私達の手元にはありません。送金の成立時にはまだ銀行の金庫で管理されており、私達はそれをいつでも引き出すことができる権利、「債権」を受け取るに過ぎません。

リップルも同様に取引を行います。IOUによって残高の書き換えを行うことで、私達が債権を持っているリップルの額が変更されるのです。IOU取引のおかげで、リップルを直接送金する必要が無く、高速な取引が実現されています。

リップル (XRP) の発行枚数

すでに紹介したように、リップルの発行枚数は1,000億枚です。またリップルが市場に誕生したときにすべての枚数が発行済みです。また発行枚数のほとんどをRipple Labs Inc.が保有しています。

マイニングを行わない通貨ですので、ビットコインやイーサリアムのように後から新規発行されることがありません。リップルは手数料として使用されたものが消滅する仕組みなので、今後は総枚数が減る一方です。そのため、希少性が高まり価格が高騰するという意見もあります。

しかしあまりにも価格が高騰した場合には、Ripple Labs Inc.が保有したリップルを放出して価格を安定させる可能性もあります。

リップル (XRP) はマイニングによって発行されない

ビットコインをはじめとする仮想通貨の多くが、マイナーによるマイニングの報酬として通貨を新規発行していますが、リップルではマイニングによる発行はありません。

理由は以下の2つです。

  • 発行枚数がすべて発行済み
  • マイニングが行われていない

リップルでは開発された時点で、バリデーターによる承認システムを用いており、マイニングの採用を前提にして作られていません。

そのためマイニング報酬として新規発行する必要がないため、2005年に分散型台帳がスタートしたときにはすでに全発行枚数を発行しています。今後も新規発行されることはありません。

独自の送金ネットワーク「Ripple transaction protocol」

リップルは独自の送金システム「Ripple transaction protocol」、通称RTXPで使用するために誕生した仮想通貨です。

このシステムでは異なる通貨間や決済手段において、同じ価値で安全な取引を可能にした「インターレジャープロトコル」と、通貨の送金をスピーディーにするために開発された分散型台帳「XRP Ledger」によって作られています。

従来の国際送金では、SWIFTの規定によって送金側の銀行口座から海外の受取側口座へ送金する際には、あいだに送金業者が入り、時間もコストも多くかかっていました。

リップルは異なる通貨間の橋渡しの役割をもつ「ブリッジ通貨」とも呼ばれています。たとえば日本円をリップルへと交換して、リップルをアメリカドルへ交換すれば、送金業者を介する必要がなくなり、低コストでスピーディーな送金が可能です。

​またRTXPでは、プライベートブロックチェーンを採用しています。プライベートブロックチェーンとは、ブロックチェーンの1種です。取引の承認やブロックの生成に参加できる人が限定されており、管理主体が単体である点が特徴です。
RTXPのパブリックブロックチェーンのメリットやデメリットについてそれぞれ解説します。

RTXPのメリット

RTXPはネットワーク上の情報を、中央管理者であるRipple Labs Incが管理しています。そのため、顧客のプライバシーを守りやすい点がRTXPのメリットです。プライベートブロックチェーンによって、金融機関や企業がブロックチェーンを活用しても、顧客情報の流出を防げます。また不特定多数のコンピューターから取引承認をするのではなく、信頼性の高いあらかじめ指名されたバリデーターによって承認作業を行うので、スピーディーな取引承認が可能です。

​ビットコインのように中央管理者がいなく、ブロックチェーンネットワークに不特定多数が参加できるパブリックブロックチェーンでは、ネットワークを維持するためにマイニングが必要です。しかしプライベートブロックチェーンでの取引承認は、信頼性が高いメンバー同士で行われるため、マイニングは発生せず、報酬を支払う必要はありません。

RTXPのデメリット

​プライベートブロックチェーンの特徴は、RTXPにとってメリットだけではありません。RTXPの中央管理者であるRipple Labs Inc.は、取引の仲介業者ともいえます。

そのため仲介業者が機能せずに、取引が停滞してしまう「カウンターパーティリスク」が生じるかもしれません。

プライベートブロックチェーンは、中央管理者がブロックチェーンのルールや過去の承認済みトランザクションなどのプロトコルを、簡単に変更可能です。

そのため永久にデータを保存したい場合には適していません。また台帳を書き換えて不正に通貨を入手するリスクもあります。

リップル (XRP) の仕組みに関するまとめ

リップルはRipple Labs Inc.が通貨を管理・運営する中央集権体制の仮想通貨です。マイニングが不要はPoC承認システムを用いており、指名されたバリデーターが取引の承認を行っています。発行枚数の1,000億枚はすでに発行済みです。

また独自の送金システムであるRTXPは、プライバシーの保護性が高いプライベートブロックチェーンによって、安全かつスピーディーな取引を実現しました。ただしカウンターパーティリスクが生じるリスクやデータの永久保存には向いていないデメリットもあります。

リップルの仕組みには、メリット・デメリットがあるので、特徴をよく理解しておきましょう。

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