- ビットコインキャッシュはビットコインからハードフォークして誕生した
- 機能的にはビットコインキャッシュの方が高い
- ビットコインキャッシュの将来性に注目
仮想通貨といえばビットコインですが、そこから分裂して作られた通貨にビットコインキャッシュがあります。このビットコインキャッシュはビットコインよりも優れた機能を持ち、決済に適した通貨として普及しはじめています。
こちらの記事ではビットコインキャッシュの価格が今後上がっていくのか下がっていくのか、さらにビットコインキャッシュの将来性について詳しく解説しています。
仮想通貨の2020年・2021年相場予想
ビットコインキャッシュ (BitcoinCash/BCH) 誕生の経緯
ビットコインの取引処理速度は、ネットワーク状況にも左右されますが、毎秒7件ほどといわれています。それに対して、VISAなどのクレジットカードは毎秒数千件の取引を処理できることから、ビットコインを実用化するには取引処理速度が圧倒的に不十分であると問題視されてきました。
さらに、ビットコインの価格が高騰すると、取引量が増大し、ネットワークが混雑するため、取引処理速度が一層遅くなる事態も多々発生していました。
そんな中、当時のビットコインの仕様に疑問を持つ人が増え、ビットコインの取引処理速度を向上させるために、仕様のアップデートを行おうとする動きが出てきました。
2017年8月にビットコイン (BTC/Bitcoin) からハードフォーク
仕様のアップデートを行おうとする動きは次第に大きくなり、2017年にビットコインコミュニティは、「ビットコインをそのままの仕様にしたまま解決策を講じるべき」という人々と「ビットコインの仕様をアップデートするべき」という人々で対立しました。
その結果、取引処理速度の改善を図るために、「取引容量を圧縮するビットコイン」と、「取引を記録するブロック容量そのものを拡大するビットコインキャッシュ」にハードフォーク (分裂) することになりました。
ビットコインSV (BSV) の誕生
ビットコインから分裂して誕生したビットコインキャッシュコミュニティは、2018年11月にまたも仕様変更をめぐって対立が生じ、Bitcoin ABCというチームを中心としたビットコインキャッシュとビットコインSVに分裂しました。
一時期「ハッシュ戦争」といわれるまで混乱が起こりましたが、現在ではどちらも大きな問題なく機能しています。
ビットコインキャッシュ (BitcoinCash/BCH) の特徴
取引手数料が格安である
オフィシャルサイトによると、ビットコインキャッシュは世界中どこへでも格安の手数料で送金することが可能とされています。
例えば、金融庁に登録された仮想通貨取引所である「bitbank (ビットバンク) 」では、ビットコイン0,001枚の取引手数料は約950円ですが、ビットコインキャッシュ0,001枚の取引手数料は約100円です。ビットコインキャッシュの手数料は従来のビットコインよりも圧倒的に安いことがわかります。
ボラティリティが大きい
ビットコインキャッシュはビットコインがハードフォークされて誕生した仮想通貨であるため、はじめの段階からビットコインと同じだけの通貨量が流通しています。
そのためビットコインキャッシュはボラティリティの大きい仮想通貨であるといえます。
ビットコインキャッシュ (BitcoinCash/BCH) とビットコイン (Bitcoin/BTC) との違い
ビットコインから派生したビットコインキャッシュは、基本的にビットコインよりも機能性が向上しています。
ブロックサイズが異なる
従来のビットコインにはスケーラビリティ問題と呼ばれる、「取引量が膨大になった時に処理速度が遅くなり取引がスムーズにできなくなる」という問題がありました。それを解決するべく新しく誕生したビットコインキャッシュでは従来のビットコインの8倍となる8メガバイトのブロックサイズが用意されています。
単純計算でもビットコインの8倍の取引量を記録できるため、これによりスケーラビリティの問題は改善しています。そして、この8メガバイトというブロックサイズは2018年になり32メガバイトまでさらに拡大されました。これについては後述します。
運営側でははじめからビットコインが分裂するという話になっていたわけではないのですが、ある理由からハードフォークによりスケーラビリティの問題を解決することになりました。その理由とは、中国の大手仮想通貨マイニング企業が「これまで使用してきた機材が使用できなくなる」と主張したことです。運営側と話がまとまらず、最終的にはビットコインを分裂させてビットコインキャッシュが作られることになりました。
マイニング難易度調整アルゴリズム
マイニング難易度とは、マイニングによりブロックを生成する難易度のことです (ディフィカルティーとも呼ばれます)。値が低いほど採掘が難しいということになります。
ビットコインはNDAという難易度調整アルゴリズムを使い、2週間に1度調整を行いますが、ビットコインキャッシュは、DAAというアルゴリズムを採用し、10分に1度難易度調整を行えるため、こまめな調整がなされており、採掘スピードの安定につながっています。
Segwit (Segregated Witness)
Segwitとは、ビットコインの取引データを整理して、よりたくさんの取引を1つのブロックに格納しようとする機能です。Segwitを導入することで1つのブロックに記録する取引情報を増やすことができますが、マイニングを高速化させる機械であるAsicが使えなくなるデメリットもあります。
ビットコインではSegwitが導入されていますが、Asicを使用しているマイナーの影響力が強いビットコインキャッシュではSegwitに対応していません。
送金手数料
ビットコインキャッシュは、ビットコインに比べて送金手数料を安く抑えることができます。
従来のビットコインでは、ネットワークの混雑時に手数料が高騰し、一度の送金で数千円かかることもありましたが、ビットコインキャッシュではネットワークの平均的な送金手数料が1円以下に抑えられており、日常的な決済に適した仮想通貨となっています。
相違点 | ビットコイン | ビットコインキャッシュ |
ブロックサイズ | 1MB | 32MB |
マイニング調整アルゴリズム | NDA | DAA |
Segwit | 対応済み | 非対応 |
手数料 | 高騰するときがある | 平均的に安い |
ビットコインキャッシュ (BitcoinCash/BCH) これからの将来性と今後
今後ビットコインキャッシュはどうなっていくのでしょうか。ビットコインキャッシュの今後について、過去の価格推移と合わせて紹介します。
これまでの価格推移
ビットコインキャッシュは誕生してからすぐに大暴落を起こしています。ビットコインキャッシュは誕生当初、マイニングが難しすぎて10分単位で行うことができないという事態になりました。これにより適正な取引が行われず、通貨としての価値をなさないと判断されたことが暴落の原因です。
しばらくしてマイニングの難しさが調節され適切に取引ができるようになったため、今度は価格が急上昇し、誕生当初に近い水準まで価格が回復しました。それからはマイナーが「掘り出して売る」作業を何度も行ったため、だんだんと価格が低下していきました。
今後価格は上がるのか
ビットコインキャッシュはビットコインよりもスケーラビリティの観点において優れた性能を持っているため、今後の価格は上昇すると予想されます。仮想通貨の時価総額のランキングでも上位に上がってきていて、その動向に注目が集まっています。
仮想通貨に詳しい著名人であるAlisa Gus氏は2018年の末までにビットコインキャッシュは39万円まで価格が上がると予想しています。また、同じく仮想通貨に詳しいWallet Invester氏は2020年の末までに32万円まで価格が上がると予想しています。
このように、仮想通貨についての有識者の間でもビットコインキャッシュは上がるという見方が強いことがうかがえます。
ビットコインキャッシュ (BitcoinCash/BCH) を基軸通貨とした取引所の増加
仮想通貨取引所の基軸通貨といえばビットコインが多いですが、ビットコインキャッシュを基軸通貨とした取引所も増えてきています。
香港にある大手取引所の「KuCoin (クーコイン)」や「OKEx (オーケーイーエックス)」もビットコインキャッシュの基軸を採用しており、今後も多くのユーザーに普及すると予想されます。
決済サービスでも利用されている
Amazonの商品を暗号通貨で購入することで通常よりお得に購入できる「Purse」という決済サービスでは、ビットコインキャッシュを利用することができるようになっています。
さらに、ビットコイン決済の大手「bitpay」がビットコインキャッシュ決済に対応したり、株式会社ビットポイントジャパンが展開する店舗決済サービス「BITPoint Pay」でも、2018年6月からビットコインキャッシュ決済に対応しているなど、ビットコインキャシュによる決済は世界中で増えてきています。
機能のアップデートを繰り返している
ビットコインキャッシュは臨機応変に日々アップデートを繰り返しているため、今後さらに実用的な決済通貨となることが期待されています。
実際に店舗やサービスなどでビットコインキャッシュの取扱いが開始していることなどからも、ビットコインキャッシュは今後さらに普及し、価格が上昇していく可能性もあるでしょう。
ビットコインキャッシュ (BitcoinCash/BCH) が今後上がるといわれている理由
さて、それではビットコインキャッシュの価格が今後上がっていくと考えられる理由を紹介します。
決済サービスへの仕様が増加すると考えられる
ビットコインキャッシュを使った決済サービスが普及すると、ビットコインキャッシュの知名度が上昇するでしょう。そもそもビットコインキャッシュ自体の「少額のトランザクション手数料」や「高速な決済スピード」といった仕様は、決済用途に非常に向いています。
ただ現在、日本において仮想通貨決済サービスは展開されているものの、そのほとんどがビットコインを用いたサービスになっています。ビットコインキャッシュでも決済できる決済サービスもありますが、その数はあまり多くありません。
ビットコインキャッシュの目標「真のビットコインになる」は、決済サービスに用いられてこそ達成できるはず。今後ビットコインキャッシュが決済サービスに用いられるかどうかが、普及するポイントといえそうです。
取扱取引所が増えている
最近では、アメリカで最も大きい取引所であるCoinbaseなどの取引所がビットコインキャッシュの取扱いを開始しました。取引所が増えればビットコインキャッシュに対する資金が入り込むので、価格の上昇が予想されます。
このように、徐々にビットコインキャッシュを取扱う取引所が増えていることがビットコインキャッシュが今後上がるといわれている理由の1つです。
2018年5月にハードフォークが行われた
ビットコインキャッシュは2018年5月にハードフォークが行われました。ビットコインからの分裂で8メガバイトに拡大されたブロックサイズは32メガバイトというさらに大きな容量へと変更され、さらにスマートコントラクトの技術が用いられたオペコードが導入されています。
この仕様の変更により、取引の速度はさらに高速化され、イーサリアムと同じ機能が使えるようにもなります。
2020年5月にも、機能や仕様などをアップデートするハードフォークを実施されました。このように定期的にハードフォークが行われることによって、より質の高い仮想通貨へと発展していくと考えられます。
こういった理由もビットコインキャッシュの価格が上がるといわれている理由です。
アフリカ市場への進出が予想される
ビットコインキャッシュはアフリカ市場に進出していくと予想されています。2018年3月には「コインテキスト」と呼ばれる、電話回線だけを使用してビットコインキャッシュを送金できるサービスが開始されました。
アフリカにはネットワーク環境が整っていないものの、携帯電話が普及している実情があります。このサービスはアフリカにおいて有用なものになると考えられ、これによりビットコインキャッシュの価格が上昇すると予想されています。
多くの企業がマイニングに参加
現在、多くの企業がビットコインキャッシュのマイニングに参加しており、その争いは熾烈になっています。
ビットコインキャッシュ誕生のきっかけになった中国のマイニング会社Bitmainをはじめ、GMOインターネットといった既存の大手会社など数々のマイニング専門会社がビットコインキャッシュマイニング事業に力を入れており、それだけビットコインキャッシュの将来性が注目されているということがわかります。
ビットコインキャッシュ (BitcoinCash/BCH) は今後下がるとの予想もある
ビットコインキャッシュの価格は今後下がっていくだろうと予想する人もいます。最後に、ビットコインキャッシュが今後下がってしまうと予想する人の根拠について解説します。
ハードフォークにより類似コインの増加
ビットコインキャッシュはビットコインからハードフォークし、さらにそれ自体も2018年5月にハードフォークを行なっています。
ハードフォークをするとどうしてももともとの仮想通貨と機能や特徴が似てしまうものであるため、ビットコインキャッシュはハードフォークにより類似コインが増加してしまうと考えられています。このことが、ビットコインキャッシュが今後下がるといわれている理由の1つです。
ビットコイン (Bitcoin/BTC) の値動きにつられる
ビットコインキャッシュはビットコインの値動きに連動していると考える人もいます。つまり「ビットコインが上がればビットコインキャッシュも上がり、ビットコインが下がればビットコインキャッシュも下がる」ということになります。
ビットコインキャッシュの値動きとビットコインの値動きが連動していると考えている人のうち「ビットコインが下がる」と予想している人は「ビットコインキャッシュも下がる」と予想しています。
ビットコインキャッシュ (BitcoinCash/BCH) の2020年~2021年における動向を見るポイント
2020年~2021年において、ビットコインキャッシュの注目すべきポイントは次の3つです。
- 半減期 (2020年4月)
- 仮想通貨関連の法整備
- ビットコインキャッシュの知名度が上がるタイミング
2020年4月に半減期を迎え今後の動き
ビットコインキャッシュは、2020年4月8日に半減期を迎えました。半減期とは、マイニング報酬が半額に減るタイミングのこと。ビットコインキャッシュの場合は21万ブロックごとに半減期が起こるようプログラムされています。
ビットコインキャッシュの値動きは、「半減期前に上昇」し「半減期後に下落」しました。半減期前に価格上昇したのは、「半減期を迎えると価格が上昇する」というトレーダーの期待によるものと考えられます。半減期後に価格が下落したのは、セキュリティの懸念が出たからだとされています。
なぜセキュリティの懸念が出たのかというと、ビットコインキャッシュのネットワークにおけるハッシュレート (マイニングマシンの処理能力) が低下したから。半減期でマイニング報酬が半額になり、マイナーがビットコインキャッシュのマイニングから撤退したためと考えられます。ビットコインキャッシュの取引を支えるコンピュータが少なくなったことで、取引の処理に懸念が生まれました。
ただ2020年9月現在、ビットコインキャッシュのハッシュレートは2019年12月ころのものまで回復しています。今後もハッシュレートが価格に影響を与えるかもしれません。
仮想通貨に関する法整備も確認する
ビットコインキャッシュを含む仮想通貨の法規制に注目しましょう。というのも仮想通貨の価格は、政府による規制が強化されると下落する傾向があるからです。日本のみならず、EUや中国、アメリカでは仮想通貨に関する規制強化が進んでいます。
仮想通貨は匿名で送金を行えるため、国際犯罪組織の資金調達に使われたり、マネーロンダリングの手段として使われたりする懸念があります。法規制は主に上記のような犯罪行為を防ぐ目的で整備されています。
ビットコインキャッシュ (BitcoinCash/BCH) が広く認知されるタイミングに注目する
ビットコインキャッシュが広く認知されるタイミングに注目しましょう。「広く認知されるタイミング」とは、具体的には次のようなことです。
決済サービスの利用通貨として採用される
仮想通貨取引所に上場する
機能がグレードアップする (ハードフォーク含む)
上記のような好材料となるニュースが報じられれば、ビットコインキャッシュの価格が上昇する可能性があります。トレードするタイミングを見逃さないよう、ニュースをこまめにチェックすることをおすすめします。
ビットコインキャッシュ (BitcoinCash/BCH) の購入におすすめの取引所
Coincheck (コインチェック)
Coincheckはハッキング事件にも見舞われましたが、マネックスグループの傘下入ることで運営を刷新し、2019年5月にはユーザー数・取引量ともに圧倒的No,1の取引所へと見事復活を遂げました。
特にCoincheckのスマホアプリは初心者から上級者まで幅広い人気を誇っています。今後の動向が気になるビットコインキャッシュのトレードでは、毎日相場の確認に使うスマホアプリは非常に重要ですので、取引所選びに迷っている方はまずCoincheckに登録してみましょう!
- 見やすく簡単なユーザーインターフェース
Coincheckは初心者でも使いやすいデザインのアプリが非常に高い評価を得ています。
それもそのはずCoincheckの前社長の和田晃一良氏は「天才プログラマー」と称されるほどプログラミングに精通しており、その高い手腕をアプリ開発で発揮したのです。
Coincheckが運営を停止している時でさえ、アプリを使うためだけにCoincheckを利用していた方も多かったことからも、その評判の高さを伺い知れますね。
- マネックスグループの一員となり管理
- セキュリティ体制も万全に
Coincheckといえば、NEMの流出事件が記憶に新しいかもしれませんが、2018年4月時点で被害者への返金を完了しています。
それに加えて運営母体がオンライン証券大手のマネックスグループに変わったことで、セキュリティ体制の刷新が行われ、現在はかつてのような高い信頼性が復活の兆しを見せています。
ビットコインキャッシュ (BitcoinCash/BCH) の将来性に関するまとめ
ビットコインキャッシュの今後についての情報をまとめました。ビットコインキャッシュはハードフォーク前後で多くの問題がありましたが、着実に決済通貨としての普及が進んでいます。基軸通貨として採用する取引所も多くなっており、将来性の高さに注目が集まっている仮想通貨だといえます。
しかし、ビットコインキャッシュはビットコインからハードフォークした通貨として、ハードフォーク通貨ならではのメリットやデメリットも持っています。
実際に投資する際にはこれらの事実を十分に考慮して、慎重に行うようにしましょう。