- リスクオンとリスクオフの違いに気をつけて投資する
- リスクオンでは特定の市場に資金が移動する
- 典型的なリスクオンイベントを押さえて投資する
本記事では投資における「リスクオン」・「リスクオフ」について解説します。
合わせてリスクオンやリスクオフの具体的な違いやそれぞれが発生したときの対応について解説するので、押さえておきましょう。相場の動きを見るうえで重要なポイントです。
リスクオンとは
リスクオンの概要
リスクオンとは、経済の成長や企業の業績拡大への期待が高まったり地政学的リスクが後退したときに、投資家が値上がりを狙って「株式」や「新興国通貨」など値動きの大きい資産を買う動きのことです。
代表的な新興国通貨は以下のとおりになっています。
- オーストラリアドル
- ニュージーランドドル
- イギリスポンド
- カナダドル
- 欧州ユーロ
リスクオフの概要
経済成長や企業の先行き不安が高まったり、地政学的リスクが高まったときに、投資家が株式や新興国通貨など値動きの大きい資産を手放して、比較的安全資産とされている国債などに資金を振り替える動きのことです。
「新興国通貨」や「株」または商品先物市場の「原油」を売って、安定した通貨である「日本円」や「アメリカドル」を買う動きのこともいいます。
リスクオフとリスクオンの違い
リスクオンとは、ハイリスクハイリターンの金融商品に資金が流れる状態を指すのに対して、リスクオフはローリスクローリターンの金融商品に資金が流れる状態を指しています。
全ての相場をこのどちらかに分類することは難しいですが、現在の相場はリスクオンとリスクオフのどちらかの傾向が強いかという情報はトレードに活用することができます。
リスクオンイベントの具体例
2016年11月のドル円相場で発生したいわゆる「トランプ相場」は、リスクオンイベントの具体的な例と言えます。
2016年11月初旬には100円台前半だったドル円は、年末に118円付近まで米ドルの価格が上昇しました。価格が上昇した理由はトランプ氏が大統領に当選したためとされています。
そのため、2016年末に見せたドル高相場はトランプ相場と呼ばれています。大統領が決まったことでアメリカ国内の情勢は安定します。そのためリスクオフ状態となり、円高が進むと言われていました。
しかしドル円はドル高円安相場が加速し、リスクオン状態となりました。
リスクオフイベントの具体例
「地政学なイベント」や「金融危機の観測」、「国内の政治不安」などが典型的なリスクオフイベントといえます。経済成長の妨げとなる出来事はすべてリスクオフイベントです。
ちなみにビットコインはリスクオフで買われるといわれています。ビットコインは世界共通で利用できたりボラティリティが高いことから、リスクオフで買われているのです。
米中貿易摩擦など、世界的に政治不安がある場合には、ビットコインを購入する絶好の機会であるといえるでしょう。
まとめ
トランプ相場のような大統領当選の報道は、典型的なリスクオンイベントであるといえます。世界的には「リスクオフ」になり円高となると予想されていました。しかし実際はリスクオン状態になり、ドル高円安相場となりました。
このような世界的大イベントでも、リスクオン相場とリスクオフ相場のどちらに転ぶかは詳細にはわかりません。そのためエントリーする時は必ず、自身でチャートを詳細に分析することをおすすめします。