- BybitはBTC/USDT無期限契約を使って両建てできる
- 「参入注文」タブから反対方向のポジションを建てる
- 証拠金および手数料が二重にかかる
高いレバレッジで魅力的で海外取引所での取引をメインとするトレーダーからも人気を得ているBybitですが、実は両建てをつかった取引も可能です。本記事ではBybitで両建てをする手順を画像つきで解説し、両建ての注意点について触れます。
両建てとは
両建てとは、買いポジションと売りポジションを同時に保有することをいいます。両建てのメリットは、長期トレンドを追いながら短期トレンドでも利益を狙える点です。
たとえば長期的にビットコインが値上がりすることを見込み、ロングポジションを持ったとしましょう。しかし価格が下落してしまったとき、ロングポジションをそのまま保有した状態で新たにショートポジションが建てられます。
ショートポジションを決済することで利益を確保し、価格が反転して上昇に転じることでもともと保有していたロングポジションでも利益を確保できるでしょう。これが理想的な両建ての活用方法です。
Bybit (バイビット) で両建てはできるのか
Bybitで両建てに対応している契約は「USDT無期限契約」だけです。もう1つの「インバース無期限契約」では、取引システムの仕様上両建てが行えません。ただ「USDT無期限契約」と「インバース無期限契約」各々で異なる方向のポジションを持ち、擬似的な両建ては行えます。
2つの取引ペアを使った両建て
「USDT無期限契約」と「インバース無期限契約」を使った両建てでは、それぞれの市場の資金調達率の差から手数料を稼げるでしょう。
たとえばインバース無期限契約でロングポジション、USDT無期限契約でショートポジションを持つとしましょう。このときインバース無期限契約の資金調達率は0.0100%、USDT無期限契約では0.0504%だったとします。
それぞれの契約において同額のポジションを保有していれば、資金調達率の差額の0.0404%分儲けられるというわけです。ただし必ずしも資金調達率が2つの契約において相殺されるわけではない点に注意してください。
たとえばインバース無期限契約で0.01%、USDT無期限契約で-0.0504%だったときは、どちらの契約においても資金調達手数料の支払いが必要になってしまいます。2つの契約を使って資金調達手数料の差額を稼ぐときは、2つの契約における資金調達手数料の動向のチェックが欠かせません。
BTC/USDTのみを使った両建て方法
インバース無期限契約のBTCUSDTは両建てができるシステムになっています。新規ポジション建てと決済注文を建てる画面が異なっており、ロングポジションを建てたあとにショートポジションを新規で建てたとしても保有しているロングポジションは決済されません。
ただし注文画面を間違えて保有ポジションを決済してしまったり、新たなポジションを建ててしまったりという人為的なミスの可能性は考えられます。両建てする際は注意して操作しましょう。
Bybit (バイビット) で両建てするメリット
Bybitで両建てするメリットは、中長期トレンドを追いながら短期のトレンドでも利益確保を目指せる点です。
たとえばビットコインの長期的な価格上昇を見込んでロングポジションを保有しているとき、短期的な下落が発生したとしましょう。通常であればロングポジションの手仕舞いを検討すると思います。
ですが「ロングポジションを手仕舞いするのはもったいない。なぜならこれは短期の下落だからだ。必ずトレンドが反転して中長期では価格上昇する。」と、価格の反転を強く信じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そういったときに便利なのが両建てです。
両建てであれば、保有しているロングポジションを手仕舞いすることなく、ショートポジションを建てられます。そしてショートで利益を出すこともできますし、価格反転後はロングポジションを決済することで利益を出せるでしょう。
Bybit (バイビット) で両建てをするデメリット
両建てのデメリットは、両建てを解消するタイミングが非常に難しいことです。たとえば価格が反転して上昇することを見越して、両建てでショートポジションを新たに建てたとしましょう。しかし価格は反転することなく下落し続けます。
このときもともと保有していたロングポジションを解消すればいいのですが、「ロングポジションの損失を確定させたくない。いずれ価格が上昇するのでは」と思うと、両建てを解消するタイミングを失ってしまうことがあります。
両建てを行うトレーダーの多くには、「損失を確定させたくない」という逃げの気持ちが少なからずあります。両建てをすることで損失が相殺され安心感は得られます。ですが、いずれどちらかのポジションを選ばなくてはいけません。
損失の確定は心理的な負担があるため、ずるずると両建てを維持してしまうことが多いでしょう。
Bybit (バイビット) で両建てを行うときの注意点
両建てを行うときの注意点は手数料を二重に負担しなければならないことです。Bybitの取引手数料は新規ポジション建てと決済注文にかかりますが、ポジションが2つあるため支払いが4回必要です。
さらに資金調達手数料が発生する時刻を跨いでポジションを保有し続ければ、資金調達手数料の支払いも必要です。ただし資金調達手数料は支払いと受け取りの両方があるため、同じ価格のポジションであれば相殺されます。
Bybit (バイビット) で両建てする方法・やり方
STEP1 | 無期限契約の取引画面を開く |
STEP2 | 「参入注文」タブでポジションの新規注文を実行する |
STEP3 | 「参入注文」タブから反対側のポジションの新規注文を行う |
STEP1 無期限契約の取引画面を開く
まずはBybitにアクセスします。
そしてBybitで両建てを行えるのは「USDT無期限契約」のため、上部メニューの「トレード」から「USDT無期限」をクリックしましょう。
そうすると、USDT無期限契約のBTCUSDTの取引画面が表示されます。
STEP2 「参入注文」タブでポジションの新規注文を実行する
取引画面右側にある注文内容を記入するボックスの中に、「参入注文」と「決済注文」の2つのタブがあることがおわかりいただけると思います。
「参入注文」は新規ポジション建てに、「決済注文」はポジション解消の注文を発注するために使います。よって両建てを行うには、「参入注文」を選択して方向の異なるポジションをそれぞれ発注すればOKです。
STEP3 「参入注文」タブから反対側のポジションの新規注文を行う
片方のポジションを建てたら、再度「参入注文」タブを選択し反対側の新規注文を行いましょう。
両建てする際は、誤って「決済注文」タブから注文を行わないようにしましょう。決済注文タブから反対注文を行うと、保有しているポジションが解消されてしまいます。どちらのタブを選択しているかを十分に確認してください。
Bybit (バイビット) で両建てした場合の証拠金について
Bybitで両建てを行う場合、証拠金が二重にかかります。「売りと買いのポジションの数量を比較して、数量が多い方の証拠金が必要になる」ことはありません。よって両建てするには、証拠金を2倍用意する必要があります。
クロスマージンモードだと損益は相殺される
証拠金モードでクロスマージンモードを選択していると、ポジションの損益を共有できます。たとえばロングポジションで含み益が0.005BTC、ショートポジションで含み損が-0.001BTCだった場合、未実現損益は0.004BTCとなります。両建てを行うと損失と利益が相殺されるため、ロスカットされにくくなります。
分離マージンモードでは想定外のロスカットが起こる
一方証拠金モードで分離マージンモードを選択している場合、証拠金はポジションごとに独立しています。よってクロスマージンモードに比べて、ロスカットされないよう証拠金の管理に注意を払う必要があるでしょう。
分離マージンモードでポジションを建てるとき、証拠金は自動的に「ポジション価額÷レバレッジ倍率」で口座残高から分離されます。証拠金を補充する手段は次の2つがあります。
- 手動で証拠金の補充を行う
- 自動証拠金補充機能 (AMR) を有効にする
手動で証拠金の補充を行う方法
手動で証拠金を補充するときはチャート下からポジションタブを選択し、「ポジション証拠金」欄にある鉛筆マークをクリックします。
そして追加する証拠金の数量を入力しましょう。
自動証拠金補充機能 (AMR) を有効にする方法
自動証拠金補充機能 (AMR) は、証拠金がロスカットレベルに近づくたびに口座残高から証拠金を自動的に補充する機能です。分離マージンモードのときに利用できます。証拠金補充機能 (AMR) をオンにするにはチャート下のポジションタブから、「自動的に証拠金追加」欄に表示されるボタンをオンにしましょう。
Bybit (バイビット) の擬似的な両建ての方法
現物の仮想通貨と証拠金取引で1倍のショートポジションを持つことで、現物の価格下落に対してヘッジできます。
仮想通貨を保有している時点で「保有している仮想通貨に対してレバレッジ1倍のロングポジションを持っている」といえるでしょう。なぜなら仮想通貨は法定通貨に換算した価値が日々変動しているからです。たとえば今日は1BTC=11,000ドル、昨日は1BTC=10,600ドルといったように変化しています。
ビットコインの価値が下がれば、資産価値も減少してしまいます。そこでBybitでBTCUSDT無期限契約でレバレッジ1倍のショートを建てるとヘッジできます。
たとえばビットコインの価値が下がれば、口座に入っているビットコインの法定通貨に対する価値は下がります。一方ショートポジションでは含み益が出るでしょう。
Bybit (バイビット) の両建てに関するQ&A
インバース無期限契約で両建て取引はできますか
インバース無期限契約では両建てできません。両建てが行えるのはUSDT無期限契約のみとなっています。
Bybitで両建てはどの通貨でできますか
Bybitで両建てが行える通貨ペアは、BTC/USDTです。
Bybit (バイビット) の両建てに関するまとめ
Bybitではかんたんに両建てができます。本記事を参考に、ぜひBybitで両建てにチャレンジしてみてください。
Bybit (バイビット) が一概に悪徳業者と断定はできませんが、日本人にも人気の海外業者の中には詐欺まがいの行為を行なっている業者が紛れていることも事実です。また暗号資産(仮想通貨)交換業として登録していない取引所が日本でサービスを行うことは法律で禁じられています。海外暗号資産(仮想通貨)取引所の多くは、日本国内での法律に違反していることが多いため、被害に遭って大きな損害を受けてしまう恐れもあります。当サイトとしては万が一のリスクに備え、安全な国内業者を利用されることをおすすめいたします。