証拠金維持率とは | 安全圏の目安から計算方法まで徹底解説

1分で理解する要約
  • 証拠金維持率は必要な証拠金に対する口座残高の割合
  • 証拠金維持率が極端に下がるとロスカットされる
  • 取引期間が長いほど高い証拠金維持率がオススメ

どの取引所やFX会社でも、口座画面を開くと「証拠金維持率」という数字が表示されています。

この数字をあまり気にしたことがない方も多いかもしれませんが、証拠金維持率はロスカットを避けるための大事な指針になります。

取引をする上でリスク管理に一役買ってくれる指標なので、ぜひ見方を押さえておきましょう。

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そもそも証拠金とは

証拠金とは差金決済取引を行う際に担保として取引所へ預ける金銭のことです。担保として取引所の口座に預け入れたお金を受入証拠金といい、ポジションを建てるために受入証拠金から拘束される証拠金を必要証拠金といいます。

受入証拠金のうち、必要証拠金や未決済・決済済みの損益を差し引いたものを有効証拠金といい、これはポジションを建てるのに使える余力を示します。

証拠金維持率とは

証拠金維持率とは現在保有しているポジションが口座の残高に対してどれくらいの比率を占めているかを示す数字です。

証拠金維持率をきちんとチェックすることでロスカットや追証を避けることができます。基本的には、証拠金維持率が高い方がレバレッジが低くてリスクを抑えているということになります。

計算方法

正確に表現すると、証拠金維持率は必要な証拠金に対する口座残高の割合です。その計算式はこちらになります。

証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100

※有効証拠金 = 資産合計額 + 評価損益額 - 出金依頼額

例として自分のFXの口座に50万円入金したとします。さらに1ドル=100円のときに1000万円分(10万通貨)の買いを入れたとします。

多くのFX会社のレバレッジは最大25倍のため、1000万円分のポジションを持つのに必要となる証拠金は、1000万円 ÷ 25倍 = 40万円より40万円です。

よって証拠金維持率を計算すると50万円 ÷ 40万円 × 100 = 120%より、120%となります。

証拠金維持率とのレバレッジの関係性

先ほど紹介した証拠金維持率の計算方法は実践だとあまり使う機会がないかもしれませんが、この証拠金維持率とレバレッジの比較は覚えておくとロスカットなどの危険を回避することができます。下の表を見てください。

証拠金維持率とレバレッジ
証拠金維持率レバレッジ
2500%1倍
1250%2倍
500%5倍
250%10倍
100%25倍

基本的にレバレッジが上がるほど証拠金維持率は下がる関係にあります。また、証拠金維持率が100%に達すると新規ポジションを建てることができなくなります。

そして証拠金維持率が100%を下回ると追証が発生し、メールなどでアラートの通知が来ます。さらに50%を下回るとロスカットが発動し自動的にポジションが決済されてしまいます。

このように少ない資金で多くのポジションを持ちすぎるとロスカットされる危険性が高まります。証拠金維持率0%でもロスカットされないiFOREXを使うのも手です。証拠金維持率が下がり過ぎないように気を付けながらポジションを持つようにしましょう。

参考 : ロスカットとは | ロスカットを避ける対策や計算方法・具体例を紹介!

マージンコールとの関係性

マージンコールとは「口座に入っている証拠金の額」を「現在のレートで決済したら確定する損失の額」が大きく上回った際に発動する、証拠金の追加入金を求める警告のことです。

つまり証拠金維持率が大きく下がった際に発動される警告とも言えます。

マージンコールが発動する基準は取引所やFX会社によって異なりますが、多くは証拠金維持率が「50%~70%」を下回るとマージンコールが行われます。

また、マージンコールの制度自体がない取引所やFX会社も存在します。こういったところを使い、通常だとマージンコールに引っかかるラインを超えた取引をすることもできますが、予告なくロスカットが発動しポジションが強制決済されてしまうこともあるので注意が必要です。

とはいえマージンコールはただの警告なので取引を続けることもできますが、マージンコールが発動するということは、ロスカットを食らう危険性が高いということを意味します

そのためマージンコールが出たら、すぐに追加入金するか現在持っているポジションを決済してしまうことをオススメします。

証拠金維持率の安全圏の目安は?

それでは自分がトレードするときにどれほどの証拠金維持率をキープしていれば良いのでしょうか?スタイルごとに見ていきましょう。

短期売買の場合

スキャルピングデイトレードのような短期売買をメインに取引する方は、安全圏の目安は300%以上と言われています。レバレッジで言うと10倍までが目安になります。

短期売買の方が比較的リスクは小さいです。なぜかというと短期の方が動く値幅が小さく、相場のクラッシュの被害にあうリスクが低いからです。また、もしクラッシュを食らったとしてもすぐに損切りができます。

そのため短期売買ならばレバレッジをある程度高く設定しても問題ありません。しかし最大の25倍までレバレッジを上げてしまうと、すぐにロスカットに巻き込まれる危険性が高くなるので、10倍程度に抑えておくのが良いでしょう。

長期売買の場合

スイングトレードやポジショントレードのような長期売買をメインに取引される方は、安全圏は1000%以上と言われています。レバレッジだと2倍くらいが目安になります。

基本的に取引のスパンが長くなるほどリスクは高くなります。相場のクラッシュに巻き込まれる可能性が短期売買の時よりも高く、大きな値動きに直面するかもしれないからです。また長期売買だと1日にチェックする回数も少なく、どうしても損切りが遅くなってしまいます。

長期の運用が目的ならロスカットは最も避けなければならない事態です。そのため長期売買に取り組む方はレバレッジを低く設定することをオススメします。2倍程度のレバレッジならば、どれほど相場が大きく動いてもロスカットされることはほとんどありません。

証拠金維持率を高く保つポイント

証拠金維持率を高く保つには、分子の有効証拠金を大きくする、または分母の必要証拠金を小さくする必要があります。それぞれの施策に共通するのは、保有しているポジションを適切に管理することです。

この章では証拠金維持率を高く保つための4つのポイントをご紹介します。

証拠金維持率を高く保つためのポイント
ポイント1損切りも1つの大事な判断
ポイント2ポジション管理を適切にコントロールする
ポイント3レバレッジ上限を固定できる口座で証拠金維持率の管理をする
ポイント4まずは少額取引からはじめて証拠金維持率を高く保つ

ポイント1 損切りも1つの大事な判断

損切りを適切に行うことで証拠金維持率を高く保つことができます。予想と逆に相場が動いてポジションの損失が膨らんだとき、そのままポジションを持ち続けることで証拠金維持率はどんどん下がっていきます。

ポジションを建てるときに損切りラインをあらかじめ決めておき、そのラインまで相場が動いたら必ず損切り注文を行うようにしましょう。

ポイント2 ポジション管理を適切にコントロールする

証拠金に対してポジションの金額や数をあまり増やしすぎないことも、証拠金維持率を高く保つためのポイントです。なぜなら預け入れた証拠金に対してポジション建てに費やす必要証拠金が大きすぎると、少しの価格変動で証拠金維持率は大きく変動するからです。

ロスカット水準ギリギリではなく、余裕をもった証拠金維持率を保てるようポジションを整理してみましょう。

ポイント3 レバレッジ上限を固定できる口座で証拠金維持率の管理をする

ロスカットされるとしたら相場がいくらになったときなのかを把握しておきましょう。レバレッジ倍率を固定にして、証拠金維持率の計算式に当てはめて計算します。ロスカットされる相場を把握しておくことで損切りしやすくなるでしょう。

ポイント4 まずは少額取引からはじめて証拠金維持率を高く保つ

ポジションを少なく持つと、証拠金維持率を高く保てます。たとえば証拠金を30万入金したとき、3万円分だけポジションをもつといった具合です。

レバレッジ倍率を4倍とすると、ポジションをもったときの証拠金維持率は4000%と非常に高いですし、10%相場が変動したとしても約3600%の証拠金維持率となります。徐々にポジションの金額を増やしていき、バランスのとれたポジションの金額を見つけましょう。

証拠金維持率まとめ

証拠金維持率をよく見ていないと「気づいたら保有していたポジションがロスカットされていた」というケースも起こりえます。

そのため自分の資金やトレードスタイルと上手くバランスをとりながらポジションを持つようにしましょう。

資金のギリギリまで使ってトレードをしたいという方以外はなるべくマージンコールがある取引所やFX会社を使うことをオススメします。

仮想通貨取引においてチャート分析の精度は非常に重要で、将来の値動きの方向性が分かれば取引が成功する可能性は大きく高まります。

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