- 複利運用とは増えた利益分をさらに投資に回すこと
- 単利運用では一定の利益を出し続けることができる
- 複利運用は単利運用に比べて利益の伸び率が高い
資産運用においては単利運用や複利運用という運用法があります。中でも複利運用を実際に取り入れれば、後は手を加えずとも加速度的に大きな利益を得ることができます。
この記事では複利運用や単利運用という単語の意味から、仮想通貨投資での複利運用についても徹底解説します。
複利運用とは
投資における複利運用という言葉について解説します。投資を行っていくうえで重要なワードなのでぜひ覚えておきましょう。
複利運用の計算方法
複利運用で発生する利益の予想額を計算する公式があります。
b = a ( 1+r ) n
※aは元金、rは年利率、nは年数、bはn年経過時の金額
複利運用と単利運用の違い
利息の計算方法には「複利運用」と「単利運用」の2つがあります。それぞれ解説いたします。
単利運用とは
単利運用とは、利息を元本に組み入れずに運用していく方法です。元本に対してのみ利息がつきますので、何年運用しても利息は変わらないという特徴があります。
例えば100万円を5%の利回りで運用した場合、単利運用だと年に利益は5万円です。次の年も100万円の元本を元に算定しますので、ずっと運用しても年に5万円の利益ということになります。
複利運用とは
複利運用とは、利息を元本に足すことができる運用方法です。最初の年は元本に利息が付くだけですが、単利運用と違いが出るのは次の年からです。利息が付いた次の年から、その利息分も元本に組み込んで利息を計算します。
つまり複利運用すると、毎年毎年利息が大きくなっていくということです。単利運用と同様に100万円を5%の利回りで運用していったとしても、次の年は5万円の利益、次の年は元本に利息を組み入れた105万円に5%の運用になるので利益は5.25万円となります。
このように利息が利息をよび、どんどん元本が膨らんでいきます。複利運用の特徴は時間をかければかけるほどお金そのものが労力となり、自動的に資産が増えるということです。
複利運用の効果
では複利運用の効果について解説いたします。
複利運用と単利運用の利息の違い
先述したとおり、同じ額の元本で運用したとしても複利運用と単利運用の場合だと、利息は年を追うごとにどんどん差がついていきます。
例えば100万円を5%の利回りで運用した場合の複利運用と単利運用を比べると最初の年こそ同じ5万円ですが、その次の年から差が付いてきます。当初こそ少しの額しか違いはありませんが長期的に見ると大幅に変わってくることになります。
長期運用した際の利息の違い
時間が経過すればするほど、複利運用と単利計算の利息の額は大きく違ってきます。例えば先述した額と同じ、100万円を5%の利回りで計算していくと複利運用の場合と単利運用の場合では30年後には1,821,942円の差が付きます。
考え方としては単利運用の場合は、5万円の利息を足し算で計算していきますが、複利運用は掛け算で計算していくようなものです。
単利運用で5万円の利息を2倍にするには20年かかります。しかし複利運用の場合はその5年短い15年で到達できます。しかもこれはさらに年を追うごとにどんどん差が開いていきます。
複利運用で役立つ「72の法則」
こちらでは複利運用で役立つ「72の法則」についてご紹介いたします。
「72の法則」とは
「72の法則」とは複利で運用した場合に資産を倍にするために必要なおおよその年数を算出するための法則です。複利の計算が難しく感じる方でも理解しやすいことが特徴になります。
例えば1%の利回りで資産を複利運用した場合、2倍にするには約72年必要です。3%で運用すると約24年、6%だと約12年、8%だと約9年で資産は倍になります。
このように「72の法則」を用いて複利計算を見ると、逆算して倍にするのに必要な年数が算出できます。
「100の法則」とは
「100の法則」とは、単利計算で運用した倍にお金が2倍になる期間を求めることのできる法則です。計算式は以下のように計算します。
100÷金利=お金が2倍になる期間 (1年間あたり)
「72の法則」の重要性
複利運用を行う場合に「72の法則」はとても重要で、ある期間で資産を2倍にするための期間と利率を算出するのに、いろんな応用が可能です。
例えば30年で2倍にしたい場合、72÷30=2.4%と出てきます。つまり2.4%で30年運用すれば、資産は倍になるということですね。
複利運用におけるテクニック
複利運用を進めていくにあたって、損失を負わないために気をつけることを解説します。
余剰資金で長期に渡り複利運用する
複利運用のリスクを軽減させるために、なくなっても困らない程度の余剰資金で複利運用することをおすすめします。さらに短期での複利運用は効果が薄くなってしまう傾向があります。複利運用は長期に渡って資産を運用することでより効果を発揮するため、できるだけ長いスパンで資産を運用するようにしましょう。
分散投資でリスクを減らす
複利運用でのリスクを軽減させるには、分散投資でリスクを減らすという方法も効果的です。1つの金融商品に集中して投資すると、損失が膨らんだ場合に一気に資産を失うことになってしまいます。
そこで値動きが異なる金融商品を複数選んで投資することで、リスクを分散することができるのです。
仮想通貨での複利運用は?
複利運用は仮想通貨でも行うことができます。仮想通貨で複利運用をする際のポイントをいくつか紹介します。
利回りを意識したコインを選ぶ
仮想通貨では長期間で投資することを前提に、これから先に価格が上がりそうな仮想通貨を選択する必要があります。元から値動きの激しい仮想通貨は複利の効果が薄いです。
ボラティリティが小さく、これから先に価格が大きく上昇すると予想される仮想通貨に投資することをおすすめします。
クラウドマイニングを活用した複利運用
仮想通貨のクラウドマイニングは、一般的なマイニングとは異なり自分で機材や電気代を用意する必要がありません。クラウドマイニングを行なっている企業が資金を募ってマイニングを行い、発生した利益を配当として投資家に分配します。
さらにその資金をクラウドマイニングに回すことで、仮想通貨の複利運用をすることができます。そして仮想通貨の中には「PoS (プルーフオブステーク)」と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを採用している仮想通貨があります。
PoS (プルーフオブステーク)
プルーフオブステークとは簡単に解説すると、保有している仮想通貨の保有期間に応じて報酬を受け取ることができる仕組みを指しています。OmiseGOと呼ばれる仮想通貨がプルーフオブステークを採用しており、保有している期間に応じてOmiseGOが支払われるのです。
プルーフオブステークにより支払われた報酬を、さらに対象通貨の購入にあてることで複利運用をすることができます。イーサリアムもコンセンサスアルゴリズムをプルーフオブステークに移行する予定なので、今のうちに購入しておくことをおすすめします。
まとめ
複利運用は発生した利益をさらに運用資産に回すことで、利益を膨らませることができる投資方法です。そして単利運用は発生した利益を資産運用に回さず、一定の運用資産で利益を出し続ける手法です。
複利運用は長いスパン運用することで効果が発揮されるので、ボラティリティの小さい利回りが期待できる銘柄で行いましょう。複数の銘柄に分散投資することでリスクヘッジすることもできます。さらにできれば、クラウドマイニングやプルーフオブステークを採用している仮想通貨に投資しましょう。配当や報酬をさらに投資することで、効果的な複利運用を実現することができます。