- 仮想通貨の押し目買いの定義やコツを紹介
- 価格上昇を続けるなかで一時的に下がったタイミングで安く買い、高く売って利益を出す
- チャートの値動きを示すグラフが移動平均線より上にあるかなど情報の見極めが重要
仮想通貨取引で儲けるために「押し目買い」というテクニックを身につけたい人も多いでしょう。
本記事では仮想通貨のトレードテクニックをあまり知らない人のために、代表例である押し目買いの方法や注意点を紹介します。これを参考に押し目買いを実践してはいかがでしょうか。
押し目買いとは
押し目買いの基本的な定義と反意語である「戻り売り」の意味を解説します。
押し目買いの概要
押し目買いとは元々株式市場で使われていた用語です。仮想通貨や株など金融商品が価格上昇傾向にあるなかで、一時的に安くなったタイミングで買い注文を出す方法です。
価格が上がっている最中に仮想通貨を買うと相応の費用がかかりますが、一時的に下がったタイミングで買うことで、想定よりも安い費用で済ませられます。購入後に価格が上がったタイミングで売れば、大きな利益も出せます。
戻り売りとは
押し目買いの反対にあたる言葉に「戻り売り」があります。これは仮想通貨の価格が下落傾向にあるなかで、一時的に高くなったタイミングで売り注文を出すことです。
仮想通貨は買ってもいない分を空売りして後で買い戻すことも可能です。一時的に高くなったタイミングで売り、さらに安くなったところで買い戻せば、空売りした分でもらった利益を多く残せます。空売り一回につき買い戻しの義務が生じますが、安く買い戻せば残った分がそのまま利益になります。
押し目買いの手順
押し目買いの実践は3つの手順にわかれます。
STEP1 上昇トレンドを確認する
まずは仮想通貨の銘柄を選び、上昇トレンドに入っているのはどれかを確認しましょう。チャートは「1時間足」「日足」という風に区切る時期を決めてチェックし、複数の区切りで価格が上昇しているかを確かめてください。
上昇トレンド中のチャートは、価格の値動きを示すローソク足や線グラフ、区切りごとの価格の平均を示す移動平均線などが上り坂のように示されています。直近の仮想通貨の値動きに注目して、グラフの方向をチェックしましょう。
STEP2 下げ始めたことを確認する
価格上昇中の仮想通貨が少しだけ下がっているか確かめましょう。価格グラフが連続で上がっていながら、最後だけ微妙に下がっているという風に、上昇後に小さな下落があれば押し目のサインです。
押し目のサインは、同じ銘柄でも、時期の区切りで出るケースと出ないケースがあります。「1時間足」では上がったり下がったりだが、「週足」では連続した値上がりの後に一時的と思われる下落が起きているという風に、時期の区切りを変えながら上昇トレンドのなかの押し目を探してみましょう。
STEP3 下げ止まったことを確認して買いを入れる
下落が始まった仮想通貨が下げ止まったタイミングで買いましょう。仮想通貨の価格は上昇を再開し、なおかつ下落前の値段を追い越していないタイミングで買うとお得な取引ができます。
押し目買いに入る根拠
仮想通貨取引の押し目買いに慣れていない人のために、実践に適切なタイミングを3つ紹介します。
根拠1 | 安値から高値までの上昇幅の3分の1、もしくは2分の1 (半値)下げを確認できたとき
価格上昇開始時の最安値と上昇中の最高値をチェックし、上昇幅の3分の1から2分の1までの下落が見られたら押し目買いのチャンスと考えられます。
計算で細かい数字を出している間にも仮想通貨の価格はどんどん動きますので、スクリーンに親指で最安値、人差し指で最高値のポジションにかざし、下落開始後の価格が上昇幅の半分以上に残っていれば買い時と見ましょう。
根拠2 | 25日移動平均線付近まで価格が下げてきたところ
押し目買いを成功させるために、25日移動平均線をチェックするのも重要です。これはチャートの中で赤い線グラフとして示されており、直近25日分の各終値の平均値を毎日記録したものをグラフ化したものです。
仮想通貨の価格が25日移動平均線の近くまで下がってきたら、反動で取り戻すケースが多く見られます。そのため、平均線に価格を示すグラフが近づいてきたときが買い時と見られます。
根拠3 | 相場全体と比較をして底堅いことを確認できたとき
価格の動きや平均線に頼らず、相場全体の動きから一種類の仮想通貨の下げ止まりを確信して押し目買いをするテクニックもあります]。しかし一つの仮想通貨のチャートだけに注目しないやり方なので上級者向けとされます。
多くの仮想通貨の銘柄が下落傾向なのに、特定の一種類が値下げ傾向になっていないときなどに使えるテクニックです。仮想通貨が市場全体の傾向に逆らって値下げしていないときは、大口の投資家などにより下値を支える買いが入っていると考えられます。
下値を支えられている仮想通貨が下げ止まったのをチェックしてから押し目買いをすることで儲けを狙えます。
押し目買いのタイミングをテクニカル分析で測る方法
押し目買いのチャンスはテクニカル分析でも見つけられます。以下の4つを基準に判断しましょう。
移動平均線
移動平均線は、値動きを示すグラフから離れすぎていないかで確かめましょう。離れている時点で価格下落が始まると暴落のサインにもなりえるからです。ここで儲けを狙うにも、短期決着に徹しましょう。
トレンドライン
トレンドラインが上り坂になっているなかで、価格がラインに触れるほどに下がったポイントが2つあれば押し目買いのチャンスです。
ただし移動平均線と同様に、ラインから値動きのグラフが離れすぎている場合、押し目買いをしても暴落に巻き込まれるリスクがあるので注意しましょう。
支持線・抵抗線
移動平均線はグラフの方向により支持線と抵抗線にわかれます。支持線は常に仮想通貨価格の下側を推移している線で、抵抗線は価格の上側で推移している線です。
支持線が長く見られる場合は、一時的に価格が下がったときに押し目買いのチャンスです。抵抗線のなかで価格の上昇が見られる場合は戻り売りが考えられます。
RSI
RSIとはオシレーター系の指標といわれます。オシレーター系指標とは、仮想通貨が相場のわりに買い注文または売り注文が殺到しすぎていないかを示す基準で、トレンドの変化を判断する材料になります。このRSIの指標が過剰に低くならない範囲内で下がったときに押し目買いする作戦です。
押し目買いのコツ
押し目買いには以下の3つのコツがあります。
コツ1 | 相場が再び上がるだろうという読み
押し目買いは、上昇トレンド中に安く買えても、その後の値上がりがなければ成功しません。うまくいくためには相場が再び上がるという読みの的中が大切です。
また、目当ての仮想通貨に関して上昇トレンドになるほど価格が上がっている要因や、値下げが始まった要因などもチェックし、それが長期的な影響を与えるかも分析しましょう。ほかの銘柄の市場動向とも合わせて、目当ての仮想通貨の値動きを予測しましょう。
コツ2 | 短期の押しの底を見極める洞察力
押し目買いは、特に短期トレードをする人にとっては、底値を見極める洞察力が問われます。
特に1日で買った仮想通貨を売り払うデイトレードなどでは、仮想通貨のニュースで市場動向を見極めるだけでなく、仮想通貨市場全体の動きに目を配らせましょう。
ほかの銘柄でも値下がりが始まっていたら、仮想通貨市場全体が停滞の時間に入っている可能性があるため、底値が定まりづらいです。一方、市場全体が好景気のなかで、特定の銘柄だけ一時的な下落があれば、ある程度底値を定められるでしょう。
仮想通貨は日本時間の午前10時がアジア圏と北米圏の活動時間が重なるなどの理由で値動きが大きくなりやすいとされています。このように価格変動しやすい時間帯も参考にし、押し目買いにふさわしい値動きを探しましょう。
仮想通貨市場全体の動きを意識しながら、下げ止まりのタイミングで押し目買いを決めにいくことが大切です。
コツ3 | 押し目買いが成功した際にどこまで上げていくかの読み
押し目買いを実行できても、どのタイミングで売るかを決めなければ、狙った利益を逃してしまうかもしれません。
もらえる可能性のある利益は、なるべく逃さず確保したいと願うユーザーが多いでしょう。利益確保には押し目買いをしたタイミングに応じて売却を計画するのが大切です。
上昇トレンドが始まってから時間が進んだ段階で押し目買いをした場合は、近く値下がりが始まることに備えて短期で売り払いましょう。また、日足で押し目を見つけて買った場合は、数日かけて持ち続けてから売ることも考えられます。
相場が暴騰したり、出来高が上がりすぎたりしている場合は、反動で値下がりする時期も近いので、早めの売却を決断する方がベターでしょう。
押し目買いの注意点
押し目買いは知っておくと得なテクニックですが、実行したからといって必ず儲かるとは限りません。
たとえば、移動平均線を下回るほど仮想通貨の相場が落ち込んだときに押し目買いをしても、それは下降トレンドの入口でありしばらく上昇が望まれないケースが多いです。
押し目買いになれないうちに実行する場合は、移動平均線より少し上という風に、経験の浅い人でもわかりやすい基準を活かしましょう。これは大儲けを意識しつつも、下手なテクニックで大損する可能性を抑えるための策です。
押し目買いのまとめ
押し目買いとは仮想通貨が価格上昇している途中で、一時的に反動で下がったタイミングを狙って安く買い、再び高くなったところを売って利益を出すテクニックです。
目当ての仮想通貨に関係する情報や市場全体の動向が活性化する可能性などを見極め、押し目買いのベストタイミングを狙いましょう。