アセンディングトライアングルは上昇相場でさらなる上昇を予想する
「騙し」に注意
注文時に損切指定ができるBybitなどの取引所と相性がいい
アセンディングトライアングルとは
アセンディングトライアングルとは、テクニカル分析で使用されるチャートパターンの一種です。水平線となるレジスタンスラインと上昇トレンドラインの2本の線によって形成され、形は三角形となります。
アセンディングトライアングルは、一般的に上昇トレンドがこのまま続くことを示していると言われています。なぜなら、安値が切り上がってきており、市場で買いが優勢となっているためです。
トレーダーは、価格がレジスタンスラインあるいはトレンドラインを突破しないかどうかを注意しておく必要があります。価格はレジスタンスラインとトレンドラインどちらの方向にも突破する可能性はありますが、一般的にアセンディングトライアングルでは、三角形が形成される直前にあったトレンドど同じ方向に価格が抜けていきます。
アセンディングトライアングルを実際のチャートで解説
①直近の高値を目安にレジスタンスラインを引く
レジスタンスラインとは現行価格よりも上に引く水平線のことです。一般的には「これ以上は上昇しないだろう」という目安のことで上値支持線とも呼ばれます。
②安値を結んでいくトレンドラインを引く
この相場局面では、価格が大きく上がっては少し下がり、また大きく上げるということを繰り返しています。こうした値動きから、売りの圧力はあるものの、それは買いの圧力に圧倒され、徐々に力を失っていっているのがわかります。
③レジスタンスラインを割ったらエントリー
レジスタンスラインの概念を応用し、「売り圧がありながらも安値を更新できない相場状況でレジスタンスラインを貫通したというのは、売り圧がほぼ消滅したことを意味する。従って、価格はこの後大きく上昇する」と捉えます。そこで、直近の高値を破ったタイミングでロングポジションを取ります。
アセンディングトライアングルのパターン
レジスタンスラインを突破したアセンディングトライアングルは以下の3つのパターンのどれかのような値動きをすることが多いです。3つのパターンの特徴を事前に頭に入れて、値動きに対応できるようにしましょう。
パターン① レジスタンスラインを貫通してそのまま大きく上昇
先ほど解説したチャート上のパターンです。このパターンの考察としては、レジスタンスライン周辺の強い買い圧にぶつける売り注文が底を尽きたのに、まだ買い圧が強い場面があがります。その結果、買い圧に食わせる売り注文がなくなったので、急激に価格が上昇します。このパターンは事前に押し目買いをするタイミングがなく、エントリーが難しいです。5分足などの短めの時間足チャートを用意し、足が確定した後にエントリーをすることで上昇後の急激な値動きにもある程度対応できるでしょう。レジスタンスラインを損切ラインに設定しておくことも効果的です。
パターン② 押し目を作って再度上昇
レジスタンスライン突破後、再びライン付近まで下がってきて再度上昇するパターンです。この場合はレジスタンスラインの少し下に指値注文を置き、押し目を拾った後の上昇で利幅を取りに行きます。下落幅が読みづらいので、右肩上がりに引いたトレンドラインまで価格が下がってきたり、もしくは直近の安値の少し下を損切とすることで急激な値動きにも対応可能でしょう。
パターン③ レジスタンスラインを突破したものの、その後大きく下落
このパターンはいわゆる「騙し」という動きです。「騙し」とは圧倒的な資金力を持った機関投資家、いわゆるクジラの戦略にハマって、自分のポジションが危険な状態にあったり、損失を被ってしまうことを言います。クジラはアセンディングトライアングルを含めた様々な典型的なチャートパターンが出た時に、大衆の動きを予想して、反対方向に価格を意図的に動かそうとします。アセンディングトライアングルが使えそうなわかりやすい場面が来た時に、レジスタンスラインを突破した少し後に大規模な売り注文を出し、大衆の買い注文を全て約定させながら価格を釣り下げる可能性がないわけではありません。初心者のうちは参入価格(建値)まで価格が逆行したらそこで決済をしたり、トレンドラインと価格が再度クロスしたらそこでポジションを解消するなど、自分なりの損切ルールを決めて、損失が膨らみすぎないように注意しましょう。
Bybitなどの一部の取引所では参入時に損切ラインの設定が行えます。事前に損切を設定しておけば、エントリー直後に反対方向に急激な値動きがあっても対応できるで、「騙し」とうまく付き合えるでしょう。
Bybitでの注文方法は以下の記事で解説しています。
参考 : Bybit (バイビット) 使い方・取引方法ガイド – 登録・チャート・取引画面
アセンディングトライアングルの引き方
以下の2点を満たす場合、アセンディングトライアングルが引ける可能性があります。
- レジスタンスラインが引けそう
- 安値が切り上がっている
レジスタンスラインの引き方
レジスタンスラインを引く時は、チャートの高値を意識します。なんとなく、直線でつなげそうだなというようなヒゲが出ていたら、一旦平行線を引いてみましょう。
切り上がった安値をつなぐ
最後に切り上がった安値をつなぎます。この時も全ての安値をつなごうとせず、安値を包括的に捉えて右肩上がりのトレンドラインを引きます。
レジスタンスラインもトレンドラインも、引けそうだなと思ったら引いてみる姿勢が大切です。
アセンディングトライアングルを引くのにおすすめのチャートツール
TradingView
TradingViewは海外発祥の多機能チャートで、通常のチャートではできないような高度な分析ができたり有名トレーダーが公開しているトレード戦略を自由に見たりできます。ライン類も直感的な操作感でとても扱いやすいです。ブラウザで展開されているので、パソコンかタブレットやスマホまで場所を選ばずにチャートが開けるのも魅力です。アセンディングトライアングルなどのテクニカル指標を存分に使って取引を進めたい方にはもってこいのチャートです。
以下の記事でTradingViewの基本的な使い方を解説しています。参考にしてみてください。
参考 : TradingView (トレーディングビュー) の使い方 | アラート・インジケーター機能
アセンディングトライアングルにおすすめの取引所
Bybit (バイビット)
Bybitでは参入注文を飛ばす際に、損切・利食いを事前に指定できます。アセンディングトライアングルのような典型的なテクニカル分析のほど、クジラの「騙し」が発生しやすいため、きちんとリスク管理をしておく必要があります。こうした状況では、事前に撤退価格を指定してからポジションを取れるBybitは安心して取引ができる取引所です。海外取引所ですが、日本語にも対応しています。
BINANCE (バイナンス)
バイナンスは世界最大規模の取引所の1つです。そのため、市場には充分な流動性があり、「ヒゲ」と呼ばれる突発的な価格の暴騰・急落が起こりにくい傾向にあります。「ヒゲ」のせいで損切ラインに刺さってしまう、といったことが他の取引所よりも起こりにくいのでこちらの取引所もおすすめです。BINANCEも日本語に対応しています。
アセンディングトライアングルのまとめ
アセンディングトライアングルは上昇トレンドがより強まる際に描くことのできる、テクニカル指標です。基本的には順張りの動きをするので、「騙し」に注意して損切を設定しておくことで、相場のトレンドに近い形で取引が可能になります。また、アセンディングトライアングルの対義語のディセンディングトライアングルに関しても以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。
参考 : ディセンディングトライアングル

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また、ユーザー同士のコミュニケーションの場としての役割も兼ね備えています。自分のチャート分析やトレードの案を公開したり、他の人が公開した指標を見てトレードの参考にしたりできます。
さらに、ユーザー間のチャットやチャットルームの作成も可能で、全世界で数多くのトレーダーに愛用されています。
他にも公式に発表されたニュースや指標も見ることができます。トレードに必要な情報はこれ1つですべて手に入るといっても過言ではありません。
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