- トークン管理にコールドウォレットは有効
- TREZORは代表的なコールドウォレット
- 対応コインも多く複数のウォレットと連携可能
仮想通貨はデジタル通貨であるため、従来の法定通貨などと比較した際に、その保管方法がユーザー側の大きな課題の1つでした。コインチェック社の事件からもハッカーの標的は個人のデータが集まる取引所であることが確認できます。しかし、当時のコインチェック社や仮想通貨ユーザーはオンライン上の取引所やウォレットに自身のトークンを保管していました。
この一件以来、日本でもトークンをオフラインで管理する流れが主導し始めました。そこで、オフラインで管理できるハードウェアウォレットTREZORの需要は高まってきています。
TREZOR (トレザー) とは?
カラー | ブラック、グレー、ホワイト |
重量 | 14g |
商品サイズ (幅×高さ) | 6×30mm |
対応OS | Windows、OS X (Mac OS)、Linux |
対応通貨数 (2019年3月現在) | 1071 |
TREZORは、コールドウォレットとして機能し、トークンをオンラインから切り離したオフラインで管理ができるため、セキュリティコードの漏れやTREZORの端末自体を紛失しなければ、オンライン上で保管していた時よりもより安全にトークンを保管できます。
また、TREZORは多くあるコールドウォレットの中で、機能的で安全という特徴を有しているので、人気の高いものになっています。
代表的なコールドウォレット
TREZORは、コールドウォレットの中で代表的な位置づけにあります。
コールドウォレットとは、オンライン環境から完全に切り離されたウォレットの総称で、オフライン下で保管するため不正アクセスのリスクを大幅に軽減します。物理的に保管できるメリットはあるものの、取引などには不向きなため、保管としてコールドウォレットを利用し使用時にはホットウォレットを使用するケースが多いです。
TREZOR (トレザー) の対応通貨
TREZORは対応通貨の豊富さで知られていますが、2019年3月現在で1071コイン/トークンに対応しており、ビットコイン、イーサリアム、リップルなどの一般的な仮想通貨の他、THETA、Auroraなどマイナーなレアコイン/トークンも利用することができます。
また、モナコインなど日本発のコインにも対応しています。TREZORが対応する具体的な通貨は、以下の公式HPで確認することができます。
TREZOR 公式サイト はこちら
TREZOR (トレザー)のメリット
TREZORが代表的なコールドウォレットとしてユーザーから高い支持を集めているのには、TREZORが持ついくつかの特徴を有しているからです。他のコールドウォレットにはない魅力的な特徴がTREZORを活用する大きなメリットにもなります。
しかし、TREZORも1つで完璧な仕事を果たすことはなく数点のデメリットも有しています。
メリット1 | コインを厳重に管理可能
TREZORは、コールドウォレットの特徴の1つである、保有するトークンを厳重に管理することが可能です。TREZORの端末自体が盗まれ、なおかつPINコードと呼ばれる10桁の暗証番号の紛失がなされない限り、第3者がTREZORに保管されているトークンを操作することはできません。
PINコードは、「キーロガー」と呼ばれるハッカーが使うハッキングツールの使用で流出するケースはありますが、TREZORのPINコードの管理システムはそれを防ぐことができます。
具体的には、TREZORには縦3横3の9マスの数字をPINコード入力の際に使用し、デバイスの数字の配置に合致するように入力しなければなりません。さらに、デバイスに表示される数字の配列をシャッフルすることができるので、PINコードの流出が起きてもアクセスされる危険性を軽減してます。
メリット2 | 手軽に持ち運べる
TREZORは、コールドウォレットなので、サイズはUSBメモリ程度です。よって手軽に持ち運ぶことが可能です。
メリット3 | 様々なウォレットと連携可能
TREZORを使用する大きなメリットに、TREZORは様々な形態のウォレットとの連携が可能になっているため、利便性に優れているという側面を有しています。具体的には、イーサリアム+ERC20に対応した代表的なウォレットであるMyEtherWalletやBestMobileApp賞を受賞したMycelium、XEMに対応しているNano Walletなどとの連携が可能です。
その他にも、ArcBit、Electrum、Electrum-DASH、Electrum-LTC、Etherwallなどの、デスクトップウォレットやiOSウォレットとの連携も可能で、TREZORが提供するWebウォレットであるTREZOR Walletとの連携も当然可能となっています。
連携したウォレットからは、残高の確認、送金や受取などの操作が可能です。
メリット4 | 複数アカウントの管理が容易
TREZORでは、複数のアカウントを容易に管理することができます。具体的には、通貨ごとに10種類のアカウントの作成が可能で、例外としてイーサリアムの場合は10種類のアカウントは作成できません。
メリット5 | 対応コインの種類が多い
TREZORでは、様々なウォレットとの連携だけでなく、対応しているコインの種類が豊富なこともメリットです。対応しているコインは、BTC、ETHなどの主要通貨から、BCH、LTC、DASH、ETCさらにはコールドウォレットでは貴重なXEMにも対応しています。また、XRPに関して準備中ですが、XRPにも対応するようになればさらに需要は高まることが予想されます。
TREZOR 公式サイト はこちら
TREZOR (トレザー)のデメリット
TREZORで、事足りるならば他のコールドウォレットに需要は分散されません。TREZORにもいくつかのデメリットが存在します。
デメリット1 | 在庫が少なく、入手困難である
TREZORは、在庫が少なく入手が困難となっています。正規店や公式サイトからの購入が難しいからといって、メルカリや中古販売サイトで購入を検討している人は注意が必要なので、正規ルートでの購入が望ましいです。
デメリット2 | 比較的高価である
TREZORは、他のコールドウォレットと比較すると少し高価です。TREZORの値段は海外から直接であれば、送料を含めて15000円前後します。
LedgerNanoSは、端末価格のみではTREZORより10ユーロ(2018年8月日本円で約1300円前後)ほど安いことが確認できます。しかし、資産を安全に管理するためのツールとして多少高価なのは致し方ないでしょう。
デメリット3 | コインの引き出しに手間がかかる
TREZORはコールドウォレットなので、他のウェブウォレットなどと連携させておいても送金の際に時間がかかったり送金の作業が手間となってしまいます。ウェブウォレットではスマホから直接決済に利用でき手間がかかりませんが、やはり安全を1番に考えるならばコールドウォレットの使用が妥当でしょう。
TREZOR (トレザー) の購入方法・注意点
TREZORは、トークンホルダーならば持っておきたいコールドウォレットです。具体的な購入方法に加え、購入の際に注意すべきことがあります。
公式サイトで購入がおすすめ
TREZORの購入には、公式サイトからの購入がおすすめです。
TREZOR購入 公式サイト はこちら
公式サイトにアクセスしたら、希望するタイプのTREZORを選んで「Add to Cart」を選択します。なお、タイプは、2018年に新発売されたタッチパネルでタイプCケーブルのTREZOR ModelTと従来のTREZOR ONEを選択できます。TREZOR ModelTでは対応コインが豊富で、今後はXRPやLISKに対応します。
タイプを決め、「Add to Cart」を選択したら数量を決める画面に移るので、購入数量を入力し「Proceed to checkout」を選択します。
「Proceed to checkout」を選択すると、「Please select your location」という画面に切り替わるので、「JAPAN」を選択し、「COMFIRM COUNTRY」を選択します。
「COMFIRM COUNTRY」を選択すると「Forget something」という画面になるので、追加の付属品の購入がない場合は「Continue」を選択します。
「Continue」を選択すると、左側に「DHL shipping」と書かれた画面になるので、問題なければ下部の「Continue」を選択をします。
すると、届け先を入力する画面になります。
配送情報の入力が完了したら、その下に支払い方法の選択があるので、そこでクレジット決済かビットコイン決済かを選択します。そして3つの注意書きにチェックを入れ、右下の「Play with」から始まる緑のアイコンを選択します。
選択したお支払い方法で必要事項を入力し購入手続きは完了で、完了のメールが届きます。
中古品でないか、販売元は信頼できるかを確認
公式サイト以外からの購入を考えてみえる方もいるでしょう。しかし、中古品の購入ではウォレットの中身に細工が施されている可能性がありトークンを安全に保管できない場合があります。また、amazonをはじめとする海外通販サイトでは配送元が信頼できない可能性もあるので、新品かつ公式サイトが販売しているウォレットを購入することが望ましいです。
TREZOR (トレザー) の初期設定方法
トークンを安全に保管するためにTREZORを購入したならば、まずは初期設定をする必要があります。
アプリをインストール
専用アプリをダウンロードします。下記にダウンロードリンクを掲載しておくのでそちらからアクセスして、ダウンロードします。アプリをダウンロードしたら、TREZORをPCに繋ぎ、TREZORの名前を入力します。
付属品に不備がないか確認する
TREZORを購入後、品物が届いたら箱や本体の状態を確認しましょう。大切な資産を預けるウォレットのため、もし不備などがあれば販売元に問い合わせて新しい物に交換してもらうことをオススメします。
TREZORを開封する際、上部に貼られたホログラムシートの確認も重要なステップになります。このホログラムシートは、TREZORが開封されていないことを証明するものです。もしこのホログラムシートに不備がある場合には、誰かに開封された可能性があるため、利用を控えましょう。
開封後は、念のため本体、USBケーブルなどの付属物に不備がないことも確認しましょう。
必要なものを用意する
TREZORを開封し、本体および備品に不備がないことが確認できたら、初期設定で必要になるものを準備しましょう。
準備が必要なものは、パソコン、TREZOR本体、付属USBケーブル、リカバリーシードカード、筆記用部です。ノートパソコンを利用する場合には、途中で電池切れとならないよう、充電がしっかりできている状態か、電源のある環境で作業を行いましょう。
TREZOR (トレザー) の初期設定の手順
ひと通り必要なものが揃ったら、初期設定にうつりましょう。
TREZOR Bridgeをインストールする
付属のUSBケーブルでTREZOR本体と操作用パソコンを繋ぎます。パソコンがTREZORの接続を確認すると、「Welcome! Please visit trezor.io/start」のメッセージが画面に表示されます。
次に、画面の指示に従い、「TREZOR.IO/START」をクリックします。
移動先のサイトでウォレット管理用ブラウザである「TREZOR Bridge」をインストールします。
サイトの左側にある「Trezor One」を選択すると「Before you start」というポップアップが表示されます。
このポップアップのタイミングで動画が表示されます。この動画と、先ほどのホログラムシートの内容を比較し、間違いがないことを確認します。特に相違点がなければ「Continue to wallet」で次のステップに進みます。
次の画面ではTrezor Bridgeのインストールを行います。OSを選択するプルダウンがあるので、操作パソコンに対応するOSを選び、「Download latest Bridge」をクリックします。
インストーラーのダウンロードが終わったら、インストーラーを実行することで「TREZOR Bridge」のインストールが完了します。
TREZORのファームウェアをインストールする。
次にTREZORのファームウェアをインストールします。TREZORのサイトの「Install firmware」をクリックすると、トレザー本体内のファームウェアがインストールされます。
正しくインストールされると、TREZORのサイトに「Please reconnect TREZOR to continue」が表示され、トレザー本体の画面に「You may now unplug your TREZOR」と表示されます。
表示に従い、TREZOR本体をパソコンから一旦抜いたあとで再度接続します。
ファームウェアが正しくインストールされていれば、この画面が表示されます。
ウォレットを作成する
次にウォレットを作成します。ウォレットを新規作成する場合、TREZORサイトの左側の「Create a new wallet」を選びます。既にLedger Nanoを持っており、ペアリングして利用する場合には、「Recover wallet」を選びます。
ウォレットが正しく作成されると、次の画面が表示されます。「Continue to the wallet」をクリックすれば、ウォレットの作成操作が完了することができます。
TREZOR (トレザー)の操作と英語の意味
続いてTREZORの操作方法を説明します。まず付属USBケーブルでTREZOR本体とパソコンを接続します。TREZOR本体の画面に表示される指示に従って左右の2つのボタンで操作を行います。
操作の途中で必要となるPINコード、リカバリーシードはTREZOR本体に表示されます。
なお、TREZOR本体の表示は英語で、以下の意味の指示が表示されます。
- 「Abort」=中止する
- 「Confirm」=確認する
- 「Cancel」=キャンセルする
- 「Continue」=続ける
- 「Next」=次へ進む
- 「Finish」=終了する
- 「QRcode」=QRコードを表示する
TREZOR (トレザー) の使い方
TREZORの設定まで完了したらあとは、TREZORを使用して安全な資産管理を行うだけです。
取引所からTREZORに入金する
例として、bitflyerからBTCを入金法をみていきます。
まず、TREZORの管理画面の左上に表示されている仮想通貨の中からBTCを選択します。
選択すると、TREZORの端末に「QRコード」と「Continue」を選択できるようになります。
「QRコード」を選択すると以下の画像のように「QRコード」がTREZORの端末に表示されます。
「Countine」を選択すると、PC上にBTCの受信アドレスが表示されます。
あとは、bitfryerからBTC出金を選択し、表示されているQRコードもしくはBTCアドレス宛てにBTCを送金します。TREZORの管理画面に送金したBTCの数量が反映されれば、TREZORへのBTCの入金は完了です。
TREZORと他のウォレットを連携させる
TREZORは、対応している他のウォレットと連携可能です。例として、MyEtherWalletとの連携の手順をみていきます。
まずはTREZORにログインします。ログインしたら管理画面左上のコイン名が書かれているすぐ横の「▽」のアイコンを選択します。すると対応コインを一覧で選択できる画面が出てくるので、そこで「Ethereum(ETH)」を選択します。
「Ethereum(ETH)」を選択すると、「Go to MyEtherWallet」という緑のアイコンが下部に出現する画面になるので、「Go to MyEtherWallet」を選択します。
MyEtherWalletの画面に移行したら「お財布情報を見る」を選択し、画面左に「どの方法でお財布を操作しますか?」とウォレットをチェックする場所に、「TREZOR」にチェックを入れて「TREZORに接続」を選択します。
「TREZORに接続」を選択したら、「Export」を選択します。
「Export」を選択すると、「HD derivation pathを選択する」という画面になるので、左上のチェックが入っているところに「m/44’/60’/0’/0」と設定されていることを確認し、画面左下の「自分のアドレス」に並んでる5個のアドレスを確認します。TREZOR1個にMyEtherWalletの5アドレスが用意されており、全て使えます。操作したいアドレスにチェックを入れ、「お財布をアンロック」を選択します。
これで、MyEtherWalletとの連携は完了です。
TREZOR (トレザー) のファームウェアのアップデート
TREZORを利用する際の注意点として、使用中のファームウェアが常に最新かどうかを確認しながら利用する必要があります。TREZORは、仮想通貨という資産を管理するためのハードウェアですが、その操作やパスワードの管理はTREZOR内のファームウェアが制御を行います。
当然ハッカーはTREZORのファームウェアにバグやセキュリティホールがないか常に分析し、何かあればハッキングを仕掛けてくることになります。ハッキングのリスクを極力抑えるために、常に最新のファームウェアにアップデートするよう心がけましょう。
TREZOR (トレザー) を安全に使うために
TREZORを安全に利用するためにもう一つの注意点として、操作パソコンのセキュリティ対策があります。資産自体はハードウォレットであるTREZOR内で安全に管理することができますが、TREZOR内の資産を利用する場合にはパソコンを介してインターネットと接続する必要があります。
仮にパソコンのセキュリティがしっかり対策されていない場合には、資産を送金する際のあて先アドレスを不正に書き換えられ、追跡できない場所に資産を送金するような事態にもなり兼ねません。
大切な資産を守るために、TREZORだけでなく操作用のパソコンについても、ウイルスソフトをインストールする必要があります。またウイルスソフトのアップデートも頻繁に確認し、常に最新版がインストールされている状態にするよう心がけましょう。
TREZOR (トレザー) のバックアップ作成方法
リカバリーコードを書き留める
TREZORの初期設定が完了するとこの画面が表示されます。
TREZORのバックアップを作成するためには、画面右の「Create a backup in 3 minutes」を選択します。
警告画面が現れ、以下の内容が表示されます。
- リカバリーシードは1度だけ表示される
- リカバリーシードのデジタルコピーやオンラインへのアップロードは禁止
- リカバリーシードの安全な保管
- 上記に従わない場合の免責規定
以上のような内容を確認したら、同意確認にチェックを入れ、「Continue」を選択して次に進みます。
画面に「Write down your recovery seed」と表示され、TREZOR本体にリカバリーシードが表示されます。リカバリーシードは24個の単語となっており、1単語ずつ表示されるため、順番に各単語を間違いなく紙に書き留めます。
リカバリーシードの書き留めには、TREZOR購入時に付属されるリカバリーシードカードを利用しましょう。
TREZORの名前を設定する
次にTREZORの名前を設定します。リカバリーシードのバックアップ操作が終わった画面に、TREZORに名前を設定することで他人のTREZORと区別でき、セキュリティ上メリットがある旨が表示されます。この画面で「Continue」を選ぶと、名前を設定する画面に映ります。
名前を入力する部分があるので、他人と重複しないようなものを選び入力し、「Confirm to continue」をクリックします。
TREZOR本体に名前変更の反映を問うメッセージが表示されるので、「Confirm」を選択することでTREZOR本体への名前の設定が完了します。
PINコードを設定する
TREZOR本体に新しいPINコードの設定確認が表示されるため、「Confirm」を選択します。すると、このような画面が表示されます。パソコン上の画面とTREZOR本体の画面それぞれにコード入力用の9マスが表示されます。
TREZOR本体側には、この9マスそれぞれに1から9までの番号が振られているので、この番号を選んでPICコードを設定します。PINコードは最大で9桁までの数字を設定することが出来ます。
PINコードを設定したら「Enter PIN」で番号を登録することができます。
入金の前にリカバリーシードを確認する
TREZORに入金を行う前に、先ほどバックアップしたリカバリーシードが正しくメモをとれていたかを確認します。
TREZOR Bridgeのサイト左側で自分が設定したウォレットの名前を選択します。
次に右上の「Advanced」を選択します。
そして「Check recovery seed」を選択します。
するとTREZOR本体に「Please enter the XXth word of your mnenmonic」と表示されるので、リカバリーシードのXX番目の単語をパソコン画面上で入力します。
入力が終わると、TREZOR本体に次の番号が表示されるため、それに従い24個全ての単語をパソコン画面上で入力します。
全ての単語が正しく入力されると、TREZOR本体に「The seed is valid and MATCHES the one in the device」と表示されます。「Confirm」ボタンを押して完了となります。
TREZOR (トレザー)でビットコイン (Bitcoin/BTC) を受信する
TREZORでビットコインを受信する方法を見ていきます。
TREZOR Bridgeの画面左上の通貨種別で「Bitcoin (BTC)」を選びます。次に画面中央上部の「Receive」を選択します。
次の画面の「Show full address」をクリックすると、ビットコインのアドレスが表示されます。このアドレスとTREZORの本体に表示されるアドレスが同一であるかを確認し、正しければTREZOR本体で「Continue」を選択します。
パソコン側の画面に、アドレスを示すQRコードが表示されます。送金元のウォレットでこのQRコードを読み取るか、アドレスを入力することで、TREZORへの入金を行うことができます。
なお、ビットコイン系の通貨であるBCH、LTCなどは上記と同様の方法で受信を行うことができます。
TREZOR (トレザー)でビットコイン (Bitcoin/BTC) を送金する
次は、TREZORでビットコインを送金する方法を見ていきます。
先ほど同様、TREZOR Bridgeの画面で通貨を「Bitcoin (BTC)」とし、画面中央の「Send」を選択します。するとこのような画面が表示されるので、送金用アドレスと送金額を入力し、送金手数料を設定します。
画面右下の「Add recipient」を選択すると、複数のアドレスに送金することができます。
全ての項目を入力すると、画面下に「Expected confirmation time」と「Fee」が表示されるのでこれを確認し、「Send」を選択します。
次にPINコードを入力します。TREZOR本体に9マスの数字が表示されるので、これに従いPINコードを入力します。
送金先アドレスを再度確認した後、TREZOR本体で送金実施を確認して送金を完了することができます。
TREZOR (トレザー) でライトコイン (LTC/Litecoin) を送受金するときの注意点
ライトコイン (LTC/Litecoin) のアドレスの違いと対応アドレス
ライトコインのアドレスは以下の3種類あります。
①先頭文字が3のアドレス
②先頭文字がMのアドレス
③先頭文字がLのアドレス
TREZORが対応しているのは、②と③のアドレスです。このため1のアドレスとの送受金を行う場合は、アドレスの変換が必要になります。
ライトコイン (LTC/Litecoin) のアドレスを変換する
ライトコインのアドレス変換には、「P2SH Converter」と呼ばれるソフトを利用することができます。このソフトはTREZOR公式のブログでも紹介されているなど安心して利用可能です。
「P2SH Converter」はシンプルなソフトで、変換したいアドレスを入力し、「Convert」ボタンを押すと、変換後のアドレスが表示されます。このアドレスをコピーして送受金を行うことができます。
Lで始まるアドレスはLegacyアカウントで送受金する
Lで始まるアドレスで送受金を行う場合、Legacyアカウントを使用します。TREZOR Bridgeの左中央の「Legacy account」を選択します。
そして先ほど同様画面上部の「Receive」または「Send」を選択し、必要な操作を行うことで送受金ができます。
TREZOR (トレザー)でイーサリアム (ETH/Ethereum) を送受金する
ビットコイン系の通貨はTREZORだけで管理と送受金を行うことができますが、イーサリアム、ERC20系トークン、ネム、などの通貨はTREZORだけで管理・送受金を行うことができません。
これらの通貨を扱うためには、他のウォレットも利用し、連携して操作を行う必要があります。詳しくは、「TREZORと他のウォレットを連携させる」の部分に記載しています。
TREZOR (トレザー)のその他の便利な機能
TREZOR Bridgeを日本語化する
TREZOR Bridgeの表記は通常英語ですが、これを日本語化することができます。画面右上の「English」のところをクリックすると、日本語含むその他の言語を選択することができます。
TREZOR (トレザー) の各種設定項目
デバイスの基本設定
TREZOR Bridge画面の「Basic」タブを選択することで、「Label」と「PIN protection」とを設定できます。
「Label」では、TREZOR本体に設定した名前を編集することができます。
一方「PIN protection」では、PINコードを変更することができます。
ホーム画面の設定
TREZOR Bridge画面の「Homescreen」タブを選択することで、「Custom Image」と「Garallery selection」を設定することができます。
「Custom Image」では、TREZOR本体の画面に表示する画像を設定することができます。
「Garallery selection」では、TREZOR本体の画面に表示する画像をギャラリーの中から選択できます。
高度な設定
TREZOR Bridge画面の「Advanced」タブを選択することで、高度な設定として以下3つを設定することができます。
Disable PIN | PINCコードの入力有無を設定することができます。 |
Check recovery seed | リカバリーシードの単語列を確認することができます。 |
Wipe device | デバイスの消去を行います。 |
アプリの設定
TREZOR Bridgeの画面左の「Wallet settings」を選択することで、アプリケーションの設定を編集することができます。
「Select currency to display」では、表示する法定通貨を変更することができ、「Select wallet currency」では、TREZORの通貨バックエンドを変更することができます。
TREZOR (トレザー) をPCから外すときの注意点
TREZOR本体をPCから外すときの注意点として、PCとの関連付けを維持する場合と解除する場合でそれぞれ説明します。
TREZOR (トレザー)とPCの関連付けを維持する
PCからTREZOR本体を外すと、「Forget “XX TREZOR?”(XXは名前)」が表示されます。ここで「Remember device」を選択すると、TREZOR本体とPCの関連付けを維持したままTREZOR本体を外すことができます。
なおこの画面のまま10秒経過すると、自動的に関連付けが解除されてしまうので注意しましょう。
TREZOR (トレザー)とPCの関連付けを解除する
「Forget “XX TREZOR?”(XXは名前)」が表示され、「Forget」を選ぶか、10秒経過するとPCとTREZOR本体の関連付けが解除されます。関連付けが解除されると、TREZOR本体に関する全てのデータがPCから削除されてしまうので注意しましょう。
自分のPCとTREZORを接続している場合には、関連付けを解除する必要はありませんが、ネットカフェなど、他人も利用するPCを利用する場合には必ず関連付けを解除しましょう。
TREZOR (トレザー) に不具合が起こったとき
TREZOR本体に不具合が生じた場合に確認すべき内容について説明していきます。
まずはUSBを確認してみてください。TREZOR購入時に付属されているものではなく、他の製品のUSBを利用するとうまく繋がらない場合もあるので、必ず付属のUSBを利用しましょう。
次に、パソコン側のソフトが最新状態になっているか確認しましょう。パソコン側のソフトに不具合が見つかった場合など、いち早く最新版にアップデートすることで、TREZOR本体の問題とパソコン側ソフトの問題を切り分けることができます。
また、パソコンをTREZOR以外の目的で利用していないかを確認しましょう。例えばゲームや動画編集ソフトなどパソコン側で重い処理を行っていると、TREZORとうまく接続できないことがあります。
そのほかには、パソコン内のウイルスソフトが原因でTREZORとの接続がうまくいかない場合もあります。ウイルスソフトを最新版にアップデートするか、それでもダメな場合は別のウイルスソフトを利用するなどが必要となります。
TREZOR (トレザー) のシステムステータスの確認
上記全てを試してもTREZORと接続がうまくいかない場合には、インターネット上にあるTREZORのサーバーやシステムの不具合についても確認してみましょう。TREZORのサーバーやシステムの状況は、以下のサイトから確認することができます。
TREZOR 公式サイト はこちら
もしこのサイトで不具合が確認できた時は、システムが回復するまでTREZORの利用を控えましょう。
なおLedgerNanoSと同期していれば、LedgerNanoSを利用して送受金を行うことができます。
まとめ
トークンの管理のコールドウォレットにTREZORがあれば、安全に複数のウォレットと連携しながら管理することができます。多少高価ですが、大事な資産を守ってくれるツールとしては安いと感じるはずです。手軽に持ち運べる分、紛失しやすいものでもあるので、端末の管理は個人で厳重にしておく必要がありそうです。