- 価格急落の主な原因は、国の規制と仮想通貨への信頼の低下
- 逆に仮想通貨にプラスなニュースが流れると価格上昇
- 「仮想通貨は価格の変化が激しもの」という認識が必要
2017年の仮想通貨バブルにより、仮想通貨はFXや株などと同じように投資として注目を浴びています。
しかし仮想通貨が他の二つの投資と異なる点があります。それは突然価格が急落することが頻繁にあるという点です。今回はその仮想通貨の価格急落の原因について解説していきましょう。
仮想通貨の価格が急落する原因
仮想通貨の取引で注意しなければならないのは突発的な急落です。仮想通貨の急落に影響を与える原因は主に4つあります。順番に解説していきます。
- 各国の規制強化
- 下がり始めたことによる不安
- 取引所のハッキングや閉鎖
- 有名人の発言
各国の規制強化
最近の仮想通貨の急落の原因として挙げられるのは、世界各国の仮想通貨に対する規制強化です。
G20
2018年3月には世界の経済各国が集まったG20にて仮想通貨の規制が議題に挙がりました。結論として「禁止をしないけれども、多少の規制を行う」ということになりました。
では何故仮想通貨が規制される対象になったのでしょうか。G20に参加したブラジルでは、国内の仮想通貨の人気が高まっている反面、これ以上投資に関する関心が増えないように、投資ファンドによる仮想通貨投資の禁止するなど早い段階で仮想通貨の規制を行う旨を示しています。
その他の国
他にも韓国や中国などのアジア圏の国も、仮想通貨を悪用した犯罪の抑制という形で仮想通貨の規制を行うことを明言しています。
情報を吟味
こういった仮想通貨の規制に関する発言は、仮想通貨市場に警戒心を持たせ、「もしかしたら今後仮想通貨の将来性はないのではないか」という不安感を抱かせます。
その結果、仮想通貨の価格が急落する事態に陥るのです。
しかし、全てを規制するには仮想通貨の規模は拡大しすぎており、有用なブロックチェーン技術などを害さない限りの最低限の規制のみを行う姿勢で、各国は同意したようです。現在、日本は規制等を設けない旨の発言をしていますが、もしこれから発言を撤回し、規制を行う可能性も0ではないので、今後の情報に注目が集まります。
下がり始めたことによる不安
仮想通貨に投資しているのは、何も元々投資をやっていた人だけではなく、初めての投資として仮想通貨を取引している人も少なくありません。
投資に慣れていない人の場合、何かしらの要因で少しでも価格が下がり始めると、急いで損切を行う人が多くその結果価格の急落を起こすことになります。
もちろん、全てが全てこういった要因での急落ではないものの、こういった市場の不安感によって価格が急落することもありうるのです。
取引所のハッキングや閉鎖の影響
取引所のハッキングや閉鎖は仮想通貨の価格にも影響を与えます。有名な事例はBitConnectです。アメリカの各州の規制当局がBitConnectに対して警告をし取引所が閉鎖されたケースではビットコネクトコインの価格は90%以上も下落しました。
また2017年12月にはビットコインの価格が大きく下落しました。なぜなら、ウクライナのLiquiがハッキングされ、ビットコインが盗まれましたからです。
このように取引所の閉鎖や取引所のハッキングは仮想通貨の価格に大きな影響を与えます。取引所のセキュリティや運営会社の経営状況にも注意しなければなりません。
Liquiは2019年2月に閉鎖されています。
有名人の発言が及ぼす価格への影響
仮想通貨の価格に頻繁に大きな影響を与えているのは、有名な投資家や有力者、金融関係者の発言です。2019年にはアメリカの大手銀行持ち株会社JPモルガンのCEOであるジェイミー・ダイモン氏が「ビットコインは詐欺だ」と発言しました。
この発言はまたたく間に広がり、ビットコインの価格が急落しました。また仮想通貨に対する直接的な発言はありませんが、アメリカの大統領のドナルド・トランプ氏の発言はとても影響力があるので注意しなければなりません。
トランプ氏はドル高を牽制する発言が多く、今後は仮想通貨の価格にも影響を与える発言をする可能性があります。
ちなみに、後日ジェイーミー・ダイモン氏は自身の発言を公開していることを発表しています。
今までのビットコイン (Bitcoin/BTC)の価格急落
Coincheck (コインチェック)の不正流出事件
価格の急落で記憶に新しいのが2018年1月に起きたコインチェックの不正流出事件でしょう。CMまで行っていた大手取引所が起こした事件と言うことで、多くの人が仮想通貨に不安感を覚え、急激に仮想通貨が売られていきました。
その結果、1ヶ月足らずで主要な仮想通貨のほとんどが価格を半分以下まで落とす事態となりました。
アメリカの仮想通貨規制
他にも直近では2018年3月にアメリカの証券取引委員会が、「仮想通貨の取引所は正式なSECに登録しなければならない。」といった警告文を発表し、価格が10%近く下落しました。
下落した原因としては、市場がアメリカが仮想通貨の規制に入ったと認識したからです。今回の警告文は決して規制に関することへの明言ではないため、すぐ価格は戻りましたが、こういった要因でも価格の急落はあり得ます。
「リブラ」巡るFRB議長発言が直撃
2019年7月11日にビットコインの価格が急落しました。
原因は10日にアメリカのパウエルFRB議長がFacebookが発表した仮想通貨のリブラについて「深刻な懸念が対処されるまで前進させるべきではない」と発言したことです。
FacebookはGoogleなどと並んでGAFAと呼ばれるぐらいアメリカの経済に大きな影響がある企業です。10日の朝にFacebookが仮想通貨リブラの発表をしたことで大きな期待を受けていました。
ビットコインの価格は7月10日に1BTC131万円〜143万円に上昇しました。しかし、この発言で7月11日は1BTC143万円〜121万円まで急落しました。
FRBの議長がリブラに対して慎重な発言をしたのは、リブラがプライバシーやマネーロンダリングなどについての対策がまだ整っていないことが原因でした。
仮想通貨の価格急落時の注意点や心構え
ここからは相場が急落したときの注意点や心構えについて解説します。相場が急落したときに一番やってはいけないのが、慌てて取引をすることです。急落が起きたときにこそ、落ち着いて相場を見ることが大事です。
急落時、FXにおけるロスカットや追証
仮想通貨FXの取引はレバレッジが高いため相場が乱高下しているときは、特に注意が必要です。仮想通貨はFXよりも変動が激しく、大きな損失を出すせば強制的にロスカットされるケースも多いです。
追証のある取引所では最悪借金を抱える可能性もあります。日頃から証拠金を大きく超えるロットの注文は避けましょう。
パニック売りは危険
不安が不安を産むバニック売りは大きな損失を出す可能性が高いです。相場が急落すると、焦って保有したポジションを売却したり、新たに売りポジションを持つ人もいます。
しかし、このようなケースでは、大底であることも多いです。明確な戦略がなければ手を出さない方がよいです。ポジションを保有していた場合は、明確な撤退ラインを決めておけば焦らず取引ができます。
ルールを決める
仮想通貨が暴落してもルールさえ決めていれば焦る必要はありません。ルールを決めていれば、精神的に落ち着いたトレードが可能なので、むしろ暴落時に購入し、再度上がりきったところで売却すれば大きな利益が得られます。
仮想通貨の価格が再び上昇する要因とは
では逆に価格が急落した仮想通貨が再び上昇するにはどのような要因が必要なのでしょうか。
仮想通貨に関するポジティブな報道
主な要因として挙げられるのが、仮想通貨についてプラスになるニュースが流れることです。例えばビットコインが大手量販店で決済サービスとして採用された、大手企業と提携したといったニュースが流れると、市場は将来性に期待して仮想通貨を購入し始めます。
ビットコイン (Bitcoin/BTC)の価格急上昇
また、仮想通貨の代表格であるビットコインが急上昇すれば、他のアルトコインもつられて上がるケースが多々あります。それと同様にビットコインが下がれば、他のアルトコインも下がることもあるので、ビットコインの動きが仮想通貨全体の動きを左右すると言ってもいいでしょう。
仮想通貨に大きな値動きはつきもの
仮想通貨の価格急落は特に珍しいことではなく、頻繁に急落が起きます。これは仮想通貨という投資がまだ新しいものであり、多くの不安要素を残しているため、今後の規制などの話題が出ると、市場がすぐに警戒するからです。
1ヶ月の間に数度急落、急騰を起こすこともあり、仮想通貨投資を行う人は値動きが激しいことを覚悟して取引をしなければなりません。
まとめ
仮想通貨は現在注目を浴びている投資ですが、他の投資と比較して非常に値動きが激しいものです。その点をしっかりと理解して投資を行わなければ、いざ投資を始めたとしても損を被ることになります。これから仮想通貨取引を始めようと考えている人は、このことを覚悟して取引に挑むようにすることが大切です。