三菱UFJの仮想通貨・MUFGコインとは?特徴や目的、メリット・デメリットを解説!

1分で理解する要約
  • MUFGコインは三菱UFJ銀行率いる三菱UFJフィナンシャル・グループが開発・実験中の仮想通貨
  • MUFGコインは1コイン約1円
  • マイクロペイメントが活性化するかも?待機資金としての可能性に注目

MUFGコインは、国内メガバンク開発という信頼性と圧倒的な規模で、金融・決済・税・法・IoTからビッグデータ活用まで、各方面へ絶大な影響を及ぼす可能性があり大きく注目されています。

本記事では、そんなMUFGコインの特徴や目的、さらにはメリットやデメリットを紹介します。

MUFGコインの特徴と目的

MUFGコインの最も大きな特徴は、1コインを約1円で安定させる点です。これは利用者が安心してコインを使えるようにするための措置です。流通する通貨の価格が不安定だと誰も利用しないので、貨幣価格の安定性はとても大切です。

MUFGコインはこの信頼性に担保を取ることで、その価値を安定させています。

キャッシュ利用を止め、ATMを減らすことでのコスト削減

ATMの運用には多大なコストがかかります。人件費や設備管理費等、かかる費用を総計すると年間に2兆円にもなります。またボストンコンサルティングの推計によると、日本の現金での決済割合が65%なのに対し、先進国平均は32%との報告があります。

売上から費用を引いたものが利益なので、銀行側は費用を削減することができれば利益を上げることができます。

また現金はモノですが仮想通貨はデータです。現金というモノのデータ化によりATMを減らすことができれば、利益増に繋がるというわけです。さらに日本は、決済率が先進国平均の倍ですので、大幅なコスト削減もできます。

つまり現金利用率削減、ATM削減、銀行のコスト削減に仮想通貨を活用しようというのが、MUFGコイン開発の大きな目的となっていると思われます。

またブロックチェーン技術を利用することでの利便性向上も重なるので、このパラダイムシフトをハンドリングできれば、大きなイニシアチブを持てることは間違いありません。

ビッグデータが生みだされる

MUFGは仮想通貨を通じてビッグデータの取得を狙っています。MUFGコインでは、誰がいつどこでいくら利用したか、利用者の動向をすべて捕捉することができます。

三菱UFJフィナンシャル・グループはその莫大なデータを用いてマーケティングを行うこともできますし、個人の属性とともに情報を販売することもできます。

カラードコイン発行による他業種への波及

MUFGコインは、カラードコインという仮想通貨の取引データの空いたスペースに付加情報を書き込む拡張機能を搭載予定です。

付加情報とは登記情報や著作権、地域通貨IDなどさまざまなアイデアがありますが、具体的なことはまだわかっていません。。

IoT決済

現在はスマートフォンの接触型決済機能を利用して、少額決済を簡単に行うことができます。MUFGコインは、この分野への参入を想定していると考えられます。

2017年10月に「CEATEC JAPAN 2017」で行われたMUFGコインのデモでは、自動販売機でMUFGコインを利用できるというものでした。モノがインターネットに常時接続してサービスを展開することを、「IoT(Internet of Things)」と言いますが、MUFGコインもこの一端を担うことになるでしょう。

マイクロペイメントが活性化する?

MUFGコインで、マイクロペイメントが活発化する可能性があります。マイクロペイメントとは、1円や10円など、少額での決済のことです。

現在クレジットカードなどで少額の決済をすると、手数料が決済金額よりも高くなってしまい現実的ではないという問題がありました。

しかし仮想通貨を使用すれば、小さな額での取引を低い手数料で行うことができます。

MUFGコインがもたらすメリット

MUFGコインがもし普及したら、私たちの生活や社会にどのような影響があるのでしょうか。以下でいくつかのメリットを紹介します。

P2Pネットワーク利用の送金は安くて速い

銀行の手数料は割高で時間帯で値段が違ったり、システム利用ができなかったりします。MUFGコインは、これらをスリムにします。

仮想通貨であるMUFGコインは、P2P (Peer-to-Peer) 送金が行えます。口座から口座へ、現在の銀行のシステムを利用して現金の円を移動させる場合、振込元口座からの振込を中央システムが確認し、振込先へ移動させるという手順になります。

これにより中央システム利用のコストが発生し、手数料は数百円も取られることがあります。しかし仮想通貨であれば、中央システムは存在せずウォレット間での取引となり、コスト減かつスピードアップが図れます。

資産管理の複数アカウント化

MUFGコインでは、目的別に複数の口座開設をすることができるようになることが期待されています。

貯蓄用ウォレット、生活代用ウォレット、投資用ウォレット、趣味用ウォレットと目的別に資産管理をすることで利便性が高まります。

また、夫婦共用のウォレット、友人同士での旅行代積み立てウォレットなど、グループ管理も容易になるはずです。

マネーロンダリング対策に有効

MUFGコインはマネーロンダリング抑制に効果的です。

マネーロンダリング (資金洗浄) は、銀行側のコンプライアンスとして大きな問題ですが、MUFGコインはプライベートチェーンなので全取引の履歴を追跡でき、マネーロンダリングに利用しにくいという社会的メリットがあります。

MUFGコインのデメリット

MUFGコインが普及することで起こりうる問題点を以下にあげました。

確定申告が必要になる場合がある

インパクトが大きいものとして、税申告の必要性です。

MUFGコインは仮想通貨なので、MUFGコインでの決済は確定申告の必要性があります。現在の法制度では、仮想通貨を時間差をもって使用した際の価値の差額は利益とみなされてしまいます。「ほぼ1円」のMUFGコインですが、価格の変動がある以上これは変わりありません。

確定申告はまだまだ個人レベルで行う人は少ないので、MUFGコインの普及がハイスピードだった場合、社会的に大きな混乱が起こる可能性もあります。

ただMUFGコインはかなり大きな規模の流通となるのと、JコインやSコインなど、他のメガバンクも参入をしかけている分野なので、法制度の改正が先にあるかもしれません。

セキュリティ面への課題

MUFGコインを発行・流通していく際に、最もコストのかかる部分となるのがセキュリティ関連事項でしょう。

MUFGは銀行業としてネットバンキングへの詐欺やハッキング対策の経験と実績はありますが、仮想通貨ではこれよりもさらに厳重なセキュリティ技術・設備への投資が必要となります。

他の仮想通貨との互換性はどうなるのか

MUFGコイン普及の最大の課題は、他の仮想通貨とどのような関係性になるのかという点です。

1コイン約1円という超ユニークな特徴を持つMUFGコインは、取引所内の資産保管用通貨として多くの人から利用される可能性があります。MUFGコインの取引所はまだ存在せずどのような形態になるのかが不明なのですが、世界中の取引所でMUFGコインが取引できるようになった場合、爆発的な普及が起こる可能性もあります。

しかしそうなった場合、買いが殺到してMUFGが価格を1円にコントロールすることが困難になってしまいます。

そのため、MUFGコインは多くの取引所でほかの仮想通貨と高い互換性を持つことは難しいとも言えます。

まとめ

本記事ではMUFGコインについて紹介しました。銀行業は国や地方と密接に関係のある業種で、法や税に近いビジネスです。

またメガバンクが圧倒的な信頼性を背景に、円の代替を目的とした仮想通貨を発行するということで、社会に与える影響がとても大きいものになる可能性があります。

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