リップル (XRP) のウォレットとは
リップル (XRP) のウォレットとは、リップルの秘密鍵を保管するシステムのことです。
仮想通貨は公開鍵暗号方式を採用しており、送受金時に共有する「公開鍵」と、自分で管理する「秘密鍵」を合わせて初めて仮想通貨にアクセスすることができます。
ウォレットはこの内の秘密鍵を更に暗号化して保管することによって、第三者が不正に仮想通貨にアクセスすることを防いでいます。
リップル (XRP) のウォレットの種類
リップル (XRP) のウォレットは、インターネット接続の有無によって2つ、そして使用する端末によって更に5つに分けることができます。インターネットに接続して仮想通貨を保管するのは「ホットウォレット」オフラインで保管するのが「コールドウォレット」です。
ホットウォレットはオンラインで通貨を管理するため、ウォレットからの操作で取引や決済を行うことができる点が魅力です。一方、コールドウォレットはインターネットから遮断して管理するため、ハッキングの心配がありません。
ホットウォレットは更に「ウェブウォレット」「デスクトップウォレット」「モバイルウォレット」に、コールドウォレットは「ハードウェアウォレット」「ペーパーウォレット」に分けることができます。
以下では、それぞれのウォレットの詳細と、具体的な商品を解説していきます。
ホットウォレット
ホットウォレットは、前述の通りインターネットに接続した状態でリップルを保管するウォレットです。使用する媒体によって「ウェブウォレット」「デスクトップウォレット」「モバイルウォレット」の3つに分かれます。
ホットウォレットのメリットは「利便性」であり、長期保有のためにより強固なセキュリティを求める方はコールドウォレットをおすすめします。また、ホットウォレットは無料で作成できるのもポイントです。使用時に手数料はかかりますのでご注意ください。
ウェブウォレット
ウェブウォレットは、ウェブサイト上でリップルを保管できるサービスです。取引所で作成できるウォレットも広義のウェブウォレットに含まれます。ブラウザ上で仮想通貨を管理できるため、ECサイトや取引所などと同期して、決済や取引を迅速にすることができます。
ウェブウォレットの中にはChrome拡張で使用できるものもあり、登録さえしておけばわざわざウォレットのサイトを開かなくても特定のサイトで決済画面に行くと自動的に同期が可能です。
Gatehub
Gatehubは、リップルを保管することができるウェブウォレットです。Gatehubの運営者は取引所も運営していますが、通常の取引所ウォレットとは異なり、自分で秘密鍵を管理できる「クライアント型」のウェブウォレットを提供しています。秘密鍵を自分で管理することでハッキングのリスクなどをある程度軽減でき、安全性に優れています。
また、GatehubウォレットはGatehubの取引所に直接繋がっているため、いつでも即座に取引を行うことができます。安全性と利便性のバランスが取れているウォレットといえるでしょう。
デスクトップウォレット
デスクトップウォレットは、別名「ソフトウェアウォレット」とも呼ばれるウォレットで、PCに専用のソフトウェアをインストールすることで使用できます。デスクトップウォレットの一番の利点は、「オフラインでも通貨を管理できること」です。ウェブウォレットは常時オンラインのサーバーで管理されているため、ウェブウォレットよりも安全性が高く管理可能です。一方で、リカバリーフレーズなどをしっかりと保管しておかないと、PCの故障などで仮想通貨を紛失してしまうので注意が必要です。
Ripple-client-desktop
Ripple-client-desktopは、有志の開発者によって作成されたデスクトップウォレットです。
仮想通貨のオフライン管理が可能で、ペーパーウォレットの作成も行えます。現在は開発が中断しており、不具合が出た場合のカスタマーサービス等もありません。以前はリップル公式が別のデスクトップウォレットを開発していましたが、現在はサービスを終了してしまっています。
モバイルウォレット
モバイルウォレットは、スマートフォンにアプリをインストールして使用するウォレットです。店舗決済や出先での取引に使うことができる、非常に利便性の高いウォレットです。直感的で使いやすいUIをしているものが多く、初心者の方でも簡単に扱うことが可能です。モバイルウォレットはアプリによって特徴や機能が大きく変わってくるので、自分にあったものを選ぶことが大切です。
Xumm (サム)
Xummはリップル公式が支援する、「XRPL Labs」が開発しているモバイルウォレットです。リップルのベースである「XRP Ledger」を用いて開発されており、従来の仮想通貨ウォレットとは違った、個人銀行のように使える機能が豊富に搭載されています。
たとえばXRP Ledgerの分散型取引機能を活用して、アメリカドルやユーロなどの法定通貨も保管可能です。また法定通貨に裏付けされた「Issued Currencies」と呼ばれる通貨は、外部のさまざまな資産をアカウントへ追加できます。
Xummのアプリケーションで保管したリップルは、Xummが管理するのでは無く、XRP Ledger (ビットコインでいうブロックチェーン) 上に保管されます。そのため、Xummのサーバーがハッキングされたとしても私達の資産が失われることはありませんから、自分の秘密鍵さえ流出しなければ安全に管理ができます。
Ginco (ギンコ)
Gincoは、高いセキュリティ水準と使いやすいUIで人気を博しているモバイルウォレットです。日本の企業が開発・運営を行っているウォレットであるため、アプリやカスタマーサービスが日本語に対応しているのが強みです。国産のウォレットとしては多めな最大16種類の通貨に対応しています。
コールドウォレット
コールドウォレットは、仮想通貨を完全にインターネットから遮断して保管する方法です。仮想通貨投資の際に一番のネックとなる「ハッキング」の被害を最小限にできることから、大量の仮想通貨を長期的に保管する「ガチホ」をする方に人気のウォレットです。
コールドウォレットは、専用の端末に仮想通貨を保管する「ハードウェアウォレット」と、紙に公開鍵と秘密鍵のペアを印刷する「ペーパーウォレット」の2種類が存在します。
ペーパーウォレット
ペーパーウォレットは、紙に公開鍵と秘密鍵のペアを印刷することで仮想通貨を管理するウォレットです。作成が無料かつ非常にかんたんで、ハッキングのリスクがほぼ0ですので、お金と手間をかけずに仮想通貨を安全に管理したい、という方にはうってつけのウォレットです。もちろん、ウォレットを紛失すると二度と仮想通貨を取り出すことはできません。また、インクや紙の経年劣化にも注意が必要です。
bithomp
bithompは、リップルのペーパーウォレットを作成できるサイトです。bithompのホームページの「Wallet」と書かれたボタンを押すと、ダウンロードページに移動できます。ダウンロードすると、ダウンロードしたフォルダにindexと書かれたHTMLファイルが入っています。
オンラインでウォレットを作ることに抵抗がある方は、HTMLファイルを開いた後、オフラインにして「Generate New」というボタンを押してください。そうすればオフライン下で作成されたウォレットアドレスが表示されます。bithompは非常にデザインがスタイリッシュで、折りたたむことでギフトカードのように使うことができます。
ハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットは、専用の端末に秘密鍵を保管できるウォレットです。インターネットから遮断されているので、基本的にハッキングの心配はありません。しかし、PCに接続して使う物が多いため、入出金の際はオフラインにして、ウイルス等に感染していないことを確かめて使用しましょう。
ハードウォレットが出現し始めた頃はPCにつなげて入出金をする機能しかありませんでしたが、今はBluetoothでスマートフォンやApplewatchと接続したり、ハードウェアウォレット自体がオフライン専用のモバイル端末になって、スマホのような操作が可能な便利なものも増えています。
Ledger Nano S (レジャーナノS)
Ledger Nano Sは、ハードウェアウォレットの世界トップシェアを誇る「Ledger社」が開発しているウォレットです。専用のスマホアプリも存在し、Bluetoothで接続が可能です。USB型で持ち運びも簡単ですので、外出先でもハードウェアウォレットから送受金をすることができます。
1,100種類の仮想通貨・トークンに対応していることも大きな強みで、今後アップデートで随時増えていくことが公言されています。いわゆる草コインなどを長期保有する場合にも非常に便利なウォレットです。
このウォレットに限らず、ハードウェアウォレットは中古品などを購入することはおすすめしません。悪意を持って初期設定が既にされている場合は、仮想通貨を盗まれてしまいます。必ず正規の代理店から新品を購入しましょう。
リップル (XRP) をスマートコントラクトで保管する
リップルはスマートコントラクトでも保管することができます。スマートコントラクトとは、ブロックチェーン技術の一つで、予め設定した契約を自動でプログラムが実行してくれるシステムです。
リップルの秘密鍵は、2つ以上に増やすことが可能です。これをマルチシグといいます。マルチシグの場合は、複数の秘密鍵を使わないと仮想通貨にアクセスすることができません。スマートコントラクトを利用すると、このマルチシグの「鍵の数」を変更することができます。例えば、3つ鍵がある場合に、2年までは1つの鍵で、2年経ったら2つ必要になり、5年後には3つ全てがないと仮想通貨を送金できない…といった具合です。
スマートコントラクトによる保管は、資産相続においてよく使われています。
相続先に2つある鍵の内片方を渡しておいて、ある一定の時期になったら1つだけで開けられるようにすれば、自分に有事があった際にも相続先が安全に仮想通貨を引き出せます。
リップル (XRP) のウォレットまとめ
ここまでリップルをウォレットで保管する理由から、目的別におすすめのウォレットを紹介し、ウォレット購入時の注意点まで解説してきました。
リップルを保管する際には自分が重視する目的を理解して、それに見合ったウォレットの種類を選ぶことが大切です。この記事を参考にリスク管理を徹底しましょう。