酒田五法は江戸時代の米相場で発明された手法
酒田五法はローソク足のパターンから相場の方向性を読み取る手法
酒田五法を使う際には日足が最適
酒田五法とは、日本で誕生したテクニカル分析手法です。江戸時代の米相場を読み解くために開発された手法ですが、現代のチャートにも通じる奥深い技術が込められています。
本記事では酒田五法の読み取り方と実際のトレードでの使い方を解説していきます。
酒田五法の基本情報
ひとこと特徴,日本の江戸時代に開発され、現在も使われる相場分析方法
ジャンル,チャートパターン
難易度,中級テクニカル分析
使うタイミング,常時
主な使い方,5つのチャートパターンを利用する
【酒田五法のポイント】
酒田五法は日本の江戸時代に開発された相場分析方法です。山形県酒田市周辺の大地主だった本田宗久という人物によって考案されました。酒田五法はその名の通り「三山(さんざん)」「三川(さんせん)」「三空(さんくう)」「三兵(さんぺい)」「三法(さんぽう)」という5つのチャートのパターンから構成されています。これらのパターンはより応用的な相場の分析の基本として今でもなお使われているものです。
酒田五法は江戸時代の米相場から生まれた相場分析の手法ですが、人間心理の動きには一定の法則があるはずで、現代の複雑なチャートにも通じる興味深い技術になっています。
勝率を上げるための+α
酒田五法はどの時間足でも使うことができますが、より長い時間足で使う方が精度が高くなります。つまり1分足よりも10分足、10分足よりも1時間足、1時間足よりも8時間足、8時間足よりも日足や週足で使う方がより精度が上がり、勝率も高くなります。
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酒田五法とは
酒田五法は日本の江戸時代に開発された相場分析方法です。山形県酒田市周辺の大地主だった本田宗久という人物によって考案されました。彼はこの酒田五法を用いて江戸時代の米相場で大きな利益を出したそうです。
酒田五法はその名の通り「三山(さんざん)」「三川(さんせん)」「三空(さんくう)」「三兵(さんぺい)」「三法(さんぽう)」という5つのチャートのパターンから構成されています。これらのパターンはより応用的な相場の分析の基本として今でもなお使われているものです。
酒田五法は江戸時代の米相場から生まれた相場分析の手法ですが、現代の複雑なチャートにも通じる興味深い技術になっています。
また、書物が現存していないため未だに様々な解釈がなされている部分がある点も魅力の1つといえます。
三山(さんざん)
三山とは、3回高値の更新に挑戦しても超えることのできなかった高値はもう超えられないだろうという考えに基づいて相場の天井を測る手法です。これには「赤三山」、「三尊天井」、「三段上げ」の3つの解釈があるようです。
赤三山
相場の天井近くにある3本の連続陽線のうち、中央にある2本目の陽線が他の2本よりも上離れているものを赤三山と言います。これはトレンド反転のサインとしてよく活用されます。
三尊天井
相場の天井近くで山が3つできていて、その中の2番目の山が最も高いものを三尊天井と言います。真ん中の山が頭に、両脇の山が肩に見えるので欧米では「ヘッドアンドショルダーズトップ」とも言われています。2つある谷の安値を下抜けたところが売りのポイントとされ、下降トレンドに入って行く可能性が高いとされています。
三段上げ
三段上げとは一定期間の上げ下げの中で、大きな値上がりを見せて天井を打つこと。あるいは、天井を打ったと判断できるほどに大きく値上がった状態のことを言います。これもトレンド転換の予兆と見なされます。
三川(さんせん)
三川とは3本の線が川のように並んでいる状態に注目したものです。「三川明けの明星」、「三川宵の明星」のようなローソク足3本によるボックス圏での転換パターンを指すという説が代表的なものになっています。しかし、三山の反対の状態を示す逆三尊などもこれに含まれるのではないかというような異説も多くあります。
三川明けの明星
「三川明けの明星」とは、長めの陰線が出た後に空(窓)を空けて実体の短い陽線または陰線が出現し、その次に上離れた陽線が1日目の陰線の上半分あたりで引けた形のことを指します。
これは下落局面の相場が明けの明星の部分で売り買いが均衡した状態になり、これ以降上昇局面に転換するサインとして活用されています。
三川宵の明星
「三川宵の明星」とは、長めの陽線が出た後に空(窓)を空けて実体の短い陰線または陽線が出現し、その次に下離れた陰線が1本目の陽線の真ん中あたりで引けたもののことを指します。三川明けの明星の逆の状態を示すものです。
三川宵の明星は上値抵抗感が強く、売りの勢いが強いことを示す材料になります。
三川上放れ二羽鳥
上昇相場において大陽線が生まれた後に、次の線も上離れて始まるものの始値よりも安くなり陰線となり、さらに次の線も上離れて始まるものの2本目の線の安値以下で終わるものを「三川上放れ二羽烏」といいます。こちらも典型的な売り場としてよく現れます。
三空(さんくう)
線と線の間にできる「窓」が3つ続いた状態のことを三空といいます。三空は相場が行き過ぎていて終わりが近いことを指すサインになります。
三空踏み上げ
上昇相場の途中で4本連続して陽線が現れ、その間に三空が出現した状態を三空踏み上げといいます。これは買いが殺到した後の上昇相場の天井が近いことを示しています。酒田五法においては「三空踏み上げに売り向かえ」と言われ、非常に強い売りのサインとされています。
三空叩き込み
三空踏み上げと同様に、長い下落相場の中に三空が出現すると底が近く買い場となる可能性が高いとされています。買い方が追証の発生によって投げ売り状態になっていたのが、大底が見えた後は買い残りが少なくなっているために上値に抵抗がなく大きな上昇を引き起こす元となるのです。
三兵(さんぺい)
三兵とは陽線あるいは陰線が3本並んで同じ方向に階段状になっているものを指します。
赤三兵
陽線が3つ連続したものを赤三兵と呼びます。上値も下値もじわじわと上がっていく状態を指し、上昇傾向の初期段階のサインとされます。ただし、高値圏における赤三兵は上がり過ぎとも捉えられるので天井が近い可能性もあります。そのため赤三兵が有効なのはレンジ相場や下落時であると言えます。
赤三兵先詰り
赤三兵でも売りへの強い抵抗を示す長い上ヒゲが2本目と3本目に付いていると、赤三兵の買いパターンの通りにいかないことを示すサインとなります。これを「赤三兵先詰まり」といいます。
赤三兵思案星
赤三兵であっても3本目の陽線がコマという短い十字架のような線になっている場合は、買いの勢いが衰えていることを示していて、底値圏においても注意が必要です。このようなチャートの形を赤三兵思案星といいます。
三羽鳥
三羽烏は黒三兵ともいい、陰線が3本連続で並んだ形のことをいいます。始値と終値が両方じわじわと下がっている状態は特に下落相場への転換を示す強いサインになります。
坊主三羽
坊主三羽とは三羽烏の中でも、3本の陰線のうち3本とも下影がないものをいいます。通常の三羽烏よりも非常の弱気の相場を示唆すると言われ、さらに大きく下落する可能性が高いです。
同事三羽
同時三羽とは三羽烏の中でも、3本の陰線のうち1本目のローソク足の終値と2本目のローソク足の始値、そして2本目のローソク足の終値と3本目のローソク足の始値が同じ状態のことを指します。これも坊主三羽と同じく強い下落傾向を示すシグナルとなっています。
三法(さんぽう)
三法は酒田五法の中でも最も解釈が難しいとされています。現在代表的な解釈は、「売るべし、買うべし、休むべし」の三法であるというものです。相場がさらなるパワーを溜めている時期は休んで待つのがよいという解釈です。
上げ・下げ三法
上げ三法とは、手前の3つ続いた陰線を超える大きな陽線が出現するとさらなる上昇へ相場が向かうというものです。同様に、下げ三法とは手前の3つ続いた陽線を抜く大きな陽線が出現するとさらなる下落へ相場が向かうというものです。
ただし、三法は手前の大きな陰線または陽線に以下の3つの線のいずれかが含まれていることが条件になります。
三手打ち
三手打ちとは、下落相場において前三本を全て包んで大きく上げた陽線のことをいいます。これが出現するとさらなる下落のサインとして売り増しされることが多いです。
しかし、これが底値圏の持ち合い相場だとこの長い陽線をもって上昇に転じるケースもあるので注意が必要です。
捨て子線
相場の天井圏において上放れ同時線が出た後に大きく窓を開けて陰線が出現した場合、この上放れ同時線を捨て子線といい、暴落のサインとされます。逆に底値圏でこの逆のパターンになった場合は反転のサインとされます。
ただし相場の中間に現れる同時線は捨て子線とはならず、さらなる下落のサインとされます。
寄り切り線
寄切値を最高として、下ヒゲが長い大きな陰線が天井圏で出現した場合には、売りの決定的なサインとされます。ただし、この陰線の高値を超えてしまうとさらなる大きな上昇が続いていくので注意が必要です。逆に底値圏で同様の陽線が出た場合には買いのサインとされます。
酒田五法の使い方
酒田五法を使用する際は日足が最も有効
酒田五法はどの時間足でも使うことができますが、より長い時間足で使う方が精度が高くなります。1分足よりも10分足、10分足よりも1時間足、1時間足よりも8時間足、8時間足よりも日足や週足で使うほうがより精度が上がり勝率が高くなるということです。
その理由は酒田五法が発明された江戸時代の米相場では、1分足や5分足のような短い時間足を見ることがそもそもできないため日足や12時間足を用いて相場を分析していたからです。酒田五法は現代のような短期足で使うためのものではなかったのです。
酒田五法を用いてエントリーする際には、4時間足~週足を用いてのスイングトレードをおすすめします。
酒田五法は現代にも通用する手法
相場は世界中の人々が売買を行うことで形成されており、その値動きには人間の期待や不安、狼狽といった心理状態が反映されています。そのため相場の値動きは人間心理の表れだと捉えることもできます。そしてその人間心理の動きには一定の法則があるはずで、江戸時代の米相場でも現代の相場でもその法則には共通するところがあると考えられます。
しかしこれまで見てきたように酒田五法にはいくつものパターンがあり、一概に酒田五法の勝率がどれほど高いか答えることは難しいです。また、そもそも江戸時代の米相場には現代の相場にはないようなローソク足の並びも存在しました。そのため、酒田五法の中でもどの手法が現代でも使いやすく結果を出せるかを実際の相場で探っていくことが重要なのです。
酒田五法との組み合わせが有効なテクニカル分析
ローソク足
ひとこと特徴,価格を4つの値段で表し、価格推移を表示したもの
ジャンル,チャートパターン
難易度,初級テクニカル分析
使うタイミング,常時
主な使い方,-
【ローソク足のポイント】
ローソク足は、FXのチャートで最もよく使われるチャートで、始値(OPEN)、高値(HIGH)、安値(LOW)、終値(CLOSE)の4本値の値動きを時系列に沿って表示したものです。日本で考案され、ローソクに似た形からその名が付けられていますが、現在では海外でも”キャンドル・チャート(Candle Chart)”の名称でよく知られるポピュラーなチャートです。
ローソク足の描画には、1日や1週間、1ヶ月などの単位期間を定め、単位期間の開始時に付いた値段を「始値」、期間中で最も高い値段を「高値」、最も安い値段を「安値」、最後に付いた値段を「終値」とし、この4種類の値段(四本値)を使用します。
4本値の中でも「終値」は、相場が最終的にたどり着いた価格として最も重要視され、多くのテクニカルチャートが描画に終値を使用します。
ローソク足の1本1本は「足(あし)」と呼ばれることもあり、1日単位のローソク足を「日足(ひあし)」、1週間単位を「週足(しゅうあし)」、1ヶ月単位を「月足(つきあし)」と呼びます。チャート分析では、日足よりも長い期間のローソク足を重視する傾向がありますが、FXでは時間足や分足もよく利用されます。
勝率を上げるための+α
ローソク足は、その形によって投資家の心理を読み取ることができます。様々なパターンのローソク足が存在するので覚えるのは大変ですが、勝率向上につながるので確認しておきましょう。
参考 : ローソク足とは | テクニカル分析の基本を徹底解説
酒田五法のまとめ
酒田五法は江戸時代の日本で開発された手法ですが、現代の相場でも十分使えるテクニカル分析の技術です。
チャートをよく見てみると酒田五法のパターンは頻繁に出現しているので、全てマスターすれば相場の方向性の読みが格段にレベルアップするはずです。ぜひ気になったパターンから覚えてみましょう。
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さらに、ユーザー間のチャットやチャットルームの作成も可能で、全世界で数多くのトレーダーに愛用されています。
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